家禽疾病3回講義、ミニテスト

1、   細菌の血清型分類に使われる抗原で間違っているものは

1, 細胞壁外膜:O抗原

2, 細胞膜:M抗原

3, 線毛:F抗原

4, 鞭毛:H抗原

5, 莢膜:K抗原

クラム陰性細菌の細胞壁外膜のLPS(リポ多糖)の構成成分の一番外側の多糖がO抗原です。名前の由来は、細菌を培養した時のコロニーがぼやけない(ドイツ語の曇りのないOhne Hauchbildung)に由来します。これは鞭毛をもつ細菌のコロニーでは菌が移動するためにぼやけて(曇って)見えるため(HauchbildungH抗原の由来)に付けらものです。線毛抗原は、線毛(fimbriaF抗原)に、莢膜はドイツ語のKapsel(カプセル:K抗原)に由来します。これまで細胞膜抗原による体系的な血清型分類はありません。またO抗原は菌体抗原ともいわれました。

2、伝染性コリーザに関する記述で正しいものは?

1, 伝染性コリーザの原因菌Avibacterium paragallinarumヒトの赤血球を凝集する

2, コリーザは「感冒」を意味し、急性の消化器系の感染症である

3, 主にA型菌とC型菌の流行があり、感染率も致死率も高い

4, 伝染性コリーザには有効な生ワクチンが開発されている

5, 病原菌はパスツレラやサルモネラ、大腸菌と同類のγプロテオバクテリア綱に属する

コリーザは「感冒」、「鼻かぜ」の意味で急性の呼吸器感染症の総称です。通常感染率は高いのでが、致死率は低いです。鶏の伝染性コリーザ菌の凝集素は鶏赤血球を凝集します。ワクチンは有効な不活化ワクチン(A型菌、C型菌の2価ワクチン)が開発されています。伝染性コリーザ、家禽コレラ、家禽チフス、雛白痢、大腸菌症はいずれもプロテオバクテリア門、γプロテオバクテリア綱に属します。

、鶏結核(病)に関する記述で正しいものは?

1, 結核菌はチールニールセン(Ziehl-Neelsen)染色で紫色に染めだされる

2, 鶏結核菌は、ファーミキューテス門に分類される

3, 結核結節には、多くの好中球が浸潤する

4, 陽性例が認められると鶏群はオールアウトし焼却処分。土壌は消石灰散布

5, 殺菌処理には弱く、糞や土壌中での生存期間は比較的短い

結核菌は、アクチノバクテリア門、放線菌綱、コリネバクテリア目、ミコバクテリア科に属し、菌の表面がロウ様物質(ミコール酸など)で覆われているのでフクシンにより赤く染めだされます。結核結節は乾酪(チーズ様)変性を特徴とし、組織学的には巨細胞やリンパ球、Mφの浸潤がみられます。好中球が多く浸潤するのは膿瘍です。鶏結核菌は殺菌処理(アルコール消毒や加熱(60℃、1030分)には弱いのですが、糞や土壌(4年間生存)では長期間生存します。Franz ZiehlFriedrich Neelsenもドイツ人なので、ツウィール・ネールゼンが正確な発音かもしれませんが、チールニールセン染色、チールネルゼン染色といわれます。

4、鶏ボツリヌス症に関する記述で間違っているものは?

1, 脚、翼、頸の弛緩性麻痺を起こす

2, ブロイラー、アヒル、野鳥で集団発生する。致死率は高い(~50%)

3, ボツリヌス菌はクロストリジウム属のグラム陽性、芽胞形成、偏性嫌気性、大桿菌

4, 毒素はアセチルコリンの遊離を促進する

5, リンバーネック(limber neck、首垂れ)が特徴的な症状

ボツリヌス菌は、クラム染色陽性の芽胞形成能を持つ偏性嫌気性の大型桿菌でアセチルコリン遊離を阻害するため筋肉は弛緩性の麻痺を起こし、リンバーネック(首垂れ)のような特徴的神経症状を呈する。ブロイラー、アヒル、野鳥で集団発生する。致死率は高く、バイオテロに利用されるリスクが高いため、感染症法の病原体取扱規則では2種病原体となっている。

、鶏壊死性腸炎に関する記述で間違っているものは?

1, 鶏壊死性腸炎の進行は比較的遅く、慢性経過をとる

2, 平飼いの25週齢のブロイラーに好発。常在化する傾向がある

3, 感染鶏では茶褐色、黒褐色のタール状下痢便(腸粘膜脱落片を混入)を排出する

4,  鶏壊死性腸炎は、Clostridium perfringensのA型、C型菌の経口感染により起こる

5, 鶏壊死性腸炎の原因菌であるウェルシュ菌は鶏糞、土壌、埃、飼料、敷料に存在する

鶏壊死性腸炎はファーミキューテス(フィルミクテス)門、クロストリジウム綱、目、科、属のClostridium perfringensのA型、C型菌の経口感染により起こる。急性経過をたどり、発症後は数時間で死亡する。茶褐色、黒褐色のタール状下痢便を排出する。壊死性腸炎が発生した鶏舎はオールアウトし、水洗、消毒(土壌中の芽胞に有効な消毒としては:火炎消毒、次亜塩素酸カルシウム(さらし粉)、消石灰消毒など)を行う必要がある。

6、鶏マイコプラズマ病(or M.GM.S.)に関する記述で正しいものは?

1, 介卵感染は起こさない

2, 血清加培地で目玉焼き状のコロニーを形成する

3, 赤血球凝集能は持っていないがHI(赤血球凝集抑制)試験は可能である

4, 伝播力は肺炎型のガリセプチカムの方が高く、病原性は関節炎型のシノビエが強い

5, 鶏マイコプラズマ病の病原菌では、まだ耐性菌は出現していない

鶏マイコプラズマ病原体(M.G, M.S)は独特の形態である目玉焼き状のコロニーを形成する。赤血球凝集能を持ち、HI試験による抗体測定が可能。介卵感染も起こす。一般に、伝播力は関節炎型のシノビエの方が高く、病原性は肺炎型のガリセプチカムが強い。耐性菌が出現しており、ニューキノロン系の抗生物質が使われるようになっている。

7、鶏コクシジウム病に関する記述で正しいものは?

1, 鶏コクシジウムのアイメリア属は、鞭毛虫門に分類される

2, ガメートサイトが接合し、オーシストを形成するにはヌカカが必要である

3, 鶏コクシジウムの中で最も病原性の弱いのはアセルブリナで、小腸上部で増殖する

4, 不活化ワクチンはあるが、弱毒株生ワクチンは開発されていない

5, 鶏コクシジウムは腸管で増殖し、シストを形成するためヒトに感染する

鶏コクシジウムはアピコンプレックス(頂端複合体;胞子虫)門の原虫。腸管で増殖し、スポロゾイド、メロゾイド、シゾント、ガメートサイト(ミクロ:雄、マクロ:雌)、オーシストを形成する(鶏が終宿主)。腸管では小腸から盲腸まで種により増殖部位が異なる。国内外では弱毒株の3種から7種混合(8株混合)の生ワクチンが市販されている。鶏のみに感染し、他の鳥類やヒトには感染しない。

、ヒストモナス病に関する記述で間違っているものは?

1, 予防用のワクチンは開発されていない

2, Histomonas meleagridisは、鶏には感染するが七面鳥やウズラには感染しない

3, 肝臓では独特の病変である、同心円状(菊花状)の巣状壊死がみられる

4, 病状の末期には、肉冠が暗紫色になり「黒頭病」の病名がつけられた

5, ヒストモナスは、鶏盲腸虫(虫卵)やミミズなどを介して鶏に戻る

ヒストモナスは原虫ですがアメーバー型と鞭毛型の2型を取ることから鞭毛虫門や根足虫門でなくメタモナス門、(トリ)トリコモナス綱、目に入れられています。また、無性生殖だけなので中間宿主、終宿主という区別はなく、トリ、盲腸虫、ミミズといった複雑な生活環をとっています。黒糖病や肝の菊花状病巣など独特の病態を起こします。予防用のワクチンはありません。

9、鶏アスペルギルス症に関する記述で正しいものは?

1, 鶏アスペルギルス症の特徴の一つとしては、肺や気嚢に黄白色の結節が見える

2, アスペルギルスは真菌界の接合菌門に分類される

3, オガクズやチップなどに付いていて、低温・乾燥状態で増殖する

4, アスペルギルスはグロコット染色では染まらない

5, 呼吸器系よりも消化器系で病変が多くみられる

アスペルギルスは、子嚢菌門、ユーロチウム綱、目、マユハキタケ科、コウジカビ属に属する。主に呼吸器系を侵し、肺や気嚢で増殖して黄白色~白色の結節を形成する。時に消化器系や神経系も侵し白色下痢便や脳炎を起こさせる。敷料のオガクズやチップに付着しており、高温・多湿の環境で良く増殖する。菌は真菌染色に使われるグロコット染色で染め出される。

0、気管の閉塞や気管支炎を起こす鶏気管開嘴虫に関する記述で正しいものはどれか?

1, 子虫は盲腸で脱皮、血行性に小腸、肝臓、肺へと移行、成虫は気管支、気管に到達する

2, 産卵鶏では成鶏における致死率が高い

3, 感染経路は吸入・気道感染である

4, 気管で産生された虫卵は咳とともに排出される

5, 鶏開嘴虫は、蠕虫の分類では条虫に分類される

鶏気管開嘴虫は線虫に属する。開嘴虫の第3子虫は盲腸で脱皮し、血行性に小腸、肝、肺へ移行、成虫となって気管で交尾、排卵する。卵は食道から糞とともに排出される。感染子虫は卵の中で第3子虫まで進む。鶏は卵、子虫、あるいは待機宿主(ミミズ)の経口摂取により感染する。幼雛での致死率が高い。

家禽疾病学、第2回講義のミニテスト

1、   以下の家禽の伝染病のうち家畜伝染病(法定伝染病)に分類されるのは?

1, 伝染性ファブリキウス嚢病

2, あひる肝炎

3, 鶏白血病

4, 家禽コレラ

5, 鶏痘

家禽コレラは家畜伝染病(法定伝染病)。伝染性ファブリキウス嚢病、あひる肝炎、鶏白血病、鶏痘は届出伝染病。

2、ロイコチトゾーン・カウレリーに関する記述で正しいものは?

1, ニワトリハジラミによって媒介される

2, 流行は冬季に北海道で見られる

3, 血球で増殖する子嚢菌による感染症である

4, 無性生殖をおこない、有性生殖は起こさない

5, 種特異性が強く鶏以外にはかからない

ロイコチトゾーン・カウレリーは、原虫(胞子虫)に属し、ニワトリヌカカが終宿主、流行はヌカカが活動する78月がピーク。青森以南で流行する。ニワトリの体内でガメートゴニ―を行い、ヌカカで接合し、スポロゾイドとなる。

3、鶏白血病(or ウイルス)に関する記述で正しいものは?

1, T細胞性の白血病を起こす

2, 逆転写酵素をもつレトロウイルスが原因である

3, 若齢の幼雛が特に感受性が高く、高率に発症する

4, 水平感染のみで、垂直感染は起こさない

5, 鶏白血病ウイルスはヒトにも感染する

ニワトリ白血病ウイルスはαレトロウイルスに属し、主としてニワトリでB細胞白血病を起こす。産卵鶏の成鶏で発症する例が多い。時に垂直感染を起こし、免疫寛容になった個体は、生涯、ウイルスを排出する。ヒトには感染しません。

4、わが国における最近の家禽伝染病に関する記述で正しいものは?

1, ひな白痢、家禽チフス、家禽コレラは封じ込めできているといえる

2, ニューカッスル病は依然として大きな流行を続けている

3, マレック病、伝染性気管支炎は統御された

4, あひるウイルス性腸炎はロシア経路と台湾経路で侵入した

5, 鶏におけるサルモネラ症(S.E, S.T)の届出は毎年、千例を超す

ひな白痢、家禽チフス、家禽コレラの法定伝染病は、ほぼ封じ込められている。ニューカッスル病についても、近年、大流行は見られない。しかし、マレック病と伝染性気管支炎は流行があり、統御されているとは言えない。あひるウイルス性腸炎は、まだわが国には侵入していない。サルモネラ菌は常在していると思われるが、鶏でのサルモネラ症(S.E. S.T.による発症例、流行)は届出られていない。S.Tによる野鳥(スズメ)の流行は見られた。

5、家禽の伝染病で2本鎖DNAウイルスにより起こるものでないものは

1, アヒル肝炎1型

2, 産卵率低下症候群

3, 鶏痘

4,  アヒルウイルス性腸炎

5, 鶏封入体肝炎

鶏痘(ポックスウイルス)、アヒルウイルス性腸炎(ヘルペス)、産卵率低下症候群、鶏封入体肝炎(いずれもアデノウイルス)は2本鎖DNAウイルス。アヒル肝炎1型はピコルナウイルス(1本差RNAウイルス)です。

6、鶏痘に関する記述で正しいものは?

1, ヘルペスウイルスにより起こる感染症

2, 粘液型は夏に多く、流涙や失明を起こす

3, 生ワクチンは開発されていない

4, 呼吸器感染が多く、肺炎により死亡する

5, 感染細胞内にボーリンガー小体という封入体がみられる

鶏痘ウイルスはポックスウイルスに属します。夏から秋にかけては、皮膚病変と流涙や失明を起こす皮膚型の鶏痘が起こります。有効な弱毒生ワクチンがあります(翼膜穿刺による投与)。多くは接触感染(ヌカカによる機械的伝搬、創傷など)です、感染細胞内には細胞質内封入体がみられ、ボーリンガー小体と呼ばれています。

7、鶏貧血ウイルス(CAV)病に関する記述で間違っているものは?

1, 本疾病は、サーコウイルス科(1本鎖、環状DNA)ウイルスにより起こる

2, 発症は主に介卵感染により14週齢の雛に起こる

3, 発症雛では、骨髄・免疫系が障害される

4, 骨髄の退色や黄変が特徴的にみられる

5, 胸腺は退縮するが、ファブリキウス嚢の退縮は見られない

鶏貧血ウイルス(CAV)はサーコウイルス科ジャイロウイルス属のCAVにより起こります。鶏貧血症はCAVの介卵感染により雛に起こります。骨髄での造血系が障害されるので、肉眼的には骨髄の退色、貧血の他に免疫系(T細胞系の胸腺、B細胞系のファブリキウス嚢)も機能低下、退縮を起こします。

8、鶏ウイルス性腱鞘炎・関節炎(or ウイルス)に関する記述で正しいものは?

1, ヘルペスウイルスにより起こる感染症である

2, 4~7週齢の中雛の産卵鶏に多発する

3, 特徴的な病変として腓腹筋断裂(青脚)がみられる

4, 種鶏に生ワクチンを投与し、雛に移行抗体を付与する

5, 腱鞘炎や関節炎は起こさない

鶏ウイルス性腱鞘炎・関節炎ウイルスは、鳥レオウイルスに属すRNAウイルス(ARV)です。腱鞘炎や関節炎を起こしますが、特徴的な病変として腓腹筋断裂(青脚)がみられます(他の疾病ではほとんど起こらない)。4~7週齢のブロイラーに多発します。種鶏に不活化ワクチンを投与し、雛に移行抗体を付与する方法で予防します。(昨日、勘違いしました。すみません)

9、鶏脳脊髄炎(or ウイルス)に関する記述で正しいものは?

1, 介卵感染は起こらない

2, 病理組織では錐体細胞に中心性虎斑融解がみられる

3, ウイルスは脊髄で増殖するが腸管では増殖しない

4, 予防は種鶏、産卵鶏への不活化ワクチン接種による

5, 大型のRNAウイルスであるコロナウイルスの感染症

鶏脳脊髄炎はヒトのポリオ(小児麻痺)に類似しています。腸管で増殖し神経系に入って脳脊髄炎をおこします。もっとも小型のRNAウイルスであるピコルナ(小型:ピコ、ルナ:RNA)ウイルスに属します。弱毒生ワクチンがあります。大型の錐体細胞でウイルスが増殖すると組織病理学的には中心性虎斑融解を起こします。顕微鏡で虎斑状に見えるニッスル小体(粗面小胞体:RER) が崩壊する状態を虎斑融解といい、中心性虎斑融解では核周囲の細胞質の中心部が、腫大・崩壊したニッスル小体が周辺に押しやられるため、ぬけて見えます。

10、頭部腫脹症候群に関する記述で間違っているものは?

1, 英語の疾病名はSwollen head syndromeである

2, 原因ウイルスはTRTV(Turkey rhinotracheitis virus)である

3, 後弓反張のような神経症状は見られない

4, 眼瞼周囲発赤・腫脹、頭部・下顎、肉垂の浮腫がみられる

5, ニューモウイルス科、メタニューモウイルス属のウイルスに属する

頭部腫脹症候群は、メタニューもウイルスの属するTRTVにより起こります。頭部、眼瞼の浮腫などが特徴ですが、神経系も巻き込まれ、時に後弓反張のような神経症状がみられます。英語名は、名前の由来通り、Swollen head syndromeです。

 

家禽疾病1回講義、ミニテスト回答と解説

1、   家禽は、肉、羽毛、卵などを利用するために飼育する鳥の総称です。家禽化されたガチョウの野

生種はどれか?

1, セキショクヤケイ

2, サカツラガン

3, マガモ

4, キンケイ

5, コブハクチョウ

セキショクヤケイは鶏、サカツラガンはガチョウ、マガモはアヒルの野生種が、それぞれ家禽化されたものです。キンケイとコブハクショウは、野生種そのままです。

2、鶏の品種の中でレイヤー(産卵鶏)として有名なものは?

1,  コーニッシュ

2,  ロードアイランドレッド

3,  名古屋コーチン

4,  白色レグホーン

5,  プリマスロック

コーニッシュ、ロードアイランドレッド、名古屋コーチン、プリマスロックはいずれも肉用鶏です。産卵鶏は白色レグホーンです。

3地鶏の雛は在来種の血液百分率(%)が何%以上でなければならないか?

1, 10%

2, 33%

3, 50%

4, 67%

5, 90%

地鶏の血液百分比は両親ともに在来種(100%)か、少なくとも片親が在来種(50%以上)が求められる。

4、OIE1920年にベルギーで発生した何の疾病の統御を発端として設立されたか?

1, 狂犬病

2, 口蹄疫

3, 高病原性鳥インフルエンザ

4, 豚コレラ

5, 牛疫

OIE設立のきっかけとなった家畜伝染病は、牛疫である。

5、OIEの主な活動に含まれないものは、どれか?

1, 動物由来の食品の安全性の確保、科学に基づき動物福祉を向上させる

2, 動物及び動物由来製品の国際貿易に関する衛生基準の策定

3, 動物疾病の制圧及び根絶に向けての技術的支援及び助言

4,  絶滅の危惧される野生動物種のレッドリスト作成

5, 世界で発生している動物疾病に関する情報提供

絶滅の危惧される野生動物種のレッドリスト作成は、国際的には1948年に設立されたInternational Union for Conservation of Nature and Natural ResourcesIUCN国際自然保護団体が行う。国内では環境省が取りまとめて公表している。

6、OIEの家禽疾病で、リストAに入っている疾病の正しい組み合わせは?

1, 家禽チフス、ひな白痢

2, 鶏痘、マレック病

3, 家禽コレラ、伝染性気管支炎

4, 結核病(鶏)、鶏クラミジア症

5, ニューカッスル病、高病原性鳥インフルエンザ

OIEのリストAに入る家禽疾病は、ニューカッスル病と高病原性鳥インフルエンザ。

7、ニューカッスル病に関する正しい記述は?

1, 病原体は腸内細菌科に属するグラム陰性菌である

2, 野鳥では50種類以上が自然感染する

3, 有効なワクチンはまだ開発されていない

4, 病原性の強弱は主にM遺伝子(マトリックス蛋白)の配列により推測可能

5, ガチョウやアヒルは非常に感受性が高い

ニューカッスル病の原因ウイルスはマイナス鎖のRNAウイルス(パラミキソウイルス科)であり、有効なワクチンが開発されている。また病原性はF蛋白のアミノ酸配列により解列のし易さから推測できる。鶏の方が感受性が高く、ガチョウやアヒルは、発病しにくい。。

8、OIETerrestrial Animal Health Codeに関する記述で間違っているものは?

1, コードの目的の一つは、国際貿易手続きを簡素化するためである

2, コードの目的の一つは、家畜を感染症から保護するためである

3, コードの適用については国際法に準じ、法的拘束力を持つ

4, OIE加盟国は、科学的根拠なしにコードを無視することはできない

5, 科学的に正当な理由なくコード以上の措置を要求するとWTOに提訴される

OIEの陸生動物衛生規範(水生動物衛生規範も同様)は、国際法的な法的拘束力は持っていない。しかし、科学的に正当な理由がなく、相手国にコード以上の措置を要求すると、相手国から国際貿易機関(WTO)に提訴されることになる。

9、家畜感染症に関するゾーニング(Zoning)という地理的区切りに含まれないものは?

1, 渓谷

2, 大河

3, 州境

4, 高速道路

5, 植生

ゾーニングの自然的区切りとして渓谷、大河、海峡などがあり、人工的地理的区切りとしてはゾーンワクチンや高速道路、法的境界の区切りとして県境、州境などがあるが、陸地の特定の場所に生息する植物集団である植生はゾーニングにはなじまない。

10、家畜感染症に関するコンパートメンタリゼーションの記述で正しいものは?

1, ゾーニングよりも広域の封じ込め措置である

2, 施設内の動物へのワクチネーションが必須である

3, サーベイランス(監視)する必要はない

4, 施設内の家畜の清浄化を確立する措置である

5, OIEで指定する全ての家畜感染症(リストA,B)に適応される

コンパートメンタリゼーションは、バイオセキュリティーなどに基づき施設内の家畜の清浄化を確立する措置である。高病原性鳥インフルエンザのように野鳥がウイルスを保有していても、個々の養鶏場が清浄状態を維持することが出来るように、ウイルスの侵入を阻止する方法である。

 

 2019年秋②家禽疾病学の講義がはじまりました。8年ぶり、北里大学時代以来の講義です。準備が遅れて、内容はそれほど変わっていません。時間を見て内容を進化させようと考えています。それでも、少しずつ手を入れ、ずいぶん整理できたと思っています。今回の講義は、1単位なので、4単位を2単位に、さらに1単位に圧縮した内容です。データの古い部分を最近のデータに変更しました。世界的な鶏肉生産量の増加が際立っていました。

1回目の講義の後に送られてきた主な質問と回答です。

鶏痘の致死率が2次感染でなければ低いとのことですが、2次感染による致死率が高い理由は鶏痘感染による免疫力低下によって他の感染症に感染しやすくなるためであって、鶏痘に直接的な死因があるわけではないのでしょうか。鶏痘は表皮で増殖し、皮膚病変(壊死や潰瘍)ができるので、皮膚から細菌感染などが起きます。重複感染による負荷や菌血症により致死率が上昇します。もちろん重複感染によりストレス負荷で免疫系機能が低下すれば、鶏痘ウイルスの増殖も加速されます。マレック病ウイルスは羽包上皮に感染するようですが、これは鶏痘皮膚型の蚊やヌカカのような媒介者が存在するのでしょうか。違います。マレック病ウイルスの成熟過程は複雑です。各論で説明します。ウイルスはT細胞で増殖しますが、感染性ウイルス粒子は羽毛上皮細胞のみで産生されます。表皮で成熟したウイルス粒子は、表皮とともに落屑して、他の鶏に経口感染すると考えられています。

授業であったニューカッスル病についてなのですが、何故人には感染しない病気であるにも関わらずOIEのリストのAに含まれているのでしょうか?確かにヒトに感染して重篤な疾病を起こすわけではありません。WHOがヒトの感染症コントロールの役割りを負っているのに対し、OIEは、家畜の感染症をコントロールする世界的な役割を負っています。人に感染しなくても、家畜の深刻な、国際的に広がる越境感染症は、アウトブレイクが起こるとヒトが食べる食料がなくなってしまうからです。食の安全の問題でなく、食の安定供給(food security)の問題です。豚コレラの場合も、家畜間での伝搬力強さ、家畜の致死率の高さから、国際的なレベルで食料供給に深刻な影響を与えるからです。豚コレラの場合もそうなのですが、何故人に感染することのない病気を発症しても殺処分しなければならないのでしょうか。家畜伝染病の蔓延をとめ、出来るだけ初期に、流行を封じ込める処置です。家畜の役割りを考えてみてください。産業動物はヒトや愛玩動物とは違う基準で飼育されているのです。

先日、消費者の代表の方が、以下の文章を書いて消費者向けに発信してくれました。

「豚コレラについて」20191024日、農林水産省消費・安全局動物衛生課は、「豚コレラについて」を発表し、特に、消費者に対し、大事なメッセージが一番初めに述べられています。

1.豚コレラは、 ブタやイノシシの病気であって、人に感染することはありません。
2.豚コレラにかかったブタの肉や内臓を食べても、人体に影響はありません。感染豚の肉が、市場に出回ることはありません。

畜産農家は、一所懸命に飼育してきたブタが豚コレラになると、殺処分をしたり、豚コレラが発生した養豚場から半径10Km以内にある養豚場は、ブタが出荷できなくなります。その中で早期発見のためにブタの観察を注意深く行い、厳しい衛生管理を続けています。

私たちの食を支えている畜産農家の人々が精神的にも経済的にも苦しい立場にある今、消費者である私達が落ち着いて行動することは畜産農家への一つのエールになるではないでしょうか。

とはいっても「人に感染しない」とはどういうことでしょう。少し不安ですね。吉川泰弘先生(岡山理科大学獣医学部長、東京大学名誉教授)にうかがったところ、「豚コレラウイルスの表面にはブタの細胞の中に入るための『鍵』のような2つの蛋白質があります。他方、ブタにはウイルスの鍵にあう鍵穴(おそらく2つの受容体)がありますが、人のとは違っているので感染しません」といわれました。人の身体の受容体の構造が豚コレラのウイルスを受けつけないようにできているそうです。

また、これからはワクチンを接種されたブタが出回ることもあるかもしれません。このことについても吉川先生は「私たちもインフルエンザワクチンをうったり、子どものときにはいろいろなワクチンを打ったりしながら育ちます。でも、ワクチンをうった私達は特別な人間にはなりません。それと同じでワクチンをうっても特別なブタになるわけではありません」といわれています。

今後、店頭に「ワクチンをうっていないブタです」など、消費者をミスリードし、畜産農家に風評被害を与えるような表示がでてくるかもしれませんが、私たちは毅然として向かいあいたいと思います。

アフリカ豚コレラについても情報発信をしてくれています。

豚コレラ、アフリカ豚コレラの呼び名が、CSFASFに代わりました

農林水産省は1114日、豚コレラはCSFclassical swine fever:古典的豚熱病)、アフリカ豚コレラはASF (African swine fever:アフリカ豚熱病)という呼び方にすることを決めました。これらの伝染病はブタやイノシシには怖い病気ですが、人に感染することはありません。コレラという呼び名に消費者が必要以上に恐れたりしないようにするため、国際的な呼び名にしたものです。人に感染しないのは、CSFのときと同じように、ASFウイルスが細胞に入り込むときに使う「鍵」にあう鍵穴(受容体)を、人間は持っていないからです。とはいっても、ひとたび、ASFが発生、拡大すると畜産業は甚大な被害を受け、世界の食肉の供給は大ピンチに陥るでしょう。

ASFはアフリカでは常在的に発生しており、ロシアやアジア(中国、ベトナム、モンゴル、北朝鮮、韓国、フィリピンなど)でも発生が確認されています。日本では、まだ発見されていませんが、いつ発生してもおかしくない状態です。
ASF
に感染したブタは41℃以上の高熱が出て、元気がなくなり食欲不振になるなどして、1週間で死んでしまいます。致死率は、ほぼ100%です。CSFと違ってダニが媒介したり、感染している豚との接触で豚が感染します。ウイルスは加工肉や冷蔵肉の中でも3-6か月間、感染性を持っているくらいなので、ASFで死んだ野生のイノシシの肉や人が食べ残した汚染生ハムなどを野生のイノシシが食べると、ASFに罹ります。そのうえ、ワクチンや治療法がありません。日本では家畜伝染病予防法で「法定伝染病」に指定されており、発症した豚や疑わしい症状の豚はすぐに届け出て殺処分を行うことが定められています。早期発見と早期の措置が非常に重要です。

CSFにワクチンがあるのに、ASFのワクチンがないのはなぜでしょうか。吉川泰弘先生はいわれます。「ASFは天然痘ウイルスに似た、極めて大きなウイルスです。イノシシやブタの体に入り込むときの鍵を10個以上持っています。CSFウイルスの鍵は2つだったので、ワクチンでふたつの鍵穴をブロックできましたが、10個以上もの鍵穴をブロックするのは大変です。 ゲノム編集技術なら10個以上の鍵穴を持たないブタをつくりだすことができるかもしれませんが、楽ではありませんし、また、沢山の鍵穴をブロックするとブタ自身に問題がでるかもしれません」とやや悲観的です。天然痘のときの種痘のような有効なワクチンが出来るといいですね。私達は新しい呼び方(CSF, ASF)に慣れて、冷静に様子を見守りたいものです。

家禽疾病のOIEに関するスライドの対象動物のところに爬虫類がありません。2016年に爬虫類も対象動物とされたと、ネットに書いてあったのですが、未更新ですか?または、ネットの情報が嘘ですか?未更新でした。指摘ありがとう。もともとOIEは家畜、家禽でしたが、食品として魚類、甲殻類、ミツバチ(昆虫)、軟体動物が入りました。その後、生物多様性の維持として絶滅危機の問題になったカエル(ツボカビ、ラナウイルス)などの両生類が入りました。さらに2016年に動物福祉対象として爬虫類が入りました。これですべての脊椎動物と無脊椎動物として甲殻類、軟体動物と昆虫が入ったことになりました。まだ増えるかもしれません。

家禽は食肉として宗教に左右されず、広範な国・地域で生産しているので、生産量が増加しているとありました。魚類も同じだと私は思います。しかし魚は生産・消費の推移がいまいち伸びていません。家禽と魚類の違いはなんだと思われますか。家禽は養鶏施設で生産されます。従って養鶏施設の規模拡大により生産量が拡大します。漁業は、現在、天然魚の捕獲と養殖による魚類の生産が、それぞれ全漁獲量のほほ半分ずつを占めています。養殖魚の生産は伸びていますが、天然魚の捕獲は乱獲により捕獲量が伸びていませんし、魚種によっては減少する傾向がみられます。従て、全体としては家禽のような増産は見られません。天然魚の資源確保は、捕獲制限基準の作成や各国の捕獲規制の合意など、国際的な問題となっています。鳥インフルエンザにはA型インフルエンザウイルスがありますが、高病原性鳥インフルエンザと低病原性鳥インフルエンザのどちらともA型インフルエンザウイルスに含まれるのでしょうか。はいそうです。鳥のインフルエンザウイルスはA型で、渡り鳥の水鳥が全ての亜型HA1~16、NA1~9を持っているので、高病原性(H5,H7を含むすべての亜型で高病原性のもの)、低病原性(H5,H7の亜型で病原性の低いもの)、その他のA亜型の鳥インフルエンザウイルスはすべてA型に入ります。ただ、最近A型でコウモリからH17N11, H18N12が見つかり、A型が複雑になってきています。

 家禽疾病学、第2回の講義スライドです。先日訪問した愛媛県養鶏研究所が開発した「媛っこ地鶏」のスライドを追加してあります(第1回の講義の復習を兼ねて)。

 

 第2回講義に関連する質問と回答です。

メッセージ: 家禽のウィルス病のところで、トリアデノウイルスIII (産卵率低下症候群(EDSV))  、レオウイルス 鶏ウイルス性腱鞘炎・関節炎(AVTS/A:ARV)  には、不活化ワクチン。それ以外には、生ワクチンとあったのですが、アデノウィルス、レオウィルスには不活化が有効なのかと思ったのですが、同じくレオウィルス科であるロタウィルスでは生ワクチンが用いられていたりします。何をもって、このウィルスの予防ワクチンは、生ワクチンまたは不活化ワクチンにすると判断するのでしょうか? どのウイルス感染症にどのタイプのワクチンを使うか?という基本的な戦略はありません。実際のワクチンは大量な規模で生産します。ウイルスの力価は対数ですが、ワクチン製造は実数です。実験室でウイルスの増殖率が2log違っても、大したことはありませんが、ワクチン規模では、原液1トン生産が100トン規模に変わります。従って、容易に増殖する病原体の場合は、不活化ワクチンから始めます。しかし、不活化ワクチンでは十分な免疫が得られないウイルスや、増殖の悪いウイルスでは生ワクチン開発を試みます。一般には宿主を変える(鶏卵など)ことにより弱毒化する(通常数百代くらい?)、細胞培養で弱毒化する、温度変異株(Tsミュータント)をとる、変異原性物質入りの培養液で培養し、変異株の中から選択する・・・などですが、根気と運が必要です。もっともゲノム解析が進んだので、組換えウイルスだけでなく、ゲノム編集など、これまでの方法とは違った手段でワクチン株が出来てくる可能性はあります。これまでにも麻疹ウイルスは不活化ワクチン(K)と生ワクチン(L)の両方を使いましたし、KK,KLLというように組み合わせてつかいました。ポリオはLワクチンが長く使われましたが、流行がほぼコントロールできたので、より安全なKワクチンに切り替えつつあります。ワクチン戦略は現実的でかつ柔軟です。型にはまったものではありません。

質問:天然痘ワクチンとして牛痘ウイルスを利用していたように、鶏痘ワクチンとしてカナリア痘ウイルスをワクチンとして利用すること、またはその逆を行うことは可能なのでしょうか?トリポックスウイルスで鶏痘はA型、カナリア痘はB型でかなり違っています。鶏痘ウイルスワクチン(fowlpoxpigeon pox由来)に関しては、すでに有用な弱毒生ワクチンがあるので、これから、カナリア痘ウイルスを鶏痘用に新規に開発することはないと思います。しかし、ゲノム解析の結果、現行のワクチン株にも一部の野生株にもREV(鶏のレトロウイルス:reticuloendotheliosis virus)の遺伝子の一部が組み込まれていて、病原性に関係している可能性があるので、REV遺伝子を組換え手法で欠損させた、新しい鶏痘ワクチンの開発が進行中です。また、鶏痘ワクチンをカナリアに利用することはないと思います。その理由は、養鶏と違い、もし、鶏痘ウイルスをカナリアに順化して、いいワクチンが出来ても、商業規模からカナリアの市場で使用されることは少ないはずです。多額の開発費をかけてカナリア用に順化しても、元が取れなければ、企業は開発しません。

質問:家禽コレラにおける感受性がレイヤーよりもブロイラーの方が高いのは、鶏の種類の問題なのでしょうか?それとも飼育環境の問題なのでしょうか?両方関係しているように思いますが、詳細な実験的研究はないのではないかと思います。

質問:産卵率低下症候群の予防方法に投与回数が少なくて済む生ワクチンではなく、複数回投与が必要である不活化ワクチンが採用されるのは、ウイルスが強いため弱毒化されたとしても産卵率低下の症状が出てしまうからでしょうか?ワクチン株を発育鶏卵あるいは発育アヒル卵で大量培養し、尿膜腔液を不活化したワクチンです。発育卵で大量にウイルスが取れるので、安全な不活化ワクチンとしているのだと思います。オイルアジュバントの時は6090日齢に1回打つだけす。アルミニウムアジュバントでは6080日齢と120140日齢に2回接種します。

 家禽疾病学第3回講義のスライドです。主な細菌感染症、原虫感染症を取り上げました。寄生虫(蠕虫)感染症や、食中毒に関連する細菌感染症については、別途、講義します。

 第3回講義への質問と回答です。

伝染性コリーザの予防にA型とC型の2価ワクチンが有効とのことですが、B型のワクチンは開発されていないのでしょうか?開発されているのであれば、有効でないのは今まで流行していないからなのでしょうか?伝染性コリーザはHI抗体による血清型からA,B,Cの3型がありますが、これまでの流行株はA型とC型のみなので、B型のワクチンは開発されていないようです。別の分類では、1型と2型があり、1型がA型、2型がC型になっています。

質問:鶏ロイコチトゾーン病に対しては鶏卵への薬剤の移行・残留が起こるため、産卵鶏に薬剤予防を行うことは出来ないとのことですが、使用した場合サリドマイドのような催奇形性が起きるのでしょうか?催奇形性はないようですが、アンプロリウム服用の副作用としては、倦怠感、目まい、高血圧や頭痛の副作用が現れると記載されています。また、アンプロリウム・エトパベートの長期使用ではチアミン欠乏に伴う多発性神経炎(poly neuritis)が起こるようです。

https://www.slideshare.net/ossamamotawae/amprolium-ethopabate-product-information

鶏には複数の種類の動物に寄生する原虫だけでなく、鶏ロイコチトゾーン病や鶏コクシジウム病のように鳥全般ではなく「鶏」にのみ寄生する特異性があるとしか思えない原虫もいますが、これは鶏のDNAなどの遺伝子上の問題や生活環の問題なのでしょうか?そうではありません、説明不足でした。ロイコチトゾーンには少なくとも70種くらいの多様性があります。その中で、L.カウレリーは、鶏に強い病原性を持ち養鶏上問題になっているのです。コクシジウムも、同様です。真コクシジウム目、アイメリア亜目でも2500種あります。アイメリア科、アイメリア属でも、鳥類の他、哺乳類のネコ、イヌ、ウサギ、ウシ、山羊、羊・・・にそれぞれの種が寄生します。鳥類のコクシジウムでも、Eimeria acervulina(ニワトリ)、Eimeria brunetti (ニワトリ)、Eimeria maxima (ニワトリ)、Eimeria meleagridis (シチメンチョウ)、Eimeria mitis (ニワトリ)、Eimeria necatrix(ニワトリ)、Eimeria praecox (ニワトリ)、Eimeria tenella(ニワトリ)のように、住み分けています。ちなみにこの並び順はアルファベット順で、鶏の感受性や鶏への病原性などでの並び順ではありません。野鳥で調べれば、新しいコクシジウムが取れるかもしれませんね。「現代生物進化」や「人獣共通感染症」で学んだように、我々の理解している病原体は、全体の中の特殊解ともいうべき事例です。簡単には一般化できません。発想を変える必要があります。面白いですね。

クロストリジウム属の細菌毒素ウェルシュ菌の毒素について、家禽疾病学のスライドをみながらABCDE型をまとめてαβει毒素と見ていたのです。β毒素の説明として、壊死性腸炎の際の毒素とあったので「じゃあ壊死性腸炎といえば、β毒素を含むB型とC型ってことか。」とノートにまとめてたのですがスライドを続けて見ていくと「鶏壊死性腸炎はA型、C型の経口感染」とあり、「あれ?B型じゃないの?」となりました。ネットで調べていくとβ毒素はウェルシュ菌C型によって産生されるが、これらの大部分はβ毒素を産生しないウェルシュ菌A型によって引き起こされる。とあったので、C型はそもそもA型由来ってことなのかなと思いました。しかし「じゃあB型なんなんだよ」との疑問が残り、他の食中毒のサイトをみたところB型の例として子羊赤痢、子牛とニワトリと羊の出血性腸炎、豚の壊死性腸炎とあり鶏は「出血性腸炎」とあったのでスライドの【鶏】「壊死性腸炎」には該当しない
という点でカットされている。という理解で大丈夫ですか?宿主や病巣、病態により菌の型を決めてきたようです。その後の毒素遺伝子の解析、作用機序から毒素を決め、組み合わせたので、確かにわかりにくいです。細菌ゲノムや毒素遺伝子のカテゴリーから再分類される可能性があるかもしれません。

もう少し、ウェルシュ菌毒素:調べてみました。

 

菌型と毒素

α

(ホスホ

リパーセC)

組織壊死

細胞膜破壊

ガス壊疽

β

壊死性腸炎

皮膚壊死活性

ε

腸性毒血症

牛、羊、山羊

神経毒でもある

痙攣、脳浮腫

ι

子牛、子豚、ウサギ腸炎

(ADPリボシル化酵素)

2成分毒素

A型

ヒト、

動物の腸内

〇〇〇〇〇

5%は、エンテロトキシン産生

食中毒(ヒト)

 

 

 

B型 仔羊赤痢

まれに仔馬

〇〇〇

 

C型 

ブタ、羊、山羊

馬、ヒト

鶏(ブロイラー)

 

〇〇〇〇〇

 

 

D型

 

〇〇〇〇〇

 

E型

〇〇

 

 

〇〇〇〇〇

 

Clostridium perfringensは、主要な4種の毒素の産生パターンと疾病および宿主の違いで、5型に分類されてきた(最近、菌型の分類を変える案が提唱されているA~H?)

. Perfringensは、12種類の毒素を産生する。

そのうち主要毒素は4種類(α、β、γ、ι)

(α) アルファー毒素は、ガス壊疽の際の毒素で組織破壊作用。肺から吸引した場合、致命 的な肺の障害を起こす恐れがある(テロ)。 ホスホリパーゼC(細胞膜破壊)

(β) ベータ毒素は、壊死性腸炎の際の毒素で組織破壊作用。

 (ε) イプシロン毒素は、動物実験で神経毒性が見つかっている。

 (ι) イオタ毒素は細胞毒性

マイナー毒素として以下の8種類で合計12種類

γδηθ(溶血素)、κ(コラゲナーゼ)、μ(ヒアルニダーゼ)、λ(プロテアーゼ)、νDNase

この4種類の毒素を産生する菌は5型(A,B,C,D,E)

A型がα、B型・C型がβ、εはD型、ιがE型

 ウェルシュ菌の毒素を調べてくれてありがとう。主要毒素4種、菌型5つの組み合わせでは、単純にはいかないですね。詳しく分類すると毒素が12種類以上あるようです。作用機序:核酸分解、蛋白分解、脂質分解、糖分解毒素・・・病巣:腸毒性、壊死毒、細胞融解、毒血症、神経毒・・・・対象動物:偶蹄類、馬、鳥、ヒト・・・・細かくなるほどわかりにくくなりますし、文献により書き方が違っています。

新しい分類案も出ているようです。問題は?何故、C.perfringensは、これほど多種類の毒素を産生するのか?まるで多剤耐性菌の遺伝子のようです。多毒産生菌(multi-toxin producer; MTP)という特性から見ると、他の毒素産生菌との関連で面白いかもしれません。細菌毒素の進化論?

 講義第4回のスライドです。今回は、OIEのリストA感染症で、家畜伝染病予防法の法定伝染病である、高病原性鳥インフルエンザに関するものです。

 

 重要な点を見落としていました。高病原性鳥インフルエンザが養鶏場で発生した時、どの様な対応が求められ、どのような措置が取られるのかを説明するスライドが抜けていました。講義では触れられなかったので追加しました。個々の対応は家畜伝染病予防法の法律と特定家畜伝染病防疫指針により、書かれています。詳しくは、3年生の獣医法規で触れます。

 

HPAIH5N1型は2005年に中国において渡り鳥であるインドガンの大量死が発生とのことですが、インドガンに戻ったウイルスが高病原性であったのであれば、渡り鳥であるにもかかわらずあまりにも発症が局地的すぎているのではないかと思うのですが、この要因は何と考えられるのでしょうか?実際は、2004年、タイやベトナムなどアジアの国々において鳥におけるH5N1の集団発生が見られました。中国本土の家禽においては、50件のHPA IH5N1)感染が報告され、その後も継続的に発生していました。また、2004年から2005年にかけて家禽の集団発生(H5N1)が確認された国は韓国、ベトナム、日本、タイ、カンボジア、ラオス、インドネシア、中国、マレーシアの9カ国というアジア諸国で広大な広がりを示しました。20055月~6月に青海湖(北緯37度、東経100度)で死んだ野鳥は、多くを占めたインドガンの他に、カワウ、オオズグロカモメ、チャガシラカモメ、アカツクシガモ、キンクロハジロなどが報告されています。青海湖は渡り鳥の中継地であり、種によっては繁殖地です。164種の野生鳥類が10万羽以上生息しています。インドガンはインド北部などで越冬して、春の訪れとともにシベリアのバイカル湖を目指して渡りを始めます。その飛行経路の中継地に中国の青海湖、モンゴルのウブス湖があります。それまでのH5N1ウイルスのクレードは1.02002年~2003年)でしたが、この時(20055月)分離されたウイルスはクレード2.2で、直前に(20051月~3月)マガモやヨシガモがいる中国の江西省鄱陽湖(北緯29度、東経116度)でクレード2.2が検出されています。西寄りで北に帰る渡り鳥と東側から北に帰る渡り鳥が青海湖で出会った可能性や、近隣の家禽から感染した可能性が挙げられています。インドでのH5N1の流行は2006年からなので、インドガンは、青海湖で巻き込まれた可能性もあります。2005年から2006年にかけて、H5N1ウイルスのクレード2.2は、中近東からヨーロッパを巻き込み、さらにアフリカへと広がりました。詳細な報告はhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jve/15/1/15_1_45/_pdfにあります。

H5N1型ウイルスが鳥から人間へ直接感染したとのことですが、「鳥鳥」のように戻ったケースはあるのでしょうか?H5N1は、鳥からヒトに感染しますが、感染した鳥の数と、暴露した可能性のある人の数(感染した家禽の処理にあたったヒトなど)、そして感染・発症した人の数を比較すれば、容易に鳥からヒトに来るわけではありません。きわめて稀です。またヒト-ヒト感染も起こらないわけではありませんが、稀です。ヒトでの感染は稀で、またヒトでのウイルス価はそれほど高くないでしょう。従って、ヒトから鳥に戻る可能性はほとんどないと思います。また、そうした報告はないようです。
H5N1
型ウイルスの鳥用ワクチンを人間や他動物(ヒョウやトラ)などに使用した場合、ワクチン効果があるのでしょうか?あると思います。ただ、鳥の間で流行しているH5N1亜型のクレードは、絶えず変化しているので、古いクレードのH5N1ワクチン株では効きにくい可能性はあります。

インフルエンザウイルスの再集合によってHNだけで256通りの新しい亜型のウイルスになりますが、人間社会でよく聞くのはインフルエンザA型とB型の2種類です。これはA型及びB型にHNの組み合わせの型が多数あり(違います:後の説明)、それが全てA型もしくはB型と判定されるということでしょうか?(違います)予防接種は、A亜型では様々なHNの組み合わせのウイルスに対応出来ているということでしょうか?(そうです。北大で全ての組み合わせのワクチン株を作っています)。ただし、同じHNの組み合わせでも、クレードが違うと、抗体で中和できなくなり、ワクチンとして無効になります。回答:インフルエンザウイルスにはA,B,C3型があります。主に核(コア)蛋白の抗原性の違いに応じてA,B,Cの型が、A型では膜(糖)蛋白であるHNの抗原性の違いによって亜型が分類されます。A型とB型のウイルスの表面には赤血球凝集素(H, HA)とノイラミニダーゼ(N, NA)の2種類の糖蛋白が存在しています。A型では、さらにHAには15種類、NAには9種類の抗原性の異なる亜型が存在しています。しかし、B型やC型には亜型は認められません。B型もHAとNAを持っていますが、A型のように多様性に富んでいないため、A型のみがHAとNAで分類をした亜型で示されます。また、C型はHAもNAも持っておらず、両方の役割を果たすHE(ヘマグルチニンエステラーゼ)の種類で分類されています。しかし、C型は流行規模が小さいこと、病原性が弱くあまり問題視されません。ヒトでは、実際にはA型とB型だけが問題となり、A型ではHNの組み合わせの多様性が問題となっているのです。

 第5回は、法定伝染病の「ニューカッスル病(ND)」と「家禽サルモネラ症」に纏められている「ひな白痢(S. Pullorum)」、「家禽チフス(S. Gallinarum)」の3つの家禽伝染病について講義します。スライドの枚数が多いですが、出来るだけ興味を持てるようにアレンジしてみました。現在、これらの感染症は、日本では統御できていますが、最近の国際畜水産品の流通の拡大状況から、こうした感染症の侵入が危惧されます。また、野鳥の関与も警戒しておく必要があります。

 第6回は、国内外における鶏の重要な感染症であるマレック病を取り上げました。特にブロイラー(肉養鶏)では、食鳥処理場検査で発見され一部廃棄、全部廃棄になる感染症です。鶏αーヘルペスウイルスが原因ですが、T細胞腫瘍や自己免疫疾患のような不思議な病態を示しめします。また、増殖様式も独特です。鶏白血病との比較でも、その違いが興味深く試験にはよく出ます。また、家禽の日和見感染症に近いのに、鶏肉や鶏卵などを通して食中毒の原因となる、カンピロバクター、サルモネラ、ブドウ球菌について解説しました。

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

オリジナルの写真です

 

娘のドイツ時代のカーニバルの写真です。大家さんは子ネズミちゃん「モイスヒェン」といっていました。

下の人形は妻の作品です。

先日、妻の作品が創刊700号記念家庭画報大賞の佳作に入りました。

題「何して遊ぼう」です。

 

妻が、稽古に通い、粘土で作った作品です。昨年、東京フォーラムで、他の生徒さんと一緒に展示されました、「仙人草」

(水やり不要です)。