2019年秋②家禽疾病学の講義がはじまりました。8年ぶり、北里大学時代以来の講義です。準備が遅れて、内容はそれほど変わっていません。時間を見て内容を進化させようと考えています。それでも、少しずつ手を入れ、ずいぶん整理できたと思っています。今回の講義は、1単位なので、4単位を2単位に、さらに1単位に圧縮した内容です。データの古い部分を最近のデータに変更しました。世界的な鶏肉生産量の増加が際立っていました。

 

家禽疾病学、第2回講義のミニテスト

1、   以下の家禽の伝染病のうち家畜伝染病(法定伝染病)に分類されるのは?

1, 伝染性ファブリキウス嚢病

2, あひる肝炎

3, 鶏白血病

4, 家禽コレラ

5, 鶏痘

家禽コレラは家畜伝染病(法定伝染病)。伝染性ファブリキウス嚢病、あひる肝炎、鶏白血病、鶏痘は届出伝染病。

2、ロイコチトゾーンに関する記述で正しいものは?

1, ニワトリハジラミによって媒介される

2, 流行は冬季に北海道で見られる

3, 血球で増殖する子嚢菌による感染症である

4, 無性生殖をおこない、有性生殖は起こさない

5, 種特異性が強く鶏以外にはかからない

ロイコチトゾーンは、原虫(胞子虫)に属し、ニワトリヌカカが終宿主、流行はヌカカが活動する78月がピーク。青森以南で流行する。ニワトリの体内でガメートゴニ―を行い、ヌカカで接合し、スポロゾイドとなる。

3、鶏白血病(or ウイルス)に関する記述で正しいものは?

1, T細胞性の白血病を起こす

2, 逆転写酵素をもつレトロウイルスが原因である

3, 若齢の幼雛が特に感受性が高く、高率に発症する

4, 水平感染のみで、垂直感染は起こさない

5, 鶏白血病ウイルスはヒトにも感染する

ニワトリ白血病ウイルスはαレトロウイルスに属し、主としてニワトリでB細胞白血病を起こす。産卵鶏の成鶏で発症する例が多い。時に垂直感染を起こし、免疫寛容になった個体は、生涯、ウイルスを排出する。ヒトには感染しません。

4、わが国における最近の家禽伝染病に関する記述で正しいものは?

1, ひな白痢、家禽チフス、家禽コレラは封じ込めできているといえる

2, ニューカッスル病は依然として大きな流行を続けている

3, マレック病、伝染性気管支炎は統御された

4, あひるウイルス性腸炎はロシア経路と台湾経路で侵入した

5, 鶏におけるサルモネラ症(S.E, S.T)の届出は毎年、千例を超す

ひな白痢、家禽チフス、家禽コレラの法定伝染病は、ほぼ封じ込められている。ニューカッスル病についても、近年、大流行は見られない。しかし、マレック病と伝染性気管支炎は流行があり、統御されているとは言えない。あひるウイルス性腸炎は、まだわが国には侵入していない。サルモネラ菌は常在していると思われるが、鶏でのサルモネラ症(S.E. S.T.による発症例、流行)は届出られていない。S.Tによる野鳥(スズメ)の流行は見られた。

5、家禽の伝染病で2本鎖DNAウイルスにより起こるものでないものは

1, アヒル肝炎

2, 産卵率低下症候群

3, 鶏痘

4,  アヒルウイルス性腸炎

5, 鶏封入体肝炎

鶏痘(ポックスウイルス)、アヒルウイルス性腸炎(ヘルペス)、産卵率低下症候群、鶏封入体肝炎(いずれもアデノウイルス)は2本鎖DNAウイルス。アヒル肝炎1型はピコルナウイルス(1本差RNAウイルス)です。

6、鶏痘に関する記述で正しいものは?

1, ヘルペスウイルスにより起こる感染症

2, 粘液型は夏に多く、流涙や失明を起こす

3, 生ワクチンは開発されていない

4, 呼吸器感染が多く、肺炎により死亡する

5, 感染細胞内にボーリンガー小体という封入体がみられる

鶏痘ウイルスはポックスウイルスに属します。夏から秋にかけては、皮膚病変と流涙や失明を起こす皮膚型の鶏痘が起こります。有効な弱毒生ワクチンがあります(翼膜穿刺による投与)。多くは接触感染(ヌカカによる機械的伝搬、創傷など)です、感染細胞内には細胞質内封入体がみられ、ボーリンガー小体と呼ばれています。

7、鶏貧血ウイルス(CAV)病に関する記述で間違っているものは?

1, 本疾病は、サーコウイルス科(1本鎖、環状DNA)ウイルスにより起こる

2, 発症は主に介卵感染により14週齢の雛に起こる

3, 発症雛では、骨髄・免疫系が障害される

4, 骨髄の退色や黄変が特徴的にみられる

5, 胸腺は退縮するが、ファブリキウス嚢の退縮は見られない

鶏貧血ウイルス(CAV)はサーコウイルス科ジャイロウイルス属のCAVにより起こります。鶏貧血症はCAVの介卵感染により雛に起こります。骨髄での造血系が障害されるので、肉眼的には骨髄の退色、貧血の他に免疫系(T細胞系の胸腺、B細胞系のファブリキウス嚢)も機能低下、退縮を起こします。

8、鶏ウイルス性腱鞘炎・関節炎(or ウイルス)に関する記述で正しいものは?

1, ヘルペスウイルスにより起こる感染症である

2, 4~7週齢の中雛の産卵鶏に多発する

3, 特徴的な病変として腓腹筋断裂(青脚)がみられる

4, 種鶏に生ワクチンを投与し、雛に移行抗体を付与する

5, 腱鞘炎や関節炎は起こさない

鶏ウイルス性腱鞘炎・関節炎ウイルスは、鳥レオウイルスに属すRNAウイルス(ARV)です。腱鞘炎や関節炎を起こしますが、特徴的な病変として腓腹筋断裂(青脚)がみられます(他の疾病ではほとんど起こらない)。4~7週齢の中雛の産卵鶏に多発します。種鶏に生ワクチンを投与し、雛に移行抗体を付与する方法で予防します。

9、鶏脳脊髄炎(or ウイルス)に関する記述で正しいものは?

1, 介卵感染は起こらない

2, 病理組織では錐体細胞に中心性虎斑融解がみられる

3, ウイルスは脊髄で増殖するが腸管では増殖しない

4, 予防は種鶏、産卵鶏への不活化ワクチン接種による

5, 大型のRNAウイルスであるコロナウイルスの感染症

鶏脳脊髄炎はヒトのポリオ(小児麻痺)に類似しています。腸管で増殖し神経系に入って脳脊髄炎をおこします。もっとも小型のRNAウイルスであるピコルナ(小型:ピコ、ルナ:RNA)ウイルスに属します。弱毒生ワクチンがあります。大型の錐体細胞でウイルスが増殖すると組織病理学的には中心性虎斑融解を起こします。顕微鏡で虎斑状に見えるニッスル小体(粗面小胞体:RER) が崩壊する状態を虎斑融解といい、中心性虎斑融解では核周囲の細胞質の中心部が、腫大・崩壊したニッスル小体が周辺に押しやられるため、ぬけて見えます。

10、頭部腫脹症候群に関する記述で間違っているものは?

1, 英語の疾病名はSwollen head syndromeである

2, 原因ウイルスはTRTV(Turkey rhinotracheitis virus)である

3, 後弓反張のような神経症状は見られない

4, 眼瞼周囲発赤・腫脹、頭部・下顎、肉垂の浮腫がみられる

5, ニューモウイルス科、メタニューモウイルス属のウイルスに属する

頭部腫脹症候群は、メタニューもウイルスの属するTRTVにより起こります。頭部、眼瞼の浮腫などが特徴ですが、神経系も巻き込まれ、時に後弓反張のような神経症状がみられます。英語名は、名前の由来通り、Swollen head syndromeです。

 

家禽疾病1回講義、ミニテスト回答と解説

1、   家禽は、肉、羽毛、卵などを利用するために飼育する鳥の総称です。家禽化されたガチョウの野

生種はどれか?

1, セキショクヤケイ

2, サカツラガン

3, マガモ

4, キンケイ

5, コブハクチョウ

セキショクヤケイは鶏、サカツラガンはガチョウ、マガモはアヒルの野生種が、それぞれ家禽化されたものです。キンケイとコブハクショウは、野生種そのままです。

2、鶏の品種の中でレイヤー(産卵鶏)として有名なものは?

1,  コーニッシュ

2,  ロードアイランドレッド

3,  名古屋コーチン

4,  白色レグホーン

5,  プリマスロック

コーニッシュ、ロードアイランドレッド、名古屋コーチン、プリマスロックはいずれも肉用鶏です。産卵鶏は白色レグホーンです。

3地鶏の雛は在来種の血液百分率(%)が何%以上でなければならないか?

1, 10%

2, 33%

3, 50%

4, 67%

5, 90%

地鶏の血液百分比は両親ともに在来種(100%)か、少なくとも片親が在来種(50%以上)が求められる。

4、OIE1920年にベルギーで発生した何の疾病の統御を発端として設立されたか?

1, 狂犬病

2, 口蹄疫

3, 高病原性鳥インフルエンザ

4, 豚コレラ

5, 牛疫

OIE設立のきっかけとなった家畜伝染病は、牛疫である。

5、OIEの主な活動に含まれないものは、どれか?

1, 動物由来の食品の安全性の確保、科学に基づき動物福祉を向上させる

2, 動物及び動物由来製品の国際貿易に関する衛生基準の策定

3, 動物疾病の制圧及び根絶に向けての技術的支援及び助言

4,  絶滅の危惧される野生動物種のレッドリスト作成

5, 世界で発生している動物疾病に関する情報提供

絶滅の危惧される野生動物種のレッドリスト作成は、国際的には1948年に設立されたInternational Union for Conservation of Nature and Natural ResourcesIUCN国際自然保護団体が行う。国内では環境省が取りまとめて公表している。

6、OIEの家禽疾病で、リストAに入っている疾病の正しい組み合わせは?

1, 家禽チフス、ひな白痢

2, 鶏痘、マレック病

3, 家禽コレラ、伝染性気管支炎

4, 結核病(鶏)、鶏クラミジア症

5, ニューカッスル病、高病原性鳥インフルエンザ

OIEのリストAに入る家禽疾病は、ニューカッスル病と高病原性鳥インフルエンザ。

7、ニューカッスル病に関する正しい記述は?

1, 病原体は腸内細菌科に属するグラム陰性菌である

2, 野鳥では50種類以上が自然感染する

3, 有効なワクチンはまだ開発されていない

4, 病原性の強弱は主にM遺伝子(マトリックス蛋白)の配列により推測可能

5, ガチョウやアヒルは非常に感受性が高い

ニューカッスル病の原因ウイルスはマイナス鎖のRNAウイルス(パラミキソウイルス科)であり、有効なワクチンが開発されている。また病原性はF蛋白のアミノ酸配列により解列のし易さから推測できる。鶏の方が感受性が高く、ガチョウやアヒルは、発病しにくい。。

8、OIETerrestrial Animal Health Codeに関する記述で間違っているものは?

1, コードの目的の一つは、国際貿易手続きを簡素化するためである

2, コードの目的の一つは、家畜を感染症から保護するためである

3, コードの適用については国際法に準じ、法的拘束力を持つ

4, OIE加盟国は、科学的根拠なしにコードを無視することはできない

5, 科学的に正当な理由なくコード以上の措置を要求するとWTOに提訴される

OIEの陸生動物衛生規範(水生動物衛生規範も同様)は、国際法的な法的拘束力は持っていない。しかし、科学的に正当な理由がなく、相手国にコード以上の措置を要求すると、相手国から国際貿易機関(WTO)に提訴されることになる。

9、家畜感染症に関するゾーニング(Zoning)という地理的区切りに含まれないものは?

1, 渓谷

2, 大河

3, 州境

4, 高速道路

5, 植生

ゾーニングの自然的区切りとして渓谷、大河、海峡などがあり、人工的地理的区切りとしてはゾーンワクチンや高速道路、法的境界の区切りとして県境、州境などがあるが、陸地の特定の場所に生息する植物集団である植生はゾーニングにはなじまない。

10、家畜感染症に関するコンパートメンタリゼーションの記述で正しいものは?

1, ゾーニングよりも広域の封じ込め措置である

2, 施設内の動物へのワクチネーションが必須である

3, サーベイランス(監視)する必要はない

4, 施設内の家畜の清浄化を確立する措置である

5, OIEで指定する全ての家畜感染症(リストA,B)に適応される

コンパートメンタリゼーションは、バイオセキュリティーなどに基づき施設内の家畜の清浄化を確立する措置である。高病原性鳥インフルエンザのように野鳥がウイルスを保有していても、個々の養鶏場が清浄状態を維持することが出来るように、ウイルスの侵入を阻止する方法である。

 

1回目の講義の後に送られてきた主な質問と回答です。

鶏痘の致死率が2次感染でなければ低いとのことですが、2次感染による致死率が高い理由は鶏痘感染による免疫力低下によって他の感染症に感染しやすくなるためであって、鶏痘に直接的な死因があるわけではないのでしょうか。鶏痘は表皮で増殖し、皮膚病変(壊死や潰瘍)ができるので、皮膚から細菌感染などが起きます。重複感染による負荷や菌血症により致死率が上昇します。もちろん重複感染によりストレス負荷で免疫系機能が低下すれば、鶏痘ウイルスの増殖も加速されます。マレック病ウイルスは羽包上皮に感染するようですが、これは鶏痘皮膚型の蚊やヌカカのような媒介者が存在するのでしょうか。違います。マレック病ウイルスの成熟過程は複雑です。各論で説明します。ウイルスはT細胞で増殖しますが、感染性ウイルス粒子は羽毛上皮細胞のみで産生されます。表皮で成熟したウイルス粒子は、表皮とともに落屑して、他の鶏に経口感染すると考えられています。

授業であったニューカッスル病についてなのですが、何故人には感染しない病気であるにも関わらずOIEのリストのAに含まれているのでしょうか?確かにヒトに感染して重篤な疾病を起こすわけではありません。WHOがヒトの感染症コントロールの役割りを負っているのに対し、OIEは、家畜の感染症をコントロールする世界的な役割を負っています。人に感染しなくても、家畜の深刻な、国際的に広がる越境感染症は、アウトブレイクが起こるとヒトが食べる食料がなくなってしまうからです。食の安全の問題でなく、食の安定供給(food security)の問題です。豚コレラの場合も、家畜間での伝搬力強さ、家畜の致死率の高さから、国際的なレベルで食料供給に深刻な影響を与えるからです。豚コレラの場合もそうなのですが、何故人に感染することのない病気を発症しても殺処分しなければならないのでしょうか。家畜伝染病の蔓延をとめ、出来るだけ初期に、流行を封じ込める処置です。家畜の役割りを考えてみてください。産業動物はヒトや愛玩動物とは違う基準で飼育されているのです。

先日、消費者の代表の方が、以下の文章を書いて消費者向けに発信してくれました。

「豚コレラについて」20191024日、農林水産省消費・安全局動物衛生課は、「豚コレラについて」を発表し、特に、消費者に対し、大事なメッセージが一番初めに述べられています。

1.豚コレラは、 ブタやイノシシの病気であって、人に感染することはありません。
2.豚コレラにかかったブタの肉や内臓を食べても、人体に影響はありません。感染豚の肉が、市場に出回ることはありません。

畜産農家は、一所懸命に飼育してきたブタが豚コレラになると、殺処分をしたり、豚コレラが発生した養豚場から半径10Km以内にある養豚場は、ブタが出荷できなくなります。その中で早期発見のためにブタの観察を注意深く行い、厳しい衛生管理を続けています。

私たちの食を支えている畜産農家の人々が精神的にも経済的にも苦しい立場にある今、消費者である私達が落ち着いて行動することは畜産農家への一つのエールになるではないでしょうか。

とはいっても「人に感染しない」とはどういうことでしょう。少し不安ですね。吉川泰弘先生(岡山理科大学獣医学部長、東京大学名誉教授)にうかがったところ、「豚コレラウイルスの表面にはブタの細胞の中に入るための『鍵』のような2つの蛋白質があります。他方、ブタにはウイルスの鍵にあう鍵穴(おそらく2つの受容体)がありますが、人のとは違っているので感染しません」といわれました。人の身体の受容体の構造が豚コレラのウイルスを受けつけないようにできているそうです。

また、これからはワクチンを接種されたブタが出回ることもあるかもしれません。このことについても吉川先生は「私たちもインフルエンザワクチンをうったり、子どものときにはいろいろなワクチンを打ったりしながら育ちます。でも、ワクチンをうった私達は特別な人間にはなりません。それと同じでワクチンをうっても特別なブタになるわけではありません」といわれています。

今後、店頭に「ワクチンをうっていないブタです」など、消費者をミスリードし、畜産農家に風評被害を与えるような表示がでてくるかもしれませんが、私たちは毅然として向かいあいたいと思います。

アフリカ豚コレラについても情報発信をしてくれています。

豚コレラ、アフリカ豚コレラの呼び名が、CSFASFに代わりました

農林水産省は1114日、豚コレラはCSFclassical swine fever:古典的豚熱病)、アフリカ豚コレラはASF (African swine fever:アフリカ豚熱病)という呼び方にすることを決めました。これらの伝染病はブタやイノシシには怖い病気ですが、人に感染することはありません。コレラという呼び名に消費者が必要以上に恐れたりしないようにするため、国際的な呼び名にしたものです。人に感染しないのは、CSFのときと同じように、ASFウイルスが細胞に入り込むときに使う「鍵」にあう鍵穴(受容体)を、人間は持っていないからです。とはいっても、ひとたび、ASFが発生、拡大すると畜産業は甚大な被害を受け、世界の食肉の供給は大ピンチに陥るでしょう。

ASFはアフリカでは常在的に発生しており、ロシアやアジア(中国、ベトナム、モンゴル、北朝鮮、韓国、フィリピンなど)でも発生が確認されています。日本では、まだ発見されていませんが、いつ発生してもおかしくない状態です。
ASF
に感染したブタは41℃以上の高熱が出て、元気がなくなり食欲不振になるなどして、1週間で死んでしまいます。致死率は、ほぼ100%です。CSFと違ってダニが媒介したり、感染している豚との接触で豚が感染します。ウイルスは加工肉や冷蔵肉の中でも3-6か月間、感染性を持っているくらいなので、ASFで死んだ野生のイノシシの肉や人が食べ残した汚染生ハムなどを野生のイノシシが食べると、ASFに罹ります。そのうえ、ワクチンや治療法がありません。日本では家畜伝染病予防法で「法定伝染病」に指定されており、発症した豚や疑わしい症状の豚はすぐに届け出て殺処分を行うことが定められています。早期発見と早期の措置が非常に重要です。

CSFにワクチンがあるのに、ASFのワクチンがないのはなぜでしょうか。吉川泰弘先生はいわれます。「ASFは天然痘ウイルスに似た、極めて大きなウイルスです。イノシシやブタの体に入り込むときの鍵を10個以上持っています。CSFウイルスの鍵は2つだったので、ワクチンでふたつの鍵穴をブロックできましたが、10個以上もの鍵穴をブロックするのは大変です。 ゲノム編集技術なら10個以上の鍵穴を持たないブタをつくりだすことができるかもしれませんが、楽ではありませんし、また、沢山の鍵穴をブロックするとブタ自身に問題がでるかもしれません」とやや悲観的です。天然痘のときの種痘のような有効なワクチンが出来るといいですね。私達は新しい呼び方(CSF, ASF)に慣れて、冷静に様子を見守りたいものです。

家禽疾病のOIEに関するスライドの対象動物のところに爬虫類がありません。2016年に爬虫類も対象動物とされたと、ネットに書いてあったのですが、未更新ですか?または、ネットの情報が嘘ですか?未更新でした。指摘ありがとう。もともとOIEは家畜、家禽でしたが、食品として魚類、甲殻類、ミツバチ(昆虫)、軟体動物が入りました。その後、生物多様性の維持として絶滅危機の問題になったカエル(ツボカビ、ラナウイルス)などの両生類が入りました。さらに2016年に動物福祉対象として爬虫類が入りました。これですべての脊椎動物と無脊椎動物として甲殻類、軟体動物と昆虫が入ったことになりました。まだ増えるかもしれません。

家禽は食肉として宗教に左右されず、広範な国・地域で生産しているので、生産量が増加しているとありました。魚類も同じだと私は思います。しかし魚は生産・消費の推移がいまいち伸びていません。家禽と魚類の違いはなんだと思われますか。家禽は養鶏施設で生産されます。従って養鶏施設の規模拡大により生産量が拡大します。漁業は、現在、天然魚の捕獲と養殖による魚類の生産が、それぞれ全漁獲量のほほ半分ずつを占めています。養殖魚の生産は伸びていますが、天然魚の捕獲は乱獲により捕獲量が伸びていませんし、魚種によっては減少する傾向がみられます。従て、全体としては家禽のような増産は見られません。天然魚の資源確保は、捕獲制限基準の作成や各国の捕獲規制の合意など、国際的な問題となっています。

 家禽疾病学、第2回の講義スライドです。先日訪問した愛媛県養鶏研究所が開発した「媛っこ地鶏」のスライドを追加してあります(第1回の講義の復習を兼ねて)。

 

 第2回講義に関連する質問と回答です。

メッセージ: 家禽のウィルス病のところで、トリアデノウイルスIII (産卵率低下症候群(EDSV))  、レオウイルス 鶏ウイルス性腱鞘炎・関節炎(AVTS/A:ARV)  には、不活化ワクチン。それ以外には、生ワクチンとあったのですが、アデノウィルス、レオウィルスには不活化が有効なのかと思ったのですが、同じくレオウィルス科であるロタウィルスでは生ワクチンが用いられていたりします。何をもって、このウィルスの予防ワクチンは、生ワクチンまたは不活化ワクチンにすると判断するのでしょうか? どのウイルス感染症にどのタイプのワクチンを使うか?という基本的な戦略はありません。実際のワクチンは大量な規模で生産します。ウイルスの力価は対数ですが、ワクチン製造は実数です。実験室でウイルスの増殖率が2log違っても、大したことはありませんが、ワクチン規模では、原液1トン生産が100トン規模に変わります。従って、容易に増殖する病原体の場合は、不活化ワクチンから始めます。しかし、不活化ワクチンでは十分な免疫が得られないウイルスや、増殖の悪いウイルスでは生ワクチン開発を試みます。一般には宿主を変える(鶏卵など)ことにより弱毒化する(通常数百代くらい?)、細胞培養で弱毒化する、温度変異株(Tsミュータント)をとる、変異原性物質入りの培養液で培養し、変異株の中から選択する・・・などですが、根気と運が必要です。もっともゲノム解析が進んだので、組換えウイルスだけでなく、ゲノム編集など、これまでの方法とは違った手段でワクチン株が出来てくる可能性はあります。これまでにも麻疹ウイルスは不活化ワクチン(K)と生ワクチン(L)の両方を使いましたし、KK,KLLというように組み合わせてつかいました。ポリオはLワクチンが長く使われましたが、流行がほぼコントロールできたので、より安全なKワクチンに切り替えつつあります。ワクチン戦略は現実的でかつ柔軟です。型にはまったものではありません。

 家禽疾病学第3回講義のスライドです。主な細菌感染症、原虫感染症を取り上げました。寄生虫(蠕虫)感染症や、食中毒に関連する細菌感染症については、別途、講義します。

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

オリジナルの写真です

 

娘のドイツ時代のカーニバルの写真です。大家さんは子ネズミちゃん「モイスヒェン」といっていました。

下の人形は妻の作品です。

先日、妻の作品が創刊700号記念家庭画報大賞の佳作に入りました。

題「何して遊ぼう」です。

 

妻が、稽古に通い、粘土で作った作品です。昨年、東京フォーラムで、他の生徒さんと一緒に展示されました、「仙人草」

(水やり不要です)。