1学年後期では、動物危機管理に関連する現場の観察ということで、愛護センター訪問と

利根川河口での野鳥観察が組まれています。前期は東大牧場などの体験です。

 

千葉県の愛護センターを見学するにあたって、社会見学マナーの授業や、愛護センターの役割に関する紹介の授業があります。キャリアー教育の導入編のようなものです

 ここでは、愛護センターの業務の一つである、狂犬病をコントロールする役割について説明してあります。人類が長い間、狂犬病に悩んできた理由は?なぜコントロールが難しいのか?危機管理から見た狂犬病と愛護センターの役割は?など、新しい情報も入れて、できるだけわかりやすく示してあります。見学後は、いくつかのテーマについて調査研究と発表、討論が行われます。

 

 動物愛護センターは、保健所から独立して業務を開始したものがほとんどです。そのため、厚労省に関連した業務が主体を占めます。従来から行ってきた公衆衛生分野の仕事としては、狂犬病予防法に基づく犬の危害防止条例などです。野犬の収容、咬傷犬の検診、犬の譲渡・処分などがあります。また感染症法では、動物由来感染症の対策検討会、予防指導、疫学調査などがあります。総務省から環境省に所管が移った「動物の愛護と管理に関する法律」では、動物の適正飼養、愛犬教室、動物教室、ふれあい広場など市民目線での活動、及び訓練犬の育成、譲渡なども行っているところがあります。動物取扱業者の指導、登録、監視、研修(感染症法ともダブります)、特定動物飼養者の許可、監視(生物多様性条約も関係します)なども行っています。

 

 話は戻りますが、狂犬病のウイルスはなぜラブドウイルス科リッサウイルス属レィビィスウイルスと呼ばれるのでしょうか?それぞれに意味があります。ラブドはウイルスの形が棒状(ギリシャ語のラブド:棒)であるため、リッサは狂気の女神で、猟師アクタイオンがアルテミスの水浴を見たためシカに変えられ気の狂った猟犬に食べられます。このとき、猟犬を狂わせた女神がリッサです。狂気の女神リッサはアルテミス(ダイアナ、ルナ)の要請で猟犬を狂わせたました。またレィビィスはサンスクリット語の凶暴な(ラーバース)に由来しています。狂犬病を発症した食肉動物が狂暴化し、なんでもかみつく様子から来たものでしょう。

 

 狂犬病の歴史は古く、エシュヌンナ法典やハムラビ法典にも書かれています。4000年にもわたり、人類を悩ましてきている動物由来感染症です。今でも、世界では、毎年約5万人くらいのヒトが狂犬病で死んでいます。日本では700年代の養老律令に「たぶれいぬ(狂犬)」の記述があります。

 

 

 狂犬病ウイルスは通常のウイルスとは異なった性質を持っています。発症したイヌなどにかまれると、唾液中の狂犬病ウイルスが咬傷部位の神経終末から神経系に侵入します。咬まれてすぐに神経終末に入るのではなく、ヒトでは平均1か月近くの潜伏期があります。長い場合には数年間も潜伏します。どこにどのように潜伏しているのかは明らかにはされていません。アセチルコリン受容体を通じて神経終末に入ったウイルスは、神経軸索流(逆流)に載って末梢から、中枢へと運ばれて行きます。このとき、ウイルスは血流には入らないので抗体はできません。中枢神経の神経細胞で増えるとネグリ小体という封入体を作ります。人では神経症状のほかに「恐水病」(ハイドロフォービア)症状を起こします。人、犬ともに多くは狂騒型ですが、沈鬱型もあります。症状の経過は以下のようです。

 初期発熱、頭痛、嘔吐などの症状。

 次いで筋肉の緊張痙攣幻覚など。

 ③その後昏睡状態に陥り、呼吸麻痺を起こして死に至る(発症後10日前後で死亡)。

 狂犬病は「恐水病」などとも呼ばれ、これは神経が過度に過敏になる結果、患者水を飲もうとすると、水の刺激で反射的に強い痙攣が起こり、水が飲めなくなるため、患者が水を飲むことを恐れることによるものである。 

・こうした症状は、光や風などの刺激でも起こり、患者の意識自体は明瞭なため、症状対する強い恐怖を伴う悲惨な神経疾患。

 

 

発症すれば、ほぼ100%死亡する狂犬病に挑んだ人が

19世紀、フランスのルイ・パスツールです。

ウサギの脳に順化した弱毒不活化ウイルスを使って

狂犬にかまれた後のワクチン(曝露後ワクチン)を試み、成功しました。

パスツールはこの時、家禽コレラワクチン(1879年)、炭疽ワクチン(1881年)、狂犬病ワクチン(1885年)と立て続けに、

誰も考えなかった実験室で開発したワクチンを作りました。

現在では、細胞培養によるワクチンが使われています。

 

 

狂犬病のコントロールが難しいのは、ウイルスを保有する動物の多くが

野生動物(キツネ、スカンク、アライグマ、コウモリ、コヨーテ、マングース・・・)

のためです。

イヌだけでなく、野生動物用の遺伝子組み換えワクチンも開発されています。

日本の対策の骨子は飼い犬の登録、予防接種、野犬捕獲、輸入検疫です

愛護センターは野犬の収容、動物由来感染症の教育・啓蒙、動物の適正飼育、

動物業者の指導、監視等、狂犬病統御に関連する多くの仕事をしています。

我が国は、この体制で半世紀以上も狂犬病フリーという世界でもまれな国です

 

 

世界の国々は狂犬病対策をとっていますがなかなか狂犬病フリーにできません。

また、フリーの国でも、再び狂犬病に侵入されます。

最近では、フランス、バリ島や今年、52年ぶりに台湾で狂犬病が発生しました。

こうした事例から学び、危機管理体制を確立することが重要です。

 

 

狂犬病が日本で発生した場合の対応に関するガイドラインは

2013年に追補版として厚労省から出されました。

インターネットで「狂犬病ガイドライン、2013、厚労省」で

検索すれば、PDFが出ます。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/pdf/guideline2013.pdf

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

オリジナルの写真です

 

娘のドイツ時代のカーニバルの写真です。大家さんは子ネズミちゃん「モイスヒェン」といっていました。

下の人形は妻の作品です。

先日、妻の作品が創刊700号記念家庭画報大賞の佳作に入りました。

題「何して遊ぼう」です。