岡山理科大学獣医学部の最初の授業の一つである現代人の科学「生物の進化」が始まります。合計8回で40憶年の生物の進化と多様性について学習します。講義の内容は、70歳を過ぎた私が自分で理解できた範囲で編集してあります。従って、これといった教科書はありません。また、その内容は、容易ではありません。

 

 個々の事象を覚えるよりも、全体として生物がどのように進化してきたかを理解してください。環境に適応するために、各時点でどのように複雑化したか?また、どのように地球を作り変えたのか?日頃見ることのできない微生物の存在と、原核細胞が真核細胞へ、単細胞生物が単純多細胞生物へ、そして高度に複雑化した多細胞生物の爆発的拡散、霊長類から人へのつながりが理解できればそれでいいです。進化と多様性は、決して単純ではないことが理解できれば十分です。最後の8回目に、内容を振り返ってみましょう。

 

 ゴールデン・ウイーク中に、学生さんへの宿題、「各回の講義で分かった単語5個、わからなかった単語5個を提出しなさい」をだしました。教えながら自分でもよくわからなかった単語が沢山送られてきて、勉強になりました。わかった単語も、理解してくれたのだなと、少し安心できました。

 質問の多かった単語、理解してほしいと思った単語、面白い質問と思った単語をそれぞれ50音順に並べました。もう一度見てください。他の学生さんが理解にてごずった単語もあります。自分ならどのように説明するかも考えてみてください。

 

1回質問回答集

 

αプロテオ菌:どのような役割をになっているのか。プロテオバクテリア門にはαからε 

 までの綱があります。αプロテオ菌の代表的なものにはリケッチアがあります。この菌は細胞寄生性が強く、大食細胞(マクロファージ)に貪食されても消化されにくい性質があります。ミトコンドリアの祖先もαプロテオ菌と考えられており、細胞内に共生しています。

 

αプロテオ細菌とは?モネラ界、プロテオバクテリア門、αプロテオバクテリア綱は非常に多様な細菌群です。ある属は光栄養細菌(光合成細菌)であり、その一部はC1化合物(炭素が一つの化合物)を代謝します。またある属は植物共生細菌(根粒菌)であり、ある属は節足動物の内生菌(ボルビキア菌、細胞内で共生する)、ある属はリケッチアのように細胞内侵襲性の病原菌です。すでに絶滅しましたが、真核生物の細胞に侵入して現在のミトコンドリアとなったプロトミトコンドリアもいます。多様すぎで一言でまとめるのが難しいグループですね。

 

Fプラスミド細菌は全てプラスミドを持っているという認識を今までしていました。メスの細菌が通常のプラスミドと別にFプラスミドを持っているという認識であっていますか雄(性線毛を通じてゲノムを挿入できる)の細菌がF因子を持っていて、F因子を持たない細菌が雌に相当します。多くの細菌はプラスミドをもっているわけではありません。またプラスミドには毒素因子や薬剤耐性遺伝子や病原性遺伝子など沢山の種類があります。2分裂の繰り返しでは、完全コピーができるだけで細菌の多様性は生まれません。接合やプラスミドなど遺伝子を運ぶ分子によって細菌は多様性を作り出し、環境変化に適応しています。

 

外膜とグラム陰性菌の関係:グラム染色ではクリスタルバイオレットで陽性に染まる厚い細胞壁をもつ細菌がグラム陽性菌で、染色されない薄い細胞壁をもつ細菌がグラム陰性菌です。グラム陰性菌が細胞壁の外側に外膜を持つのに対し、グラム陽性菌は外膜を持っていません。外膜はリポポリサッカライド(lipopolysaccharide, 脂質多糖体)で中側からリピドA, コア・オリゴ糖、O抗原多糖の3層から出来ています。グラム陰性菌の外膜は細菌の内毒素として重要です。

 

核、核様体?:核も核様体も機能としてはゲノムなので同じものです。真核細胞では核膜にツ包まれたゲノムを核といい、原核生物は核膜を持たず、ゲノムが細胞質にむき出しで存在するので核の様なものという意味で核様体と呼んでいます。

 

核様体:どの部分を指すのか?わかりません。細菌の染色体に相当するものです。細菌は真核細胞と異なりゲノムを核膜内に収めていません。細胞質にほどけたまま存在するので、このように呼びます。

 

紅色光合成細菌:光合成細菌(光合成するもの、光合成器官をもつもの、光合成色素:バクテリアクロロフィルを有するものを含みます)で、酸素を発生せず、カルテノイドを蓄積し赤色~褐色を呈する細菌を紅色光合成細菌といいます。この菌群はさらに電子供与体として硫黄を用いる紅色光合成硫黄細菌と硫黄を用いない紅色光合成非硫黄細菌に分かれます。

 

極限環境:どのような条件下か?地球上に存在する極めて特殊な環境です。例えば、通常では生物が生息できない高熱(超高熱温泉)、高塩(死海のような塩分の極端に高い湖)、硫酸の池などです。古細菌の多くはこうした極限状態の環境も生存しています。

 

莢膜とは?:莢膜(capsule:カプセル)は、一部の細菌が細胞壁の外側に作る被膜状のものです。本当の膜ではなく、細菌が分泌したゲル状の粘質物が、細胞表面にほぼ均一な厚さで層を成し、膜状に見えるのでこの名前が付きました。白血球による細菌の食作用など、宿主の免疫機構によって排除されることを回避する役割を持ち、病原菌の病原性に関与しています。

 

グラム陰性菌:グラム陽性菌との違いは?グラム染色で紫色(ゲンチアナバイオレット)に染まらない細菌群です。染色性は細胞壁の厚さによります。陽性菌は厚い細胞壁をもつ細菌群で細胞壁にとりこまれた色素が脱色されないために、紫色にそまります。陽性菌はペニシリンのような細胞壁合成を阻害する抗生物質に感受性ですが、陰性菌はこの種の抗生物質には抵抗性です。また外膜に脂質多糖類(LPS)やO抗原を持っています。

 

クロマトフォア、クロロゾーム紅色光合成細菌と緑色光合成細菌はほぼ同じ働きと機能を持つと思っていたのですが、どちらも中にバクテリオクロロフィルを入れるのに紅色光合成細菌と緑色光合成細菌で由来が異なる光合成器官を用いるのはどうしてですか。面白い疑問です!類似した働きと機能を持つ点ではその通りです。我々の細胞にも膜状の折り畳み構造を持つ小胞体とリソゾームやファゴゾームのような袋構造を持つ細胞内小器官があります。おそらく独自に分岐した紅色細菌と緑色細菌がそれぞれクロロフィルを入れるのに違う膜構造を作ったのでしょう。しいて言うなら小胞体構造のほうが表面積は大きいです。光受容体蛋白として紅色は長波長(濁った水中)の緑色は短波長(済んだ水中)の光を吸収します。光エネルギー的には紫が強く、赤が弱いので、紅色細菌が小胞体のように表面積を増やしたのは、そんなところに関係するかもしれませんね。

 

クロロゾーム光合成器官の葉緑体と何が違うのか分からない。特に変わりません。細菌のクロロフィル(Mgを含むポルフィリン環)を入れているのがクロロゾームです。葉緑体の葉緑素と基本的には同じです。

 

嫌気呼吸と好気呼吸とATP呼吸は代謝でありエネルギー(ATP)生産です。好気呼吸は、有機物(糖など)を酸素を使って分解しエネルギーを取り出します。好気呼吸では有機物を水と二酸化炭素まで完全に分解できることで、有機物当たりで得られるエネルギーが大きいです(ATP量が多い、解糖系で36 or 38ATP)。他方嫌気呼吸では酸素を使わず有機物を分解する代謝で、有機物を完全に分解することは出来ません。従ってエネルギーの効率が悪く(ATP産生が低い、例:乳酸発酵では2ATP)老廃物として有機物が残ります。

 

嫌気性光合成細菌:ほとんどの光合成細菌は嫌気性です。酸素を放出しない光合成細菌は、光エネルギーを利用して二酸化炭素を同化し、有機物とATPをつくりますが、電子供与体として水を使わない(通常、硫化水素などを使う)ので、酸素を放出しません。代わりに硫黄を放出します。

 

嫌気性従属栄養菌:他の生物が作った有機物(糖など)を利用して、酸素を使わないで(酸素を最終電子受容体としないで)ATPを作る細菌になります。糖を利用してアルコール発酵をする細菌などがこの例になります。

 

原始光合成細菌が光子から電子、ATP産生に行く経路は?分子が光子を吸収すると励起状態となり吸収した光エネルギー分だけエネルギーの高い状態ができます(光子による励起)。その結果、電子が分子の外へ飛び出しやすくなり,近くに電子を受け取りやすい分子が存在すると簡単にそちらに移ります(電子放出と電子伝達)。電子を放出した分子は還元、伝達経路で電子を受け取った分子は酸化されます。安定化のために水分子を分解し、酸素と水素を利用します。供与体に電子を与えた陽子(H+)は、プロトンポンプによりATPを産生します。

 

細菌の性転換:多様性を獲得する以外で性転換を行う利点はあるのか。性転換というよりもゲノムを混合し、遺伝子組換えにより多様性を獲得し、様々な環境変化に適応することが目的です。ウイルスからヒトまですべての生物は新しい遺伝子を取り込むことにより進化し、環境中に適応放散してきたのです。

 

細菌総数の重量が人の総重量の8000倍となる計算は?もとになった論文はnatureに乗っていた総ウイルスの重量です。地球上の総ウイルス数は1030個、重量を共通化するために総炭素重量に換算するとシロナガスクジラ7500万頭という計算です。ここからは自分で計算しました。シロナガスクジラの平均重量は140トンなので、7.51014 0 t=7.5101.410kg=1.11013kgになります。ヒトは70億人の重量で710x平均40kg=2.8101kgでウイルスの総重量がヒトの総重量の40倍です。細菌の総数は1031個といわれています。100nmのウイルス(球形)が細菌1個中に平均何個入るかですが、長さ2μmで底面積の半径120nmとして、約20個入ります。従って40x10208000ということになります。

 

細胞壁とムレインの関係:細胞壁は動物細胞にはないのであまりなじみがありませんが、生物種によってその組成が異なります。細菌の多くはペプチドグリカン(アミノ酸と糖)で細胞壁を合成しており、ムレインと呼ばれています。Mureinの語源は、ギリシャ語のmurus(壁)の意味です。

 

細胞膜阻害剤なぜ抗生物質の働きとして細胞膜の働きを阻害するのか、その効果が分からない。細胞膜障害を起こす抗生物質の多くは、細胞膜に穴をあけて細胞を破壊する分子です。アンフォテリシンやコリスチン等が有名です。いわゆる抗生物質のほかに昆虫など多くの生物が産生する抗菌ペプチドも類似の作用を持っているものがあります。

 

宿主最後に出現した生物群とあるが寄生される対象のことではないのか。そうです、寄

 生体が寄生する対象が宿主です。ただ、人や家畜の感染症では宿主は、系統樹では最後

 に出現した生物群、病原体は地球上の初期に出現した生物群といえるということです。

 

硝化細菌:硝化細菌はアンモニウムイオンを、亜硝酸イオンを経て硝酸イオンに酸化する細菌群です。土壌や河川、湖沼などの水界に分布し、アンモニウムイオンなどを酸化することによりATPを産生し、増殖に必要なエネルギーを得ています。

 他方、炭酸同化(炭酸固定)は、生物が大気中や水中などの二酸化炭素を体内に取り入れて、有機物を合成する働きのことを指します。炭素を非光合成的にエネルギー源として利用する細菌は、CO2を使い光合成ではなく無機物質の酸化反応でできたエネルギーを用いて有機化合物を作る細菌類(化学合成無機栄養生物)」になります。

また古細菌のメタン産生菌では4 H 2 + CO 2 CH 4 + 2 H 2 O の代謝を行います。この代謝系は別名炭酸塩呼吸ともいわれます。メタン菌の有する代謝系のひとつで、水素、ギ酸、酢酸などの電子を用いて二酸化炭素をメタンまで還元する系です。メタン菌以外の生物はこの代謝系を持っていません。

 

真正細菌はなぜ真正?:細菌の進化の仮説で、一時期、古細菌(はじめ、根源arche-bacteria)のほうが真正細菌よりも古い起源を持つとされていた時期があります。その後の分子生物学やゲノム解析の結果、真正細菌から古細菌が分かれたことになり、一般細菌が真正細菌(真のeu-bacteria)となりました。

 

真正細菌と古細菌の違い。なぜ古細菌は真核生物に近いか?:真正細菌類が環境の変化に適応し、地球上で広範囲に生息しているのに対し、古細菌は極限状態の地域に生息しているのが特徴。ゲノムの解析が進んだ結果、真正細菌と古細菌は、細菌の進化の極く初期に分岐していること、古細菌は種々の代謝系や遺伝子が真正細菌よりも真核生物に類似性を持つことがわかりました。おそらく真核生物に進化する母体となったためでしょう。

 

従属栄養細菌:ミトコンドリア(αプロテオ細菌)との関係プロテオバクテリア門、αプロテオバクテリア綱の中には細胞に貪食されても消化されにくい(共生あるいは偏性細胞内寄生する)性質を持つ細菌がいます。この中で、光合成細菌などが産生する糖を分解し、酸素を最終電子受容体として利用しATPを産生する好気性菌の一つがミトコンドリアとなったαプロテオ細菌と考えられています。ミトコンドリアのTCAサイクルは、αプロテオ細菌に見られるエネルギー産生(代謝)系です。

 

性接合:どのようなものなのか。説明が難しいですが、細菌同士が性線毛を介して遺伝子を組み換えることです。接合因子を持った細菌(雄)がそのゲノムを因子を持たない細菌(雌)に注入し、遺伝子組み換えを行う方法です。

 

耐性菌:耐性菌を応用した薬品を作ることは出来るのか。耐性菌の耐性遺伝子が明らかになれば、耐性酵素を分解する薬を作り耐性菌を殺すことができます。また薬剤耐性遺伝子を野菜に組み込んで、感受性の細菌などを抗生物質で殺すこともできます。

 

脱窒素作用:どのようにして窒素を大気中に戻すのか、またその目的は何なのか。根粒バク

 テリアのようにアンモニアを酸化して硝酸塩を合成する細菌を硝化細菌という。植物の根に共生し、窒素を栄養源として供給します。反対に硝酸や亜硝酸を還元する脱窒素細菌によって窒素ガス N2 に変化する作用を脱膣作用といいます。大気中に窒素を戻します。ともに細菌にとってはATP(エネルギー)を産生する過程です。

 

炭疽:病気の詳細が分からない。そのうちに何度も習います。グラム陽性の大桿菌で芽胞  

 を作ります。土壌菌ですが家畜にも人にも病気をおこします。ヒトでは汚染食品からは腸炭疽、接触感染では皮膚炭疽、芽胞を大量に吸い込むと致死的な肺炭疽をおこします。これはバイオテロに用いられました(米国の白い粉事件)

 

小さな杖:なぜこの言葉が語源になったのか顕微鏡で見た細菌の多くが桿菌で杖のような形をしていたので、バクテリオン(とても小さい杖)という言葉が採用されたのでしょう

 

DHFA…何の略か分からない。ジヒドロ葉酸(dihydro folic acid)の略称です。DHFAは、

 ジヒドロ葉酸還元酵素によってテトラヒドロ葉酸(THFA)を生成する葉酸誘導体です。

 ジヒドロ葉酸は核酸合成に関係し細菌の細胞分裂に影響を与えます。

 

独立栄養細菌:葉緑体(シアノバクテリア)との関係。炭酸ガスと水から光エネルギーを利用し、バクテリアクロロフィルを用いて有機物(糖など)を産生する光合成細菌の1つがシアノバクテリアです。シアノバクテリアは、糖とともに酸素も産生します。原始真核細胞がシアノバクテリアを貪食・共生したもの(1次共生)、真核細胞がシアノバクテリアを持つ真核細胞を貪食し・共生したもの(2次共生)がミドリムシ、藻類、植物と分岐し、細胞内に共生したシアノバクテリアが葉緑体として残ったと考えられます。

 

70Sリボゾーム:リボゾームがメッセンジャーRNAを読み取り、蛋白質を合成をする機能(翻訳機能)を持つことは細菌からヒトまで同様です。しかし、厳密にはリボゾームの構成分子は少しずつ違います。細胞内のリボゾームを回収するとき、壊した細胞成分を超遠心機で比重と分子構造(立体構造:球形かアモルファスか線形かなど)により分離します。軽い成分は上に、重い成分は下に沈みます(沈降する。各成分は独自の沈降係数sedimentation coefficientSを持ちます)。細菌のリボゾームは2つの成分(30Sと50S)が結合していて、70Sの沈降係数を持つ分画に沈降します。

 

熱水孔何故冷たい海の中に出現したのか。熱水噴出孔は陸上の湖や海水中で見られます。マントルの熱が深海の割れ目から噴出したもの(深海熱水噴出孔)が生物学的に注目されています。深海の熱水噴出孔周辺は、生物活動が活発で、熱水に含まれる各種の化学物質を目当てにした複雑な生態系が成立しています。

 

パスツールの「白鳥の首フラスコ」実験。アリストテレス以来、長い間「生物が親無しで無生物(物質)から一挙に生まれることがある」とする、自然発生説が主流でした。やがて、肉眼で観察できる生物が自然発生しないことは理解されてきましたが、微生物については証明ができませんでした。パスツールは、加熱殺菌した肉汁の入ったフラスコの口を細長く伸ばし、S字状に曲げてやりました(所謂、白鳥の首フラスコ)。これによって空気の出入りは可能ですが、微生物はフラスコの中まで入り込めない状況を作りだしました。フラスコの中の肉汁には、1年間静置しても、微生物は湧きませんでした。これによって、微生物の自然発生が否定されました(枯草菌の芽胞による反論実験もありました。調べてみると面白いですよ)。

 

秦佐八郎:ドイツ人のポール・エールリッヒとともにサルバルサン(Salvarsan、最初の抗菌薬)を開発しました。サルバルサンは有機ヒ素化合物で、スピロヘータ感染症(梅毒:スピロヘータの1種である梅毒トレポネーマ (Treponema pallidum) によって発生する性病)の特効薬です。サルバルサンの名称は救世主を意味する "Salvator" と、ヒ素を意味する "arsenic" から取られています。副作用が強く、ペニシリンが使われるようになってからは用いられなくなりました。

 

付属線毛付属線毛の働きはなんですか。すみません付属線毛は付着線毛の間違いです。スライドなおしました。線毛には沢山の種類がありますが、主なものは性線毛と付着線毛です。付着線毛は宿主への細菌の吸着などに働き、性線毛は遺伝子の組み換え、プラスミドの挿入などに利用されます。

 

ペスト菌:ペスト菌(Yersinia pestis)の祖先は、野生動物などが持っていて水系感染を起こす仮性結核菌(Yersinia pseudotuberculosis)に2種類のプラスミドが入り、血液の中で増殖できるようになった菌と考えられています(私のHP, https://www.ayyoshi.comの「ペスト」に詳しく載っています。米国で問題となるプレーリードッグとの関連も別に書いてあります、http://www.hdkkk.net/topics/pest01.html)。

 

βラクタム:そもそもどのような物質なのか。ラクタム(lactam)は、カルボキシル基とアミノ基が脱水縮合した形(CONR)を持って環を成している化合物の総称です。四員環のラクタム(環状アミド)です。炭素3つと窒素原子が4角形(4員環)を作っています。窒素がカルボニルのβ炭素に結合しているためこの名で呼ばれています。

 

ポルフィリン誘導体、ポルフィリン環。ポルフィリンは窒素(N)を1つ含む五角形の5員環のピロール(C5H4N)が、さらに4個つながり、環状になった高分子です。中央部分には鉄(ヘム、ヘモグロビン)やマグネシウム(クロロフィル、葉緑素)、コバルト(シアノコバラミン、ビタミンB12)などが入ります。ポルフィリンの誘導体はヘモグロビン,チトクローム,クロロフィルなどの形で広く動物や植物中に存在します。

 

マイコプラズマ:真正細菌の中では最も小型の細菌群(テクネキューテス門)です。特徴は細胞壁の遺伝子が欠損したために細胞壁をもたない唯一の真正細菌です。TCA回路、脂質合成系、アミノ酸合成経路も欠損しているので、多くは合成培地で培養できません。肺炎や関節炎などを起こします。

 

ムレイン:細胞壁の項目に書いてあったが、よく分からない。細胞壁は動物細胞にはないのであまりなじみがありませんが、生物種によってその組成が異なります。細菌の多くはペプチドグリカン(アミノ酸と糖)で細胞壁を合成しており、ムレインと呼ばれています。Mureinの語源は、ギリシャ語のmurus(壁)の意味です。

 

リケッチア:どのような生物か?生物の分類は?リケッチアは真正細菌のプロテオ菌門、αプロテオ菌綱のグループに属する病原性の高い細菌です。節足動物(ダニ)によって運ばれ、ヒトでは高熱と発疹を特徴とする徴候を示します。ツツガムシ病や日本紅斑熱の原因菌です。

 

リケッチア、共生との関連は?:多くの細菌は体内に入ってもマクロファージのような貪食細胞に取り込まれ消化されてしまいます。リケッチアは真正細菌のプロテオ菌門、αプロテオ菌綱のグループに属する病原性の高い細菌です。貪食されても消化されず細胞内で生き残る偏性細胞内寄生細菌(ミトコンドリアのように共生しやすい細菌)です。

 

レーウェンフックの顕微鏡の構造は?倍率は?レーウェンフックが微生物を世界で始めて観察した顕微鏡は簡単な単眼レンズです。針の上に観察するものを乗せ、レンズを挟んだ金属の板の反対側からのぞきます。インターネットに実際に見た映像が載っていますよ。分解能は1.35μmから4μm8個の顕微鏡のうち5個が100倍以上、最高の倍率は266倍です。http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005300450_00000

 

リケッチアの細胞寄生機構は?リケッチアはクラミジア(リケッチアと同様に偏性細胞内寄生菌)とは異なり、エネルギー産生系をはじめ増殖に必要な機構を全て備えています。このためリケッチアが偏性細胞寄生性である理由はまだ完全には判っていません。リケッチアの細胞膜は、他の生物の細胞膜とは大きく異なっており、さまざまな成分の透過性が極めて高く、感染した細胞内で宿主の細胞質からリケッチア内部に各種栄養が到達しやすいことがあります。

 

緑色光合成細菌:緑色光合成細菌は、緑褐色を呈し、光合成する緑色硫黄細菌(嫌気性で硫黄化合物を電子供与体とする光独立栄養菌)と繊維状非酸素発生型光合成細菌(緑色非硫黄細菌ともいい従属栄養または好気呼吸で生育します)の総称です。

 

第1回は、生命の誕生と原核生物(真正細菌、古細菌)の世界です。20億年をかけてどのように細菌が進化と多様性を確立したか?また、細菌の多様性が生み出された機序、その結果が地球に与えた影響、あるいは呼吸、代謝、運動、性といった生物の基本要素がすでに細菌の時代に確立されたことを理解してください。

 

 太陽と地球は、ほぼ同時期、約46億年前に誕生したと考えられています。45億年前には海ができ、原始生命は約40億年前に誕生したと思われます。最初の生命体は原核生物(細菌)です。地球上に存在する無機物を代謝し、エネルギーを生産する化学合成独立栄養細菌でした。約38億年前には真正細菌から古細菌が分岐しました。生物界では真正細菌と古細菌はもネラ界を形成しています。

 

 細菌を最初に記載したのはオランダ人のレーウェンフックです(17世紀)。桿菌、球菌、螺旋菌や運動する細菌をスケッチしています。細菌をバクテリウム(ギリシャ語の小さな杖)と命名したのはエーレンベルクです(19世紀前半)。19世紀後半、当時考えられていたように細菌が空中の無から生まれるのではないことを証明したのは、フランスのパスツールです(有名な白鳥の首フラスコを用いた実験)。また微生物が感染症の原因であることを明らかにしたのはドイツ人のロバート・コッホです。最初の細菌治療薬(サルバルサン)を開発したのは、20世紀にはいってからです。ドイツ人のエールリッヒと秦佐八郎でした。抗生物質(ペニシリン)の発見はフレミングによりなされました。

 

 細菌は、現在では29門に分かれています。40億年前から約20億年間(真核生物が出現するまで)は、地球上には細菌しか存在しませんでした。細菌は環境に合わせて多様な進化を遂げてきました。最初は化学合成の独立栄養細菌群が現れ、次いで独立栄養菌が生産する有機物を栄養源とする嫌気性従属栄養細菌群が繁栄しました。利用できる地球上のエネルギー源が減少し始めた時、太陽エネルギーを利用する光合成細菌(独立栄養細菌群)が出現しました。その中に、太陽エネルギーを利用して炭酸ガスと水から酸素と糖を合成する細菌が出現し、大気中の酸素濃度が上昇し、従属栄養の好気性細菌群が増殖するようになりました。

 

 古細菌は、最初真正細菌よりも古いと考えられましたが、ゲノム解析等の結果から、真正細菌から分岐した群で、真正細菌よりも真核生物に近い存在です。しかし、現在の地球での生息分布は、塩湖、源泉、強酸、強アルカリのような極限状態の領域に追いやられています。また、メタン合成や高熱菌、石油生産に関連すると思われるものなどがあります。病原細菌としては、ほとんど知られているものはありません。

 

 原始生物(細菌群)が自然栄養源を食べつくす前に、新しい栄養源を作りだした生物が嫌気性光合成細菌です。太陽のエネルギーを利用して有機物を産生する独立栄養細菌が生まれ、その後好気性の独立栄養細菌が光合成により酸素と糖を作り出すようになり、大気中の酸素を含め、地球の環境が大きく変わっていきます。

 好気性光合成細菌(シアノバクテリア)は、真核生物では葉緑体に、αプロテオ菌はミトコンドリアとして、真核生物細胞の主要な細胞内小器官になっていきます。

 

 細菌同士の食物連鎖の中で、相手に打ち勝つ武器として発達したのが、抗生物質です。現在では、抗生物質として、細菌のDNA合成(ゲノムの複製)阻害、転写(DNAからRNAの合成)阻害、蛋白合成(リボゾームでの翻訳)阻害、代謝阻害、細胞膜障害、細胞壁合成阻害など様々な種類の医薬品が開発されています。しかし、抗菌剤を使用するとともに薬剤耐性菌が選択されてきます。これらは、もともと細菌群が矛と盾の関係として持っている遺伝子群と考えられます。適正な抗生剤の使用をしない限り、耐性菌が選択されたり、耐性遺伝子がプラスミドや性交による遺伝子組み換えで、他の細菌に移っていくことになります。

 

 最後に、細菌の構造、代謝(呼吸)、運動性、性についてまとめておきます。

鞭毛は細菌運動、移動の原点です。鞭毛は我々の精子に至るまで、細胞の運動を担っています。繊毛はやがて移動や異物などを排除する機能も持ちますが、細菌の線毛は標的細胞にくっついて縮みながら接近したり、遺伝子交換のためのパイプ役を果たします。

 細菌の時からすでに性に相当する因子を獲得し、より新しい環境に適応するため、遺伝子交換(受精?)により、生物は多様性を獲得していきます。

 

 

2回の質問回答集

 

アメーバ赤痢(Entamoeba histolytica)の徴候:赤痢アメーバの栄養型原虫(trophozoite)は、腸粘膜に侵入し、大腸粘膜面に潰瘍性病変を形成します。その結果、粘血便を主体とする赤痢アメバ性大腸炎を発症させます。一部の例では腸から、さらに肝臓に侵入することがあります。大腸炎症例のうち5%ほどは、大腸外でも病気をおこします。その大部分は肝膿瘍ですが、まれに心嚢、肺、脳、皮膚などの赤痢アメバ症も報告されています。

 

栄養体:具体的にどの部分でどのような働きをするのか?栄養体は組織や器官ではありません(trophozoitetropho栄養、zoite 体、動物、原虫)。栄養素を摂取し、成長し、生活する原生動物の1つの状態(ステージ)を指すものです。日本語訳が良くないですね?

 

仮足:用途は移動のみなのか。原生動物の移動様式の1つです(ほかに繊毛、鞭毛がある)。

 このような仮足による運動をアメーバ運動といいます。このとき細胞の運動方向を決定するものを主仮足、それ以外のものを副仮足といいます。仮足には葉状、粘液状、糸状、網状仮足などがあります。仮足は時に異物を包んで、取り込む貪食作用を担うこともあります。

 

キネトプラスト何の役に立つのかが分からない。キネトプラストはトリパノソーマのような原虫(鞭毛虫のうち、より発達したキネトプラスト類)が持っています。これらの原生動物は、多くのミトコンドリアDNAのコピーを含む、巨大なミトコンドリアを持っています。このミトコンドリアDNAの凝集体がキネトプラストです。キネトプラスト類が巨大なミトコンドリアを持つのは、鞭毛運動に多くのエネルギーを必要とするからだと考えられます。キネトプラスト(ミトコンドリアDNAが凝集した円盤)は鞭毛の起始部に連なる形で存在していますが、その役割は明らかではありません。

 

キノンはどのようなものか?キノン (quinone) は、一般的にはベンゼン環から誘導されます。ベンゼン環に2つのケトン(=O)構造がついた環状の有機化合物の総称です。

 

クレン古細菌:クレンアーキオータ(Crenarchaeota/Crenarchaea、クレンは泉の意味)は、古細菌のうち好熱菌を中心としたグループで、真正細菌や他の古細菌に比べ、比較的真核細胞と共通点が多い。このグループの中のイグニコックス(Ignicoccus,イグニは炎の意味)は、古細菌の細胞表面構造であるシュードムレイン、多糖類のような硬い殻は持っておらず、菌体の最外部には外細胞膜がある。外細胞膜表面にはATP合成酵素や、アセチルCoA合成酵素、水素-硫黄オキシド還元酵素複合体などが局在している一方、DNAやタンパク質合成系などは内膜の内側に存在しており、情報処理系とエネルギー生産系が別の場所に分けられている。この構造は細胞膜と核膜を持つ真核生物に通じる。I. hospitalisの祖先とN. equitansの祖先の共生系がα-プロテオバクテリアを取り込み、真核生物になったという仮説が出たこともある。

 

ゲノム遺伝子、染色体と何が違うのか分からない。遺伝子は個々の遺伝情報を持つ単位。

 染色体はM期に見られるDNAとヒストンの複合体、ゲノムは全遺伝情報を含む全染

 色体の1セット。個々の遺伝子とジャンク配列を持つ染色体のすべてがそろったセ

 ット(人なら22本の常染色体と1本の性染色体)をゲノムといいます。

 

嫌気好気と何が違うのか分からない。エネルギー生産(代謝)において、電子受容体として酸素を利用するものが好気性生物、酸素以外のものを電子受容体とするものが嫌気性生物です。

 

原生生物でミトコンドリアを消した生物は、なぜ消したのか?嫌気呼吸にシフトしたのが原因の一つと思われます。ジアルジアや赤痢アメーバはミトコンドリアを持っていませんが、遺伝子は核に残っています。嫌気環境に適応した生物では酸素呼吸をはじめ,さまざまな代謝機能を失い,細胞小器官ゲノムも縮小・消失しています。プロトンを電子受容体としてH2をつくりながらATPをつくるヒドロゲノソームとよばれるMRO(ミトコンドリア関連オルガネラ(mitochondrion-related organelle)をもつ膣トリコモナス原虫や高度に縮退したマイトソームとよばれるMROをもつ赤痢アメーバ・ジアルジアが代表的な嫌気寄生原虫です。こういった退行進化したミトコンドリアは真核生物の系統樹のなかでさまざまな系譜にみられます。

 

原虫のゲノム:細菌からヒトまでそれぞれのゲノムを持っています。原虫も自分自身を再生産するための全情報(ゲノム)をもっています。テキストで示したかったのは鞭毛虫、アメーバー、アピコンプレックス群、繊毛虫の分岐過程と、ゲノム、細胞機能・構造がどのようになっているかをしめしたかったのです。

 

原虫の無性生殖と有性生殖:どのような違いがあるのか?無性生殖は自分と全く同じコピーと作るクローン増殖です。有性生殖は雌雄が合体し、遺伝子を組み換え、親と違う遺伝構成の子孫ができます。

 

原虫が有性生殖をおこなう環境は?有性生殖が子孫の多様性に有利であることは明らかですが、単細胞の原生動物のあるものが、どのような環境誘導で雌雄化するのかはわかっていません。Natureにマラリア原虫が有性生殖に入るために蚊の中で無性生殖型の集団の一部が分化して配偶子母細胞と呼ばれる有性生殖段階になる必要がこと、この過程は転写調節因子AP2-Gによって制御されること、他のAP2転写因子群、ヒストン修飾酵素群、ヌクレオソームポジショニングの調節因子群が変化することが報告されています。

 https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/89873

 

後生動物。多細胞動物であり,単なる細胞の集合体ではなく,胚葉や組織の分化が種々の器官の形成に役立っていて,高等な体制を保持している生物群。五界説の動物界(真正後生動物)に等しい生物分類。広い意味では、生物の分類群の1つで、真核生物のオピストコンタ(後方鞭毛生物;opistho-後ろ、kontos鞭毛)上界に属します。精子の鞭毛が1つで後ろについているもの。海綿動物、中生動物、節足動物、脊索動物(脊椎動物を含む)などを含みます。オピストコンタ(上界)でないものはバイコンタ上界(五界の上の分類)になります。

 

シスト化:どのようなものなのか?シストとは袋、嚢胞という意味で、生物ではいろいろな場面で使われます。例えば、腎臓や肝臓にできる嚢胞もシストと呼びます。原虫や寄生虫では宿主の体外に出た時に袋で身を守るためにシストを形成する場合があります。シストの中に卵を入れているものはオオシスト(接合子嚢)と呼びます。シスト化と被嚢化、被嚢形成(シスト形成)は、ほぼ同義です。

 

シスト:バランチジウム症の感染の際にシストの経口摂取とあったが具体的にはどのよう 

なものなのか。卵や子虫が体外に排出されるときに環境から守られるように袋(子嚢、シ

 スト)に入ることがあります。シストは経口摂取されたときに胃酸から卵や子虫を守ったり、トキソプラズマのように感染子虫がシストに入って免疫系から逃れることがあります。

 

シゾントシゾントで核だけを大量に合成して一気に分裂することの利点はなんですか

 ウイルスと同様に分業できます。ゲノムだけ複製しておいて一気に組み立てるほうが、

 2分裂でゲノムを複製し、個々に細胞質物質を合成し、等分に分かれることを繰り返すよりも簡単でしょう。

 

食胞:どのような役割があるのか?貪食と関係しますが、貪食作用で取り込んだ異物は、マクロファージでは、細胞内を移動してリソゾーム(融解酵素を含む小胞)と融合し、そこで異物を分解し再利用します。単細胞動物では、この機能を持つのが食胞で異物を取り込み、細胞内で酵素処理して分解し、消化・吸収したのち、不要物を細胞外に捨て、膜融合をして消失する細胞内小器官です。

 

生殖母体:具体的にどのような働きをするのか?原生動物の中には、マラリア原虫のように有性生殖をするものがあります。有性生殖のため配偶子(精子と卵子)を形成する過程をガメトゴニ―といいます(gamete: 配偶子、gonium:生成する、合成する)。ガメトゴニ―を行う細胞を生殖母体ガモント(gamont)またはガメトサイト(gametocyte)といい、生じる配偶子は生殖体、ガメート(gamete)といいます。

 

赤痢アメーバ赤痢アメーバは口などから侵入すると胃を通るのに強酸である胃酸で死

滅せずに小腸や大腸まで進行できるのはどうしてですかいい質問です。赤痢アメーバは

成体(栄養体、トロフォゾイド)のまま胃を通過するのではありません。シスト(子嚢、

卵殻のようなもの)に守られていて、直接、胃酸に触れることを避けています。小腸に達

してからシストの外に出て、栄養体として増殖を始めます。

 

Zリング:Zリングは遺伝子ftsZ でコードされた蛋白質からなる。真正細菌ユーリ古細菌などに存在し、細胞分裂時に細胞膜下に集合して環構造(リング)を形成し、その箇所が分裂時に収縮して隔壁となり、細胞がちぎれて2つになる。ミトコンドリアの分裂時にも形成される。

 

藻類:酸素発生する光合成を行う生物のうち、地上に生息するコケ植物、シダ植物、種子植物を除いたものの総称です。そのため、通常の植物は含みません。シアノバクテリア(藍藻)から、真核生物で単細胞の原生生物(珪藻、黄緑藻、渦鞭毛藻など)及び多細胞生物の海藻類(紅藻、褐藻、緑藻)など、進化的に全く異なるグループを含みます。酸素非発生の光合成菌は藻類には入りません。

 

大腸バランチジウム生物なのか臓器なのかが分からない。大腸炎を起こす原虫で繊毛虫

 門に分類されます。

 

立襟鞭毛虫立襟鞭毛虫が鞭毛を持つのに襟と糸状仮足を持つのはどうしてですか鞭毛 

 は運動や水流をおこし細菌などの餌を集めるのに使います。襟の形に見える部分では、

 餌を捕食します。糸状仮足は、アメーバの仮足のような膜状でなく、基部は幅広く先に

 向かって細い糸状となり、先端が尖っています。鞭毛虫の運動や環境センサーなどの役

 割を果たしている可能性があります。

 

チトクロームC→チトクロームCはミトコンドリア内でどのような働きをしていますか。 

 ミトコンドリアの内膜に弱く結合しているヘムタンパク質(鉄を中核に持つ蛋白)の一

 種で、電子伝達系(電子の受け渡し)において主要な役割を果たします。

 

シトクロム(チトクローム):cytochrome(細胞質内にある色のついた蛋白の意味)。酸化還元機能を持つヘム鉄を含有するヘムタンパク質の一種です。電子伝達系として好気呼吸に重要な役割を果たしています。

 

頂端複合構造:おもな働きはどのようなものか?頂端複合構造は、アピコンプレックス群の原生動物にみられる共通の構造で、細胞の一端に見出される分泌性の小器官の複合体です。ミクロネーム、ロフトリー、微小管からなるポーラーリング、およびある原生動物種ではコノイドも含みます。これらの細胞小器官は、原虫と宿主の相互作用に利用され、宿主細胞に入ることを可能にする酵素および細胞外物質を融解する蛋白質などを分泌します、

 

ツェツェバエ。ハエ目、ツェツェバエ科の吸血昆虫。吸血性で、アフリカトリパノソーマ症

(ヒトのアフリカ睡眠病・家畜のナガナ病)の病原体となるトリパノソーマ(ガンビアトリパノソーマやローデシアトリパノソーマ)などを媒介します。

 

ドメインシャッンフリング:高分子蛋白質の構造は、それぞれの機能を持ったユニット(ドメイン)が組み合わさって出来ている。各ドメインは本来別々の遺伝子によりコードされたユニットであり、動物種によって、高分子蛋白質のドメインの繰り返しや配置が異なっている。進化の過程でドメインがバラバラに組み合わされることを、トランプのカードの混ぜ合わせになぞらえて、ドメインシャッフリングと呼んでいる。系統樹を追うのにも有効である。

 

トリパノソーマ、キネトプラストキネトプラストはトリパノソーマのような原虫(鞭毛虫のうち、ランブル鞭毛虫のようなトリコゾア亜門に比べ、より発達したキネトプラスト類)が持っています。これらの原生動物は、多くのミトコンドリアDNAのコピーを含む、巨大な一個のミトコンドリアを持っています。このミトコンドリアDNAの凝集体がキネトプラストです。キネトプラスト類が巨大なミトコンドリアを持つのは、鞭毛運動に多くのエネルギーを必要とするからだと考えられます。キネトプラスト(ミトコンドリアDNAが凝集した円盤)は鞭毛の起始部に連なる形で存在していますが、その役割は明らかではありません。

 

貪食:どのような状態を指すのか?細胞が異物に接したとき、細胞膜が陥入して異物を囲い込み、細胞膜で包んだまま取り込む状態を貪食といいます。単細胞動物からヒトの単球(モノサイト、マクロファージ)も同様の機能を持っています。

 

2次共生2次共生を行うことの利点はなんですか。単細胞の真核生物が別の単細胞真核

 生物を取り込んで共生する(消化してしまわない)ので、時に両方の性質を発揮するこ

 とができる細胞となります(例ミドリムシは藻類と鞭毛虫の合体)。

 

二宿主性:血液原虫であるトリパノソーマやリーシュマニアは、単純な人―人感染ではなく、中間宿主または媒介動物として昆虫が必要で、昆虫体内で特定の感染型となり、ヒトに感染します。トリパノソーマは一般に、その生活環において脊椎動物(トリポマステゴート型虫体となる)と無脊椎動物(エピマステゴート型虫体となる)の2種類の宿主を必要とするので、これを二宿主性といいます。

 

ニューデリー・メタロβラクタマーゼ(NDM1).細胞壁合成阻害を誘導する抗生物質(ペニシリン、セファム系、カルバペネムなど)に耐性(抗生物質を分解する酵素を産生する)となる新しい耐性菌遺伝子。NMD-1遺伝子はプラスミドに乗っているため、大腸菌や肺炎桿菌にも耐性を誘導することが知られています。

 

ヌクレオモルフとは?ヌクレオモルフはクリプト藻、クロララクニオン藻の細胞小器官です。起源は葉緑体として取り込まれた真核生物の細胞核であると言われています。葉緑体遺伝子による分子系統解析の結果から、クリプト藻では紅藻、クロララクニオン藻では緑藻がその由来と考えられます。光合成能を持った真核生物が食作用によって宿主細胞内に取り込まれ、そのまま細胞内で保持されるうちに細胞小器官が退化し、萎縮した核(と葉緑体としての光合成能)だけが残ったものです。この複雑な細胞内共生の結果、ヌクレオモルフを持つクリプト藻やクロララクニオン藻では、由来を異にする4種類のゲノムが細胞内に存在します。細胞核のゲノム(真核生物)、 ミトコンドリアゲノム(原核生物)、 葉緑体ゲノム(原核生物)。ヌクレオモルフゲノム(真核生物)です。複雑ですね。

 

嚢子:具体的にどの部分でどのような働きをするのか?卵や子虫が体外に排出されるときに環境から守られるように袋(子嚢、シスト)に入ることがあります。シストは経口摂取されたときに胃酸から卵や子虫を守ったり、トキソプラズマのように感染子虫がシストに入って免疫系から逃れることがあります。卵を入れたシストをオオシスト(oocyst: 接合子嚢、接合子をいれた袋)といいます。

 

ハテナ:ハテナのようなかわいい名前のついた生物は他にありますか?ユーグレナはミドリムシですが、名前の由来は「美しい眼点:eu-glena」です。緑の体に赤い目のような点が見えるからです。とてもきれいですよ。

 

被嚢(シストに覆われること)、被嚢体。単細胞生物や下等な多細胞生物に存在する分厚い強固な膜に包まれた休眠体を被嚢体といいます。通常、被嚢の中に多数の胞子・胞子虫などが入っています。一般に被嚢は温度や湿度などの環境条件が悪化するとつくられ、環境がよくなる(寄生体にとっては、宿主防御機能が低下するなど)と被嚢膜(シスト)が破れて胞子虫が放出され増殖が始まります。

 

フェレドキシン:蛋白分子の内部に鉄-硫黄クラスター (Fe-Sクラスター) を持つ鉄硫黄蛋白質の一つ。電子伝達体(電子受容体・供与体)として機能する。ヘム(ポルフィリン・鉄分子)を含まない非ヘム蛋白質のひとつ。動物から原核生物(細菌)まで広く分布する。光合成、窒素固定、炭酸固定、水素分子の酸化還元など主要な代謝系に用いられる分子です。

 

偏性嫌気性細菌:酸素に対する嫌気性が片寄っているということです。簡単に言うと酸素が極端に嫌いで、酸素があると死んでしまう(無酸素状態でないと生きられない)細菌群です。例はボツリヌス菌や破傷風菌など。

 

放射管:ゾウリムシの放射管における働き。ゾウリムシには、通常、前後2個の収縮胞が存在しています。2個の収縮胞は交互に拡張と収縮を繰り返し、背側に開口する排泄孔より液体を外部に排出しています(浸透圧調節のため)。ゾウリムシでは、収縮胞、星形に配列したアンプル状膨大部、そこから細く伸びる放射管で収縮胞複合体が形成されています。収縮胞にたまった水が放射管を通して外部に捨てられ、細胞内の浸透圧を調節しています。 浸透圧の調節ができないと水がどんどん細胞内に入ってきてパンクしてしまします。

 

ボルボックス(プレオドリナ)の群体の雌雄:群体の中で雌性的な変化をした個体に発現する遺伝子をヒボタン(メスだけに特徴的にみられる5つの遺伝子)と命名、雄性的な変化をした個体に発現する遺伝子(PlestMID遺伝子を含む、オスのみにみられる2つの遺伝子、その後、新たに8つの遺伝子を特定、)をオトコギと命名しました。

 

マイトソーム:ミトコンドリアとどの辺りが相同なのか?ミトコンドリアと同様に二重膜に包まれています。運ばれてくる蛋白質もミトコンドリアに運ばれる蛋白質と類似しています。しかし、ミトコンドリアと異なる点としては、マイトソームは内部にゲノムを持たないことです。マイトソームの構成遺伝子は細胞核に組み込まれています。

 

Mbp…何を意味する単位か分からない。核酸は塩基(プリン、ピリミジン)と五炭糖(リボース、デオキシリポース)とリン酸から出来ています。この1セットを、省略して塩基(base)といいます。塩基はAT, GCの塩基対を作っているので、これは塩基対(base pair)といいます。Mbpはメガ塩基対のことです。キロが10の3乗、メガは10の6乗です。ギガは10の9乗といった単位です。1Mbpの生物は、10の6乗塩基対のサイズのゲノムを持つ生物ということになります。ヒトのゲノムサイズは3x10の9乗bpですので、3Gbpになります。

 

メトロニダゾールは何に有効ですか?ニトロイミダゾール系の抗原虫薬、抗菌薬です。最初はトリコモナス(嫌気性鞭毛虫)感染症治療薬として開発されましたが、嫌気性菌に対する抗菌活性が見出されました。ランブル鞭毛虫、赤痢アメーバ、ヘリコバクター、いろいろな嫌気性菌(クロストリジウム・ディフィシルを含む)に有効です。

 

有性分裂:無性分裂との違いは何か?有性生殖、無性生殖と混同されますが、増殖様式は通常生殖といいます。分裂は2分裂とか、減数分裂などに用いる言葉で、ふつうは有性、無性と組み合わせては使いません。

 

有性生殖:扁形動物・線形動物。線虫以上では雌雄の個体が配偶子(精子、卵子)を形成しますが、扁形動物(条虫や吸虫、日本住血吸虫は雌雄別個体)では雌雄同体なので、同一個体が両方の配偶子を形成します。胞子虫のような原生動物では、単細胞なのでガメトゴニ―により雌雄両細胞が形成され受精します。他個体の配偶子やガメートサイトが受精すれば遺伝子組み換え(2倍体では減数分裂時の相同染色体の遺伝子組み換え)等により多様性が生まれます。

 

ユーリ古細菌。古細菌の8割以上を含むグループ。ユーリアーキア/Euryarchaea、ユリアーキオータ門は、メタン菌や高度好塩菌を中心とした古細菌群。他に超好熱菌や好熱好酸菌、硫酸還元菌、嫌気的メタン酸化菌など多様な古細菌が含まれる。クレン古細菌は古細菌の約2割を占めるグループです。

 

葉緑体と細胞内共生。独立栄養細菌:葉緑体とシアノバクテリアとの関係で説明しました。

 

リピド封入体のリピッドとは?:リピド(lipid)は脂質です。

 

リボゾーム:50S+30Sは、細菌のリボゾームが沈降係数50Sのサブユニット分子(だるまさんの体の部分)と30Sのサブユニット分子(だるまさんの頭の部分)から出来ているという意味です。真核細胞のリボゾームは40Sと60Sのサブユニットから出来ています。

 

第2回は、単細胞性真核生物(原生生物)の話です。真核生物と原核生物の違い、真核生物はどのようにしてできたか?1次共生と2次共生、特にミトコンドリアと葉緑体の起源は興味深いものです。原生生物の進化と多様性はとても面白いです。また、医学や獣医学の病原微生物にも深く関連します。単細胞生物の持つ細胞内器官はその後の、多細胞生物の臓器の原型です。最後に、単細胞生物から多細胞生物への橋わたしについて説明します。

第1回、第2回の講義の宿題をやってください。

 

 真核細胞がどのようにしてできたかは、まだ解明されていません。しかし真核細胞と真正細菌および古細菌の構成成分、代謝、構造・機能などを比較すると、古細菌と真核細胞の共通性が高く、細胞壁がない古細菌が真正細菌のαプロテオ菌(ミトコンドリア)を貪食し、高エネルギー産生系を用いて細胞を拡大し、貪食能を利用して必要な細胞内小器官を作った(1次共生)、真核細胞がシアノバクテリア(葉緑体)を持つ他の真核細胞を貪食し共生する(2次共生)過程などをたどって複雑化したと考えられます。古細菌の中でもクレン古細菌のグループがその役割を担った可能性があります。最も原核細胞から真核細胞の出現までの20億年の長い期間には、真核細胞に至る様々な組み合わせが試みられたでしょう。しかし、我々は現存する真核細胞からしか情報を得ることができません。別の過程があった可能性は否定できません。

 

 原生生物は生物学的にはグループとして積極的な定義があるわけではありません。五界説では原核生物(細菌)と真核生物に分け、真核生物のうち多細胞の動物、植物、真菌類を分け、その他の生物を原生生物としました。分類できるものの残りの生物ということになります。単細胞の真核生物がこのグループの多くの種の特徴になります。そのうちミトコンドリアだけを持ち従属栄養の生物が原生動物、葉緑体とミトコンドリアを持つものが藻類となりますが、原生動物と藻類が共生した原生生物(ミドリムシ、ハテナなど)もいます。

 

 原生動物のうちには、環境中で自由に生活を送るものと宿主に寄生するものがあります。寄生性を持つもので病原性を示すものが原虫になります。原生動物も原虫もprotozoaといいます。そのためしばしば混乱を起こします。原生生物は生物学的な分類、原虫は医学的な分類といえます。

 原生動物の分岐は、トリコモナス、ジアルジアのような単純な鞭毛虫、トリパノソーマやリーシュマニアのような複雑な鞭毛虫、根足類のアメーバ(赤痢アメーバなど)、マラリアやコクシジウムのような胞子虫類のアピコンプレックス群、そして繊毛虫の順で分岐してきたと考えられます。

 

 分類学的には①トリコゾア亜門、②キネトプラスト門、③アメーバ動物門、④アピコンプレックス門、⑤繊毛虫類の順になります。しかし、これらの分類は主に形態、運動能、寄生宿主や病原性などを加味して分類されている側面があり、ゲノムの解析が進むと分類が変わる可能性があります。

 一般に、同じグループに属しても自由生活を行う原生動物は構造が複雑で細胞内小器官もよく発達している傾向があります。他方、寄生性の原生動物は単純化する傾向があります。この退行性進化というべき特性は多くの寄生虫に見られる変化です。10億年に及ぶ環境適応が、それぞれの原生動物の形態・機能・構造に大きな影響を及ぼしており、現存する原生動物が分岐した時の状態のままでいるわけではないので、しばしば混乱が起きます。

 ミトコンドリアを持たない原生動物を古原生動物(アーケプロトゾア)として、真核生物の起源とした考えもありましたが、これらの生物はミトコンドリアを持っていたが、進化の過程でミトコンドリアゲノムが細胞核に移動し、マイトソームのような細胞内小器官に変化したものであることが分かりました。

 

 第3回は、いよいよ多細胞生物です。比較的早く分岐した単純な従属栄養系の多細胞生物としては、真菌類と3胚葉動物としては扁形動物門(条虫、吸虫)、線形動物門(回虫)があります。扁形動物門からは軟体動物が、線形動物門からは甲殻類、昆虫などが分岐していきますが、それは次回に譲るとして、今回は真菌類と扁形・線形動物について講義します。

 

 第3回と4回の講義内容について、わからなかった単語を報告してくれた生徒さん、有難うございました。全員に応えられたかわかりませんが、メールで送ってくれた質問には回答が済みました。まだまだあるかもしれませんが、一応ここまででまとめておきます。第3回と4回のスライドを見るときの参考にしてください。2018年5月19日。

 

3回 分からなかった単語

 

アルペオラータとストラメノバイルの違い:どちらも、門を超える大きなグループです。ア

ルべオラータは、原生動物のグループで、細胞表層にアルベオール(泡室、alveole)を

持っています。これは細胞膜を裏打ちするような層を作っている平らな小胞で、普通は

柔軟な外被 (pellicle) を作っています。アルベオラータグループのミトコンドリアには管状のクリステがあります。他方、ストラメノパイル (Stramenopiles) は、鞭毛に中空の小毛を持つ真核生物の一群です。前鞭毛と後鞭毛の二本の鞭毛を持っています。藻類のオクロ植物(不等毛植物)、原生動物の太陽虫の仲間の一部や、卵菌・サカゲツボカビ類までを含む多様なグループです。

 

オンコセルカ症の治療の方法はあるのか?ンコセルカ症は、回旋糸状虫という線虫の一種による感染症です。かゆみ、発疹、ときに瘢痕が生じ、失明につながる眼の症状が引き起こされることもあります。駆虫薬のイベルメクチンが有効です。1回投与し、症状がなくなるまで612カ月毎に反復投与します。線虫が駆除されれば治療は終わりです。

 

海綿はどうやって生きているのですか?濾過摂食です。体内を通り抜ける水の中から有機 

 物微粒子や微生物を捕らえて栄養源とします。深海などには肉食性カイメンが生息し、

 小型甲殻類などを捕らえて食べています。

 

下等真菌と高等真菌の違い:便宜上、無性生殖のみか?有性生殖も行うか?菌糸の細胞に隔

 壁があるか、隔壁がないかで分けています。

 

カマドウマって?:見たことありませんか?結構身近にいます。バッタ目の昆虫です。キリ

ギリスやコオロギ、ウマオイに似ていますが、成虫でも翅(はね)をもたず専ら長い後脚で跳躍します。その跳躍力は非常に強い。姿や体色、飛び跳ねるさまが馬を連想させ、古い日本家屋では竈(かまど)の周辺などによく見られたことからこの名前が付いています

 

寄生虫特にどのようなところを好むのか?寄生虫により、また、寄生虫のステージにより異なります。経口感染するものの多くは消化管に寄生します。一部は門脈から脾臓や肝臓に入って寄生します。吸血昆虫(ベクター)によって運ばれるものは、直接血液に入って、肝臓や肺などに行きます。全身を循環して脳や目、筋肉に行くものもあります。多くはありませんが皮膚から入って動き回るもの、鼻から入って脳に行くもの等もあります。

 

寄生虫幼虫がヒトに入るとなぜ成虫にならないのか?寄生虫には成虫になって卵を産む

 ことができる宿主(終宿主)と、幼虫時代に寄生する宿主(中間宿主)があります。ヒトを終宿主とする寄生虫は、ヒトに感染すると成虫になります。ヒトを中間宿主とする寄生虫や、たまたま幼虫期にヒトに感染した寄生虫は成虫になれません。

 

クリプトコッカス鳥では体温が高いため増殖しないという説明でしたが、人の体も菌に感染すると免疫系が働き、体温が上がると思うのですが、それでも死滅せずに脳膜炎を発症させるのはどうしてですか。そういわれると不思議ですが・・・。クリプトコックスは39℃で死滅するわけではありません。鳥の体温では、比較的増えにくいが、哺乳動物の体温では、それより増えやすいということです。鳥の体から出たクリプトコックスは糞中のクレアチニンを利用して大量に増殖するので、ヒトや猫は大量汚染を受ける可能性がある。クリプトコックスに暴露されれば、いつも髄膜炎になるわけではありません。基本的には日和見感染です。免疫系等に問題のある人が発症しやすい傾向があります。

 

子実体:どういうものか。真菌類が胞子形成のために作る、複雑な形を持つ複合的な構造物

 のこと(fruiting body)。肉眼的には、大型のものを中心に、いわゆるキノコと呼ばれて

 いる。接合菌の接合嚢(fruiting body of zygomycota)、子嚢菌の子嚢(fruiting body of ascomycota)、担子菌のキノコ(fruiting body of basomycota)がこれにあたる。

 

刺胞動物と棘皮動物の違い:刺胞動物は2胚葉性でクラゲ、ヒドラ、イソギンチャクなど、 

 棘皮動物は3胚葉性で脊索動物に近い動物群です。ウニ、ヒトデ、クモヒトデ、ナマ

 コ、ウミユリなどが棘皮動物に属します。

 

宿主間を移動できない場合、寄生虫は死んでしまうのか。寄生した宿主が終宿主であれば、その個体は死にますが、卵を産んで次世代を残すことができます。中間宿主の場合は、成熟して次世代を残せないので、免疫応答などで排除される(死ぬ)か、どんなに頑張っても、宿主が死ぬときには宿主とともに死ぬことになります。

 

終宿主:無鉤条虫はヒトが終宿主とあるが、ヒトの中で一生寄生するということなのか? 

 そうではありません。ヒトが終宿主というのは、ヒトの体内で成体となって卵を産む

 ことができるということです。中間宿主の牛では嚢虫という幼虫の段階で寄生しています。汚染した牛肉をヒトが食べると、ヒトの体内で初めて、成虫となり卵を産むという生活環です。

 

真菌→123914種の属は種とどうちがうのか?生物の分類は界(動物界、植物界、モ

 ネラ界など)、門(プロテオ細菌門、繊毛虫門、子嚢菌門など)、綱(バチルス綱、哺

乳動物綱、甲殻綱など)、目(霊長目、十脚目、ウナギ目など)、科(ヒト科、腸内細菌科、マイコプラズマ科など)、属(エルシニア属、リケッチア属、マカカ属など)、種(ペスト菌、日本紅斑熱リケッチア、ニホンザルなど)のように、大きな分類から小さな分類まで分かれています。すべての生き物は種で1対1に決まります(属では多数の種が含まれます)が、通常は属と種で表わします(ホモサピエンス・サピエンス、エルシニア・ペスト、リケッチア・ツツガムシなど)。例えば今治キャンパスを示すのに、アジア(界)、日本国(門)、中四国圏(綱)、愛媛県(目)、今治市(科)、いこいの丘(属)、13番地(種)のようなものです。いこいの丘・13(属・種)で獣医学部とわかりますが、分類上(各カテゴリーで共通性をもったもの)はそれぞれのレベルでまとめられます。上の真菌の例は1つの科に123のグループ(属)があり、その中に914種の真菌が分類されている(平均1属あたり9種の真菌を含んでいる)ということです。いこいの丘にも獣医学部以外に別の建物があって、1-51-7などがあるでしょう?

 

真菌動物は食べるが真菌類は溶かして吸収するのは、動物の方が大きいのに摂取方法が

    逆じゃないのはどうしてですか。ここでいう異物の摂取の方法は体の大きさのことで

 はありません。細胞一つずつの大きさは、むしろ単細胞生物のほうが大きいです。動物細胞では餌をとる場合に、貪食のように細胞膜に包んで取り込む方法と、細胞外に酵素を出して溶かし、吸収する方法があります。ヒトの細胞でも貪食する場合もあるし、蛋白分解酵素や脂肪分解酵素を出して、分解して吸収する方法も使うので、貪食は動物、融解は真菌類というのは、絶対的ではなく、そういう傾向があるという程度です。多細胞生物の高等動物が器官として消化器系を持ち、ものを食べるのに、植物や真菌類が食べないのは、単に消化器系を発達させなかったためです。

 

真菌類が植物との関係が深く、細菌のように動物寄生をあまりしないのはなぜか?動物と

 植物が陸上に上がった時に、真菌類は土壌菌として植物について行ったものが多く、動物には真正細菌が、口腔や腸内細菌、皮膚の常在菌としてついて行ったものが多かったのではないでしょうか?また、真菌類にはセルロースを分解する能力を持ったものがいることも影響しているかもしれません。

 

生活環:どういう意味か。わかりません。寄生虫が卵から孵化して、中間宿主(一つだけではなく、第二中間宿主を持つものもあります)を経由して終宿主にたどり着き、成体となって、また卵を産むサイクルを寄生虫の生活環(life cycle)といいます。終宿主がヒトであても、中間宿主が、他の哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類、魚類、昆虫(節足動物)など様々です。食物連鎖を利用して生活環を形成する寄生虫は、複雑な経緯をたどります。しかし、そのことで生息域を広げたり、感染効率を上げたり、多様性を獲得したりしています。

 

線虫はどのくらいの大きさですか?生物実験に使われる線虫C. elegasは雌雄同体です。 

 成虫の体長は11.5mmです。食中毒のアニサキス(海棲哺乳類の回虫)は23㎝で

 す。ヒトの回虫は雌が2030㎝、雄が1422㎝です。体長は通常0.54mmですが、1mを超す大きさの種もいます。約1万種が確認されていますが、地球全体で50万種ほどが存在すると推定されています。https://en.wikipedia.org/wiki/Nematode

 探してみると、Placentonema gigantissimaは、マッコウクジラの胎盤に寄生する巨大な線虫です。 8.4メートルの長さと2.5センチメートルの直径で、これまでに報告された最大の線虫です。1950年代にキュリー諸島周辺で発見されました。https://en.wikipedia.org/wiki/Placentonema_gigantissima

 

総胆管どのような役割をしているのか高等動物では胆嚢管と総肝管が合流し、十二指腸 

 につながっている部分です。出口では膵管と合流します。肝臓や膵臓は消化管の器官と

 考えてください。肝臓では取り込んだ栄養素を蓄積するとともに、解毒した物質や消化

 酵素などを胆嚢に蓄え、十二指腸に排出します。膵臓もリバーゼなどの酵素を産生し膵

 管から十二指腸に排出します。


側生動物。どのようなグループか。また、属している動物には何があるのか側性動物は 

 多細胞生物ですが、明確な臓器や器官、組織をもたない動物群で、現存する動物は海綿

 動物門のみと考えられています。

 

ツボカビ門とは?真菌のなかでは、最も古い真菌群です。カエルツボカビは両生類(カエ

 ルやサンショウウオ)のケラチン化した表皮細胞に寄生します。ツボカビ自身は移動し

 ませんが、遊走性の配偶子(ツボカビは無性生殖なので無性胞子です)は鞭毛をもち水

 の中を移動します。

 

虫嚢:肺吸虫の成体が肺に寄生し生活する際に作る袋(嚢)。虫嚢をつくりその中に寄生す

 る。むき出しで寄生すると宿主の防御機構等に攻められる、肺で直接的に空気に触れるの 

 を避ける、虫体の周りを水溶液でみたす、等の意味があるかもしれません 

 

トリコミケス網節足動物の腸内での働きは何ですか分かっていないようです。すべてが昆虫・多足類・等脚類などの節足動物の腸内などに生息します。栄養関係が不明であり、寄生であるかどうかもわかっていません。

 

ネオカリマスティクス目草食動物の消化管内には共生できるのにそれ以外の動物の消化

     管内に共生できないのはどうしてですか。ネオカリマスティクスは絶対嫌気性の真菌類の一群で、主に反芻動物の胃や盲腸などの消化器にのみに生息する、ルーメン(反芻動物第1胃)真菌です。現在ではネオカリマスティクス門から綱、目までは単型(1つのみ)であり、ネオカリマスティクス科のNeocallimastix 属など6属を含むだけです。非常に特殊な真菌といえます。セルロース分解能が高く、キシラナーゼやグルカナーゼも持っており、難消化性の繊維が優占する環境下で生活しているので、草食獣特に反芻獣で共生するのに適しています。エネルギー生産の場としてミトコンドリアを持たず、代わりに嫌気環境下で機能するハイドロジェノソームを持っています。ハイドロジェノソームはATPを産生するとともに水素を発生します。炭酸ガスと水素からメタンを合成するメタン細菌との共生も考えられます。

 

肺吸虫症の症状(ヒト)は?創傷性の肝炎、腹膜炎、胸水の貯留、気胸、発熱、発咳、血

 痰などが見られます。血液所見では好酸球数増加を伴う白血球数の増加です。脳へ侵入

 した場合は、頭痛、嘔吐、てんかん様発作、視力障害などを示して死亡例があります。

 

不完全菌類擬似有性生活環をもつものがある。子嚢菌・担子菌群などで、有性生殖のステ

 ージが未発見で分類学的な位置がよくわからないものを仮にまとめた群です。有性生

 殖のステージが分かれば、接合菌、子嚢菌、担子菌などに分類されます。

 

フィラリアフィラリアの幼虫の死骸が血流にのって肺以外に到達した時の症状も肺に到

 達した時と同じですか。通常、肺でも肺以外でも無症状のことが多いです。CTMRIで肺結節(肺がんなど)として認められ、バイオプシーで、フィラリアが確定診断されることが多いので、特に症状はありません。肺血管に塞栓を起こした場合は咳、血痰、発熱、胸痛などの症状が出現します。

 

ペンシリン抗生物質と抗菌薬はどのような関係か?抗生物質(anti-micro-biotic:直訳すれば、抗-微-生物・物質)、抗菌薬(抗菌剤)、抗微生物薬などの言葉が使われています。内容的には類似しています。しかし、厳密には、少し違います。抗生物質は真菌や細菌が産生し、他の細菌や真菌の増殖を抑える物質です(原虫に効くものもあります)。また、サルファ剤やサルバルサン(ヒ素)のように化学合成された物質で細菌や真菌などに効くものもあります。これらを含めて抗菌薬といいます。さらに抗生物質や抗菌薬、抗菌ペプチドなどには、細菌・真菌のほかに原虫などにも効くものがあります。これらは抗微生物薬(抗微生物物質)ともいわれます。

 

片節、どの部分を指すのか。条虫は基本的に頭部の頭節と体を作っている片節(体節)からなります。片節(体節)は排出されるときにちぎれて個々の片節になります。この中には精巣と卵巣があるので、多くの受精卵を生産します。

 

メールス腺どのような器官か。Mehlis' glandの正確な役割はわかっていないようでが、腺腔は子宮に開口し卵の卵膜の補強、硬化(卵殻膜形成)に働く物質を分泌しているようです。

 

有性胞子:真菌類には無性生殖をするもの、有性生殖をするもの、環境条件により無性生殖

 と有性生殖をするものなどいろいろあります。無性生殖をおこなうものが二分裂でなく、次世代のための配偶子を産生する場合は、無性胞子となり、これはクローン増殖になります。有性生殖をおこなう真菌類が次世代の配偶子を産生する場合は、有性胞子となり、他個体の配偶子と受精することもできます。有性生殖をおこなう真菌類は、子嚢果と呼ばれるカプセルの中の、さらに小さい袋(子嚢)の中に48個の子供(子嚢胞子)を作るパン酵母、水虫菌などの子嚢菌類、キノコを発生して傘の裏側の表面に子供(担子胞子)を作る担子菌類、雌雄の親菌糸がくっついた所に接合胞子と呼ばれる子供ができるクモノスカビなどの接合菌類があります。有性生殖では両親の遺伝子が半分ずつ子供に伝わります。http://www.pf.chiba-u.ac.jp/medemiru/me07.html

 

輪精小管どのような生殖器か。肺吸虫は雌雄同体なので精巣で作られた精子を輸送する管

 (輸精小管)が子宮につながり卵巣で生産され排卵された卵子と受精する。

 

 第4回は、線形動物から進化した脱皮を繰り返すグループで、甲殻類(エビ)と節足動物で最も繁栄した昆虫類(ミツバチ)を取り上げます。カンブリア紀を経て一気に多様化した生物(カンブリア紀の生物体爆発)たちは、植物を含め、それぞれ陸上に上がっていきます。ここでは触れませんでしたが、扁形動物は軟体動物へと分岐していきます。

 授業中に疑問になった赤血球とヘモグロビン(あるいはヘモシアニン)の関係についてはスライドに加えました。ヘムは細菌のところでもでてきましたが、酸素の運び屋としてのヘモグロビンを細胞に取り込んだ赤血球(基本的には脊椎動物門から)、やがて脱核して核のない運び屋専門の細胞に変化する(哺乳類から)過程は、なかなか複雑です。

 

4回 理解できなかった単語

 

インターロイキン:白血球から産生される分子で、リンパ球や単球、マクロファージなどに免疫応答などを誘導させる働きをします。細胞間( inter- )白血球( leukocyte)因子( -leukin )としてまとめ、Interleukin と名づけました。現在までに30種類以上のインターロイキンが同定され、発見された順番に番号が付与されています。各インターロイキンは、白血球から産生されると標的細胞の表面に発現する受容体に結合しシグナルを伝えます。

 

エディアカラ動物群:先カンブリア時代の化石群、どのような動物群か1946年にオーストラリアのエディアカラで大量の動物の化石が発見されました。これらの動物の化石がエディアカラ動物群です。その後の火山爆発と捕食者により絶滅したと思われ、これらの動物を先祖とする現生生物はいません。化石から見ると、同心円状や左右対称, 葉状で平らという、自然界で最も単純な形態であることが大きな特徴です。また、多くの化石部分が凹んでいる凹型であることから、現在のクシクラゲのような軟らかい体を持っていた生物と考えられています。

 

エディアカラ動物群は、なぜ大きくて薄い構造だったのですか。まだ体が出来始めた時期だ

ったために、丸くて小さいような、まとまった体にできなかったのですか強力な捕食者がいない状況では、ゆっくり動き、少ないエネルギーで浮遊するほうが有利かもしれません。餌が豊富で、敵がいないなら、コンパクトである必要はなかったのでしょう。カンブリア紀の生物爆発で捕食者が現れ、切磋琢磨する中で、エディアカラ動物群が絶滅したのは、このためだっかもしれません。

 

エビの額角どのような役割があるか:額角の役割はあまり明瞭ではないようです。額角 

は、頭胸甲の前端が角状に伸びた部分のことです。上緣、下緣には歯が並んでおり、身を守るのに役立ちます。額角の形状、棘(歯)の大小や形、数などは種を同定するためには役立ちます。ちなみにボタンエビでは、額角は頭胸甲長の 11.5倍で,上縁に 1720本,下縁に 710本の可動棘と先端部下縁に 02本の不動棘がついています。

 

エビの顆粒球異物の被包化はどのように起こるのか?エビの顆粒球が異物の周りに集ま

 り、貪食・融解、消化できる場合はそれで終わりますが、異物が簡単に処理できない場合は、沢山の顆粒細胞や他の血液細胞が集まり、異物を繊維性の蛋白で包んでしまいます。このことを被包化(カプセル化、encapsulation)といいます。

 

エビの血液:エビの血液は何色ですか?ヘモシアニンによって酸素を運搬するのはイカ・タコ・貝類の軟体動物や、エビ・カニの節足動物(甲殻類)などが知られています。但し、同じ節足動物でも昆虫は酸素を運ぶ血色素(酸素運搬蛋白)を持っていません。ヘモシアニンは酸素に結合すると青色になります。酸素が結合していないときは無色です。エビをゆでると赤くなるのはヘモシアニンの熱変性ではなく、餌からとったカロテノイドと蛋白質が結合したカロテノ蛋白質の変性によるものです。

 

エビの神経系は腹部側にあるということですが、なぜ腹部側になったのですか。背面にある

 ほうが硬い殻もあるので傷つきにくいと思います。生物進化から見ると旧口動物は、中枢神経系が腹側神経索よりなる腹側神経系動物(ガストロニューラリア)です。他方、新口動物は中枢神経系が背側神経索よりなる背側神経系動物(ノトニューラリア)です。扁形動物、線形動物で発達した神経は、軟体動物や甲殻類・昆虫類の節足動物に発展しますが、基本的には腹側です。他方、新口動物では脊索動物(頭索動物、尾索動物)が、いずれも神経管を背側に作り、そのまま脊椎動物に受け継がれています。最近、旧口動物と新口動物の形態形成(ホメオボックス)遺伝子の分布は反対になっていることが言われています。すなわち新口動物の背側は旧口動物の腹側になります。そうだとすれば、神経系は、腹側・背側という関係でなく、どちらも同じ位置にいたことになるのかもしれません。しかし、それでは何故、新口動物と旧口動物でホメオボックスが逆転したのか?あるいは分岐した初めから逆転していたのか?わかりません。

 

オスの蜂は交尾の直後に何故ショック死をしてしまうのか。女王バチと雄バチたちの交尾では、ときには数キロも離れた場所から雄バチが集まってきます。女王バチは雄バチを惹きつける強力なフェロモンを放出し、雄バチは女王バチに群がります。女王バチは何度も交尾をしますが、雄は一度しか交尾できません。雄バチが女王バチに触れてから精子を渡すまでは、わずか数秒という短さです。この短い間に、雄バチの腹部に納まっていた生殖器は外側に反転します。その瞬間に、精子が女王バチに打ち込まれます。同時に、オスバチの体は麻痺・硬直して死に至ります。このような光景が、何匹もの雄たちによって繰り返されるのです。結局、うまく女王蜂と交尾に成功し、思いっきり精子を放出すると、その途端、オス蜂の性器は引きちぎられ、ショック死して落ちていきます。

 

カンブリア紀:カンブリア紀の生物の化石が発掘された地域は、イギリスのウェールズ地方です。ここは、かつて「キムル」という部族の名前でよばれていた。キムルをラテン語に訳すと「カンブリア」となり、その名前からカンブリア紀と名付けられた?

 カンブリアはウェールズの名前である。カンブリア、Cymruは、ウェールズの国名でラテン語名である。この語は、ローマ時代には用いられなかった。というのは、この時代、ウェールズが別個の存在としては認められていなかったからである。後になって、中世にイギリスの大部分がアングロサクソン圏となり、新しいアングロサクソン王国(イングランドになる)と残りのケルト王国(ウェールズになる)の間の領土の区別がついた後、この言葉が復活した。 西洋のキリスト教世界における学問の第一言語がラテン語となり、記述者はケルト王国の英国領を指す言葉が必要となり、その領土にウェールズの名前に基づいてカンブリアをあてた。https://en.wikipedia.org/wiki/Cambria

 

気門:気嚢は体を軽くしたりするためのものですが、気門はただの空気を入れるための

 穴ですか。そうです。昆虫や同じく節足動物に入る蜘蛛類は、空気が気管に入ることを可能にするために、外骨格に気門を持っています(昆虫では主に左右に10対)。昆虫の呼吸器系では、気管小管は基本的に動物の組織に酸素を直接的に送ります(細気管支や肺胞はありません。ただし循環血液中には赤血球はありませんが、ヘモシアニンorヘモグロビンはあります)。 気門は効率的な方法で開閉することができることで、水分損失を減らすことができます。 これは、気門を取り囲む筋肉を収縮することによって行われます。 気

 門を開けるには、筋肉を弛緩させます。これは中枢神経系によって制御されていますが、局所の化学的刺激にも反応します。気門閉鎖のタイミングおよび持続時間は、昆虫の呼吸速度に影響を及ぼします。気門は、開口部の周りの大気の動きを最小限に抑えるために毛で囲まれています。このようにして水分の損失を最小限に抑えています。

 

胸肢と遊泳肢(解剖図)では動き(働き)の違いはあるか?エビの種類により違いがあるよ

  うです。一般に、エビの胸脚(胸肢、歩脚:ハサミ、歩き)は5対、腹脚(遊泳肢:移動、泳ぎ)が5対あります。5対の胸脚はクルマエビ類では前3対にハサミを持ちます。テナガエビ類では前2対がハサミをもち、タラバエビ類では第2対目だけがハサミをもち、センジュエビ類では5対すべてにハサミをもちますが、イセエビ類ではまったくはハサミ持ちません。すべてのエビ類はこれらのいずれかの型に属します。腹脚は葉状の内・外枝からなり、腹肢ともよばれます。腹肢は遊泳型エビ類では泳ぎにとって重要な運動器官であり、またコエビ類やザリガニ類の雌は卵を腹肢の毛につけて守ります。生息状態や生体、生息環境によってずいぶん変わってきています

 

クチクラ層とは?表皮を構成する細胞がその外側に分泌することで生じる丈夫な膜をクチクラ(cuticle, クチクラ層)といいます。昆虫をはじめとする節足動物の場合、クチクラは外骨格を構成します。甲殻類ではキチン質という多糖類が主成分を占めます。

 

結節:結節とは何をするのですか。医学では、いろいろな状況で結節(nodule、小さな節 

small nodeという意味)という言葉を使います。特に組織病変では病理学で、臨床的に

は肉眼所見で記載されることが多いです。一般に、比較的小さい、限局性で円形の病変を意味します。その代表は、結核性病変の特徴である結核結節です。体内に入った異物や感染病巣などを生体防御系の細胞が浸潤して取り囲んだ状態が小さな節(ふし)のように見えるのでこのように表現されます。異常な細胞が増えて小さな塊にときには増殖性結節(nodular hyperplasia)ですが大きくなれば腫瘤(腫瘍、癌)と呼びます。

 

原白血球 私たちが持つ白血球とは何が違うのですか。一般に言う白血球は末梢血にある血液細胞(赤血球、単球、顆粒球、リンパ球など)です。昆虫類の原白血球はヒトでいうなら骨髄にある、いろいろな白血球に分化することのできる造血幹細胞(hematopoietic stem cell)に相当します。

 

甲殻類のところに海で進化した節足動物と書いてありましたが、川に棲むカニも居ると思 

 います。川にいるカニは、もとは海から来たということでしょうか。そうです。海に生息するカニやエビなどは幼生の時期は成体とは大きく異なった姿をしています。孵化後、プランクトンとして脱皮や変態を繰り返して成体のそれに近づいていきます。他方、淡水に生息するザリガニやサワガニなどでは、これらの幼生期を卵の中で過ごして稚エビや稚ガニになってから孵化します。卵はその間に必要な栄養を含むために大きく、産卵数は少ないという特徴があります。このような変化は海での生活から分岐して、淡水での生活に適応していったことと関連があると考えられています。

 

コレラやチフスコレラやチフスとはどのような症状か?チフスは高熱や発疹を伴う細菌感染症の一種で、広義では腸チフス(サルモネラ)、パラチフス(サルモネラ)、発疹チフス(リケッチア)の三つが入ります。しかし、一般には腸チフスとパラチフスを、狭義には腸チフスを言います。腸チフスにはキノロン系、第3世代セファム系の抗生物質が有効  

   ですが、耐性菌も出てきています。コレラは、コレラ菌(Vibrio cholera)の感染、普通23日、早ければ数時間の潜伏期で発症します。通常、突然腹がごろごろ鳴り、水のような下痢が12030回も起こります。また、「米のとぎ汁」のような白い便を排泄することもあります。腹痛・発熱はなく、むしろ低体温となり、34度台にも下がります。重症例では、急速に脱水症状が進み、血行障害、血圧低下、頻脈、筋肉の痙攣、虚脱を起こし、死亡します。

 

重合系?:重合系としての凝固蛋白質はフィブリンのことですか。重合系としてしまいましたが、重合はモノマー(単分子、単量体)がポリマー(重合して、多量体や高分子)化する反応(polymerization system)です。ここでいうmultimeric systems(多素系、多段系、この訳も適切でないかもしれません)は、血液蛋白質の凝固系(フィブリン)や補体系(コンプリメント)で見られる反応です。この系は、一つの反応からカスケード状(段々状、連鎖反応的)に順序を追って次々と反応が起こる系です。前の蛋白分子が開裂すると、それが次の蛋白分子の開裂を誘導し、反応が繋がっていく系(システム)です。

 

女王蜂はいつからフェロモンを出す事ができますか?生まれた時には出せますか?生まれ 

 た時はだせません。女王バチとして成熟し分蜂して新しい巣を作る時、雄バチを引き寄

 せるフェロモンをだします。交尾して卵を産み、多くの働きバチが孵化して成熟すると

 働きバチを統御するためにフェロモンを出します。

 

女王蜂の成り方:数匹の女王蜂候補のなかから一匹が女王蜂になりますが、その女王蜂候補

 はどのように選ばれるのですか?王台でたまたま生まれたメス蜂が女王蜂候補となるのでしょうか?また、巣の中に王台は何個あるのでしょうか?おもしろい質問です。女王バチが卵を産む段階では、女王バチになるか働きバチになるかは、特に違いはありません。巣の中にある大型の王台に産み付けられ、ローヤルゼリーで育てられた幼虫が女王バチ候補です(数匹程度)。女王バチになるのは1匹だけです。結果は簡単で、候補の蜂の中で一番先に王台から出てきた個体が女王バチです。最初に大台から出て来た蜂が他の王台から出て来てない女王バチ候補を、働きバチと協力して、皆殺しにします。もし、同時に2匹の女王バチ候補が王台から出れば、対決し勝ったほうが女王になります。

 

小球細胞が認識するβ‐グルカンには何があるか。β-glucanは、グルコースがβ-グリ

 コシド結合で繋がった重合体(多糖類)の総称です。単にβ-グルカンと言った場合は、通常β-1,3-グルカン(グルコース、6単糖の炭素の1位と3位が順次、結合する)のことを指します。細菌、真菌、酵母などの細胞壁を構成する天然成分です。この構造を生体防御細胞が認識し、病原体に対する防御反応を開始します。

 

神経系にはいくつか種類がありますが、どのようにしてその神経系を選択していったのですか。選択したというより、環境に適応する(食物連鎖、弱肉強食も生存環境に含まれる)なかで発達し、自然選択圧で選抜されていったのではないでしょうか。

 

セミ顆粒球···多くの作用を持っているからこれ一つで解決すると思うが、何故これ以外の

 血液細胞があるのか?顆粒球の顆粒内にはいろいろな機能を持つ分子が入っています。またその内容は、顆粒球の種類によっても違います。病原体を認識する細胞、生体防御系細胞を呼び寄せる細胞、生体防御系細胞を活性化し増殖させる細胞、異物を取り込んで処理したり、被包化して封じ込める細胞、平常時に監視する細胞、緊急時に対応する細胞、修復に働く細胞、生体防御系全体を調節する細胞などなどです。1つの細胞でこうした機能を全部持つのは無理です。

 

走化性因子って何ですか?白血球が化学的刺激物質(白血球走化性因子:細菌、補体成分、

 抗体、ケモカインなど)に向かって遊走していく現象で1888年にレーバーT. Leber

 よって明らかにされました。走化性因子は、白血球が浸潤する炎症反応の場に、よく見

 いだされます。

 

チフス···腸チフスと同じものか、治療法はあるのか?チフスは高熱や発疹を伴う細菌感染症の一種で、広義では腸チフス(サルモネラ)、パラチフス(サルモネラ)、発疹チフス(リケッチア)の三つが入ります。しかし、一般には腸チフスとパラチフスを、狭義には腸チフスを言います。腸チフスにはキノロン系、第3世代セファム系の抗生物質が有効ですが、耐性菌も出てきています。

 

Toll様受容体キイロショウジョウバエではなぜ病原体の認識に関わらないのか?Toll

     受容体はショウジョウバエでも病原体の認識に使われます。ショウジョウバエで最初

     に見つかったToll遺伝子は形体形成(背側と腹側)にかかわる遺伝子でした。この遺伝子と類似の遺伝子として見つかった遺伝子がTollに似た(Tollの様な)遺伝子で、病原体などを認識する受容体であったためにToll様受容体といわれるようになりました。Toll様受容体(TLR)は、昆虫でも見つかっています。

 

貪食能:この能力を持っていない血液細胞には、何か利益はあるのですか?貪食能は主に

 マクロファージ(単球)と好中球が持っており、外来の異物を取り込んで消化したり、不活性化します。他方リンパ球のような特異免疫細胞はマクロファージのような貪食細胞から処理した抗原を提示され、受容体を持ったリンパ球がクローン増殖して細胞性免疫や抗体産生を行います。またできた抗体で好塩基球はアレルギー反応を、好酸球は寄生虫などへの反応を起こします。さらに抗体は異物に結合し補体を介して貪食化(オプソニン化)を促進します。貪食能を持った細胞(マクロファージや樹状突起細胞)は、単に異物を食べるだけでなく、抗原提示をして免疫の主役の細胞達の活躍を誘導します。

 

2胚葉:どのようなものか?中胚葉が形成されないで、内胚葉と外胚葉由来の細胞から構成

  される動物です。クラゲやヒドラやイソギンチャクなどが、刺胞動物に属します。形は  放射相称で、食性は動物食性です。接触したものを、刺胞で刺し、捕食します。 肛門は  無く、排泄物は、口から排出します。触手には刺胞という細胞小器官があり、これを外  敵などに刺して、外敵から身を守ったり、食物を捕食したりします。神経細胞は存在   し、散在神経系です。

肺魚:肺を持ち、肺呼吸を行うことができる魚、すごいですね。両生類的な特徴を持つ魚 

  で、肉鰭(にくき)綱の肺魚亜綱に属します。約4億年前のデボン紀に出現しました。現  生種は全て淡水産で、オーストラリアハイギョ1種、ミナミアメリカハイギョ1種、アフ  リカハイギョ4種の、計6種のみが知られ「生きている化石」と呼ばれています。

 

働き蜂(成虫)の食物はなんですか?:働きバチの食物は、蜂蜜と花粉です。エネルギーを

 つくりだす糖を主成分とする蜂蜜が主食、蛋白・ビタミン・ミネラルなどを含む花粉は

 おかずといえます。

 

働き蜂働き蜂の役割にはどのようなものがあるか:働き蜂は群が必要とするほとんどの仕事をします。仕事の種類は成虫になってからの日数を追って変化します。内勤と外勤とに分かれていますが,内勤の間では,育児(ミルク分泌),造巣(蜂ろう分泌),貯蜜(酵素分泌)の3つが体の変化に伴う大きな流れとなります.外勤蜂は、一番日齢の進んだものとなることで,働き蜂が減りにくい分業構造となっています。

 

働き蜂と女王蜂の寿命の差があるのはなぜか。女王バチは分蜂し、新しい巣作りを始めると、数年間にわたって卵を産み続け巣を維持します。そのため女王バチの寿命は数年間にわたります。他方、働きバチの寿命は1か月程度です。女王バチが11000 ~2000 個の卵を産み、1つの巣が40000~80000匹の働きバチで維持されるとすれば、平均60000÷150040日くらいで回転するのが理想的といえます。ゲノム的には働きバチも女王バチも違わないので、ローヤルゼリーで成長し大型になった女王バチでは、遺伝子のメチル化やヒストンのアセチル化、あるいはテロメアの修復など、遺伝子配列とは関係しないエピジェネテックな変化により、長寿命化したのではないかと考えられています。

 

ヒートショック蛋白:ショック蛋白質(Heat Shock ProteinHSPは、細胞が熱等のストレス条件下にさらされた際に発現が上昇して細胞を保護する一群の蛋白質です。蛋白分子が、リボゾームで合成され、小胞体で折りたたまれて高次構造を作る時に、分子シャペロン(折り畳みをする分子)としても機能します。

 

ヒヤリノ細胞。貪食能がないのにどのように貪食系に関わりますか?: Hyalinocyte は、甲殻類や二枚貝の血液細胞です。エビでは、全血液細胞の515%で、細胞質に比して小型の核を持ち、細胞質に顆粒を持たず、貪食能もありませんが、主に凝固系と貪食系に関連します。しかし、貝類(シンカイヒバリガイ)では、ヒヤリノサイトは、細胞の直径が10~15μm 1μm 程の顆粒を持ち、全血球の15%を占め、一部の細胞(1/4くらい)は、貪食能を持っています。また、直接的に貪食能のないリンパ球でも、マクロファージや好中球のような貪食能を持つ細胞を集めたり、活性化・増殖を誘導したり、あるいは抗体(or補体)のような異物にくっついて貪食させる(オプソニン化、料理する)分子を生産するなど、貪食系に関連する役割を果たします。ヒヤリノサイトにも似たような機能があるのかもしれんせん。

 

プロフェノール:これはどのような役割があるのですか?酸化されることで何が起こり

ますか?エビの血漿中の顆粒細胞が持つプロフェノール酸化酵素の役割は以下のように考えられています。プロフェノール酸化酵素系は、節足動物の防御機構において主要な役 割を果たしています。プロフェノール酸化酵素活性化は、ベータ-1,3-グルカン、リポ 多糖類、ペプチドグリカンなどの細菌や真菌が持つ微生物起源の化合物が微量に存在す ることによって引き起こされます。プロフェノール酸化酵素はトリプシンで開裂し、  フェノール酸化酵素となり、フェノール酸化酵素の活性化は、Caイオンとセリン蛋白 分解酵素で起こります。フェノール酸化酵素の活性化と同時に、抗菌作用、細胞傷害作 用、病原体貪食作用化(オプソニン化)、または被包化促進活性を有する因子の生成な ど、自然免疫反応が生じます。また、無脊椎動物における主要な先天性防御システム  は、病原体および損傷組織のメラニン化で、この重要なプロセスはフェノール酸化酵素 によって制御されています

 

ペテスマ外生殖口ペテスマの意味:ペテマ(petesma)といい、エビの外部生殖付属器です。甲殻類の雄がPetesma masculine, 甲殻類の雌がThelycumというようです。雌では精子を受け取る口で、腹肢の付け根にあり、いつもは閉じています。

 

ペプチドグリカン認識蛋白···何をするものか。真正細菌の細胞壁はペプチドと糖を組み合わせた高分子から出来ています。ペプチドグリカン認識蛋白(受容体)は、細菌の侵入を認識し、生体防御系にシグナルを送る役目をする蛋白群です。

 

ヘモグロビンは脊椎動物だけですか?ミツバチにはないのですか?脊椎動物を含む脊索動物門では、脊椎動物亜門の動物だけがヘモグロビン(Hb)を発現すると考えられていました。しかし、頭索動物亜門の動物(ナメクジウオ)に発現したHbが見つかりました。Hbは、ナメクジウオの筋原組織および脊索に見られました。脊索および筋原組織のHbは、それぞれ約19kD2分子が非共有結合した二量体分子でした。脊索中のHbは、0.036kPa0.27mmHg)のPsOを有する比較的高い酸素結合性を持っています。脊索中のHbは、脊索の機能に必要な持続的な収縮を支持し、高レベルの好気性代謝を維持するために、酸素輸送を促進し、脊索細胞内に短期的な酸素貯蔵をもたらすのに関与していると思われます。後生動物の中で、Hbは、33門の動物うち12門に存在することが知られています。脊索動物門では、Hbは脊椎動物でほぼ普遍的に表現されているが、尾索動物亜門(ホヤ)には、ヘモグロビン遺伝子はありません。

 

歩行類歩くが、遊泳類のように泳ぐことはできないのか?歩行エビは、比較的大型で、背

 中が少し曲がっています(イセエビやロブスターなど)。水底を歩くのに適しており、やや横に平たい体型(横偏型)です。遊泳エビは、比較的小型のエビ(クルマエビ、アマエビなど)が多く、縦にやや平たい体(側偏型)で、腹部の脚が遊泳用に発達し、水中を泳ぐのに適した体型となっています。歩行エビも泳げないわけではありませんが、通常は水底を歩く行動をとります。

 

ミツバチ社会:免疫不全な状態で高密度でも感染症ですべてやられないことが不思議です。巣に40000から80000匹のミツバチがいるのなら一気に全滅し、他の巣にも広がっていきそうです。どのように感染症から免れているのかは、まだよくわかっていません。しかし、世界中では時々、蜜蜂の群崩壊症ということが起こります。突然、蜜蜂のコロニーが崩壊して、蜜蜂がいなくなってしまう現象です。感染症や農薬などの環境汚染、異常気象などの複合的な要因ではないかと考えられています。

 

ミツバチの腸:ミツバチの直腸、中腸は、なぜ発達しているのですか。ミツバチでは食道は

 蜜嚢に繋がり、ここに蜜を貯めます。さらに胃孔と前胃を経て中腸に続きます。胃孔で

 は花粉のような固形物だけが分別されて中腸に送られます。中腸は栄養分の消化吸収

 を行う専門部位です。前腸と後腸は外胚葉ですが、中腸は内胚葉性です。後腸は細く短く直腸に繋がります。直腸は大きく,排泄物を巣箱外に排泄するまで貯えるための大きなスペースを持っています。直腸の上皮細胞は肥厚していて水分の再吸収や塩類イオンのバランス調節もしています。

 

ミツバチは、集団でいるのに感染症になって巣が全滅するなどといったことがないということですが、他の昆虫も感染症にかからないのですか。虫が感染症にかかったというのを聞いたことがありません。ミツバチの巣は時に全滅します。また昆虫類もウイルス、細菌、原虫、寄生虫症になります。

 

リゾチーム:酵素です。真正細菌の細胞壁を構成するペプチドグリカンを加水分解する酵素です。その作用があたかも細菌を溶かしているように見えることから溶菌酵素(lysis-enzyme, lysozyme)といわれます。厚い細胞壁をもつクラム陽性菌に有効です。ヒトでは涙や鼻汁、母乳などに含まれています。

 

リポ多糖体:グラム陰性細菌のところでやりましたよ。Lipopolysaccharide, LPSは、脂質と多糖から構成される高分子で、グラム陰性菌の外膜の構成成分です。LPSは内毒素(Endotoxin)であり、ヒトや動物など他の生物の細胞に作用すると、多彩な生物活性を発現します。重症例ではエンドトキシンショックを起こします。LPSの生理作用発現は、Toll様受容体 (TLR) 4を介して起こります。

 

ローヤルゼリー···これを貰ってどうするのか、食べるなら他のものでは駄目なのか女王バチを育てるために使われる物質です。通常の花粉や蜜は、働きバチやその幼虫が育つのに使われます。ローヤルゼリーで育った女王バチは、体も大きく、圧倒的に長寿命で、沢山の卵を産み、分蜂して新しい蜜蜂社会を作っていきます。

 

 

 第5回はいよいよ脊索動物から脊椎動物(無顎類から顎口類)の登場です。ナメクジウオからヌタウナギへのジャンプ、軟骨魚類から硬骨魚類へのジャンプは、神経系、泌尿器系(浸透圧調節系)、免疫系にどのような変化を産んだのでしょうか?最後には肉鰭類が陸上に上がる準備を始めます。ゲノムの進化についてもここで説明したいと思います。

 

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

オリジナルの写真です

 

娘のドイツ時代のカーニバルの写真です。大家さんは子ネズミちゃん「モイスヒェン」といっていました。

下の人形は妻の作品です。

先日、妻の作品が創刊700号記念家庭画報大賞の佳作に入りました。

題「何して遊ぼう」です。