2020年に獣医学部2年生の家禽疾病学第4回の対面授業でインフルエンザウイルスの増殖様式と抗ウイルス薬の作用機序の説明をしたので、掲載しておきます。講義内容はYou Tubeに該当部分を抜き出して載せました。

https://www.youtube.com/watch?v=AsDcr6mpNB8

・2017年3月に宮城県(3月24日)と千葉県(3月24日)で発生し、今回の流行では4月2日現在、9道府県で12件です(青森県、新潟県、宮崎県が各2回)。殺処分の総数は約167万羽となりました。

・2017年2月5日現在では、日本は7道府県で10件(農家)です。

 2016年11月28日、12月2日青森県、11月29日、11月30日新潟県、12月16日  

 北海道、12月19日、2017年1月24日宮崎県、12月27日熊本県、1月14日岐阜県、

 2月4日佐賀県。他方、韓国では340件、処分した羽数は3281万羽です。

・韓国は既に2400万羽の処分となっています。

・韓国の高病原性鳥インフルエンザ(H5N6)の流行は小康状態に入った様子ですが、 

 2017年1月7日現在の韓国での家禽の流行は、309件(アヒル132件、ニワトリ170

 件、他にウズラなど)で処分数は3054万羽という大変な状況です。

2016年11月に始まった野鳥による高病原性鳥インフルエンザの持ち込み(H5N6)によるニワトリ(家禽)への流行は、韓国と違って日本ではうまく回避できるかと思いましたが、ダメでした。11月中旬から野鳥で検出が始まったとともに鶏、アヒルへの感染が明らかになりました。

青森県(1128日)

青森市の農場で食用のアヒルから鳥インフルエンザが検出された。それに伴いアヒル16500羽殺処分が行われた(正式には1.8万羽)。

新潟県(1129日)

関川村の養鶏場の鶏について遺伝子検査を行い、高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出。新潟県は養鶏場の鶏31万羽の殺処分を開始24 時間以内に殺処分し72 時間以内に埋却か焼却処分する方針。31万羽(採卵鶏)

新潟県(1130日)

上越市の養鶏場で鶏約100羽が死んでいるのが見つかり、 簡易検査したところ、鳥インフルエンザの陽性。養鶏場では約23万羽を飼育しており、29日に40羽ほど、30日午前 
60羽ほどが死んでいた。県が連絡を受けて7羽を簡易検査し、うち6羽から陽性。

24万羽殺処分(採卵鶏)

青森県(12月2日)

青森市でフランスカモ(アヒル)4700羽処分

北海道(12月16日)

清水町で発生、28万羽処分(採卵鶏)

宮崎県(12月19日)

川南町の養鶏場で複数の鶏の死亡が確認された。H5N6陽性。12月23日に鶏約12万羽の埋却を終えた。12万羽殺処分(肉養鶏)

熊本県(12月26日)

熊本県南関町の養鶏場のニワトリから「H5型」の鳥インフルエンザウイルスが検出。南関町,9万2千羽処分(採卵鶏)

岐阜県(2017年1月14日)

岐阜県、山形市の養鶏場のニワトリ陽性、8万1千羽処分(採卵鶏)

宮崎県(1月24日)

木城町の養鶏場で陽性、17万羽処分(肉養鶏)

佐賀県(2月4日)

江北町の養鶏場で陽性、7.1万羽処分(肉養種鶏)

宮城県(3月24日)

栗原市の養鶏場で陽性、22万羽処分(採卵鶏)

千葉県(3月24日)

旭市の養鶏場で陽性、6.2万羽処分(採卵鶏)

2016年の高病原性鳥インフルエンザの流行はH5N6亜型のようです。このウイルスはスライドで示したように、2013年の中国での分離が、今回の流行の最初のようです。インターネットで調べてみました。

2014年:中国、ラオス、ベトナムの家禽

HPAIH5N6亜型は、中国で2013 12 江蘇省鎮江市の生鳥市場で採取したサンプルと 2014 3 月に広東省のアヒルから分離されている(OIEへの報告はなかった)。家禽に重度の臨床症状と死亡を引起す事例となった H5N6 による最初の家禽発生例は中国四川省南充市で起こり、ハルビン獣医学研究所で確認された(RT-PCR とウイルス分離)。この事例は2014 5 OIE に報告された。その後、ラオスとベトナムは家禽における H5N6 発生を、それぞれ、2 件と 7 件報告した。ラオスでは 2014 3 月、ベトナムで 2014 4 月。2014 10 に中国は最東部の黒竜江省から南西部のチベットまでの12 省における家禽と環境の 24 サンプルが陽性となっ た(OIE へ報告した)。

2016年:韓国の家禽

201611月韓国農林畜産食品省は18日、南西部の全羅南道海南の養鶏場と、中部の忠清北道陰城のアヒル飼育場でH5N6H亜型のPAIウイルスを検出したと発表。1028日以降、中部の忠清南道天安などで見つかった複数の渡り鳥の糞などからも同型のウイルスを検出したと明らかにした。韓国でH5N6亜型のウイルスが見つかったのは初めて。陰城では他に3カ所の養鶏場などで家禽が感染している可能性があるといわれている。養鶏場とアヒル飼育場はいずれも16日に保健当局に鶏などが大量死したと連絡し、17日に感染が判明。保健当局は、鶏など約6万2千羽を殺処分。聯合ニュースによるとさらに約23万5千羽の処分を決めた

2016年 中国:人

201668日付けで公表されたWHOの情報、中国の国家衛生・計画出産委員会は2016530に新たにH5N6の感染者1人を検査確認したことをWHOに報告した。50歳、男性。湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治区の住民で、523日に発症。528日に、病院に搬送され、重篤症状を示した。

201611月新華社電によると、中国湖南省の衛生当局は21日、湖南省邵陽市の47歳の女性がH5N6亜型に感染し、18日に入院、20日に死亡したと明らかにした。女性は発病前、死んだ鳥と接触があった。H5N6亜型の人への感染は珍しいが、中国では201512月に江西省で死亡した男性がH5N6亜型に感染していたことが確認された。

 2016年 日本:野鳥

秋田市の動物園で死んだコクチョウ2羽(1115日、17日)、鹿児島県出水市の水田から採った水(1114日採取、18日診断)、死亡したツル(1122日診断)、鳥取市のコガモのフンで検査を実施(1115日採取、21日診断確定)。HPAIH5N6亜型のウイルスを検出している(国内事例なので国の機関の報告や新聞等でも詳しくのっています)。

2016年11月8日に千葉県で「鳥インフルエンザの近況と危機管理」に関する講演しました。

(以下のスライドです)。講演の直後にH5N6亜型の韓国での流行が報道されました(上述)。そして日本でも野鳥で陽性例が出始めました。

鳥インフルエンザの近況

鳥インフルエンザの流行は、2015年の世界動物保健機関(OIE)のマップから明らかなようにアジア、欧州、アフリカ、アメリカ、オーストラリアと、すべての大陸で発生している。直近の世界食糧農業機関(FAO)の警告では、ロシアでの水禽のH5N8の流行が、カスピ海、黒海、西ヨーロッパに拡大する危険性を指摘(2016, 09.26)している。また、H5N1の流行が中東で拡大することを懸念しており(FAO, 2016, 09. 26)、イラク、レバノンで発生、周辺国の政情不安等で流行の拡大の危険性を指摘している

中国

2013 年以降、H5N1亜型とそれ外のウイルスによる HPAIが継続して発生。201312月河北省の家禽農家でH5N2亜型のHPAIが流行。20134月~20146912自治区の生鳥市場等で家禽と鳩で、LPAIの発生確認(H7N9亜型。43件発生、108症例、1羽死亡、354,376羽を淘汰。20144月四川省の家禽農家でH5N6亜型のHPAIが、20158月広東省でH5N6 亜型発生。20149月遼寧省と畜場と湿地の環境サンプルでH5N8亜型のHPAIが中国で初めて確認された。20146月の河南省における発生(H7N9亜型)。FAO は中国を HPAIH5N1 亜型)が定着している 6か国(他にバングラデシュ、エジプトインド、インドネシア及びベトナム)の一つとして位置付けた。

 

韓国

初めてのHPAIは、2003年忠清北道、陰城郡(うむそんぐん)のブロイラー農場で発生(H5N1 亜型)。その後、20043月まで10市・郡19 農場で発生。H5N1 亜型の流行は200611月~ 200735 市・郡、7 農場で発生。 20084月~ 5月まで 19 市・郡・区、33 農場で発生(H5N1 亜型)。201012月 ~20115月まで 25 市・郡 53 農場で発生(H5N1 亜型)。その後、家禽、野鳥で、低病原性鳥インフルエンザ(LPAI)が 2011 年まで継続的 に発生。20141月~7 月 41 市・郡 212 農場で発生(H5N8亜型)。20149月に再び発生し、以降 20156月までに 34 市・郡・区 162 農場で発生(H5N8 亜型)。 20156月以降、約 2ヶ月間発生は確認されていなかったが、同年914日再び発生し、922 日までに5 市・郡・区 7 農場で発生(H5N8 亜型)。

 

 高病原性鳥インフルエンザの流行が感染鶏群の淘汰で終わらないで、野鳥が直接的に高病原性株を持ってくる流行パターンが常態化するときには、完全なリスク回避は不可能になります。これまで鳥インフルエンザの危機管理は、「備えあれば憂いなし」としてきましたが、最近は定量的に「備え多ければ、憂いすくなし」ということにしました。感染症の危機管理は難しいものです。

 

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

オリジナルの写真です

 

娘のドイツ時代のカーニバルの写真です。大家さんは子ネズミちゃん「モイスヒェン」といっていました。

下の人形は妻の作品です。

先日、妻の作品が創刊700号記念家庭画報大賞の佳作に入りました。

題「何して遊ぼう」です。

 

妻が、稽古に通い、粘土で作った作品です。昨年、東京フォーラムで、他の生徒さんと一緒に展示されました、「仙人草」

(水やり不要です)。

妻の人形作品です。

ドイツ時代の香代の幼稚園の友達です

ある夏のスナップです。妻の父母、娘、甥たちの集合写真から作りました。