最近、One World, One Healthのスローガンは、次第に世間に認められるようになってきました(One World, One Healthの項目を見てください)。

 しかし、One Medicine、あるいは One Medicine, One Healthの概念は、あまり紹介されていません。Zoonosisを造語したルドルフ・ウイルヒョウから獣医疫学のカルビン・シュワーベをへて確立されたOne Medicineのコンセプトは、One Healthの基盤となっています。ここで紹介しようと思います。

 

 

 One Medicine は、家畜という「経済動物の群れ」に関する感染症コントロールを目的とする獣医学と人の公衆衛生や疫学のように、やはり「人の群れ」を対象にする医学の共通性が高いことから、両者で学問のアプローチ、フィールド科学、経験知を共有すべきであるという考えです。

 

 他方、人の伝染病はヒトからヒトへの感染症であり、医学部で教える。家畜伝染病は家畜から家畜の感染症で獣医学で教える、という住み分けで進んできました。しかし、動物からヒトに感染する動物由来感染症は、医学と獣医学が連携して初めて統御可能という、ルドルフ・ウィルヒョウのZoonosis(動物とヒトの感染症、あるいは動物由来感染症)という考え方から、カルビン・シュワーベのOne Medicine を経て進んできました。20世紀後半からの新興感染症の爆発的流行のほとんどが野生動物由来である事実をうけ、ヒト、家畜、野生動物の健康は一つというOne Healthという考え方が有力になりました。

 

 One Healthは、さらに、動物の健康は一つという考えから発展して、動物の健康の基盤となる環境の健全性が重要という視点になりました。その結果、Human Health, Animal Health, Environmental Healthという保全医学(Conservation Medicine)に纏め上げられていきます。

 

 環境の健康という側面をより明確に示し、原生自然、生物多様性(微生物を含む)、水・空気・土壌などの清浄性の重要性を指摘したのがOne Worldのマンハッタン原則といえます。食、資源、エネルギー、環境・生命循環は一つの世界を形成している。これらを適正に維持し、持続可能な社会を確立することが目標となります。ここでは医学、獣医学の連携のみならず、分野を超えた新しい学際的なアプローチが必要であることが強調されています(One World, One Health)。

 

 現在の医科学で考えると、One Medicineは、加藤先生の指摘するように、学問分野の類似性だけでなく、また感染症の予防・統御だけでなく、多くの疾病の創薬開発あるいは検査やイメージング科学のような診断技術、治療・治療効果の判定など、広い分野の医科学がOne Medicineであり、特に研究室から臨床へ、動物でのリスク評価からヒトへという(基礎から臨床へ、動物からヒトへという2重の橋渡し医科学)トランスレーショナル・メディスの根幹がOne Medicineといえます。その意味では獣医学、薬学、医学、(工学、農学)などを統合した、トランスレーショナル・メディカル・センター:Translational Medical Center のような新しい組織が必要となると思います。

 

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

オリジナルの写真です

 

娘のドイツ時代のカーニバルの写真です。大家さんは子ネズミちゃん「モイスヒェン」といっていました。

下の人形は妻の作品です。

先日、妻の作品が創刊700号記念家庭画報大賞の佳作に入りました。

題「何して遊ぼう」です。