人獣共通感染症の講義は、スライドが多すぎて1項目に入りませんでした。9回までを人獣共通感染症1、とし第10回からを人獣共通感染症2としました。

 第10回は、ウイルスに続き人獣共通感染症を細菌からまとめ直してみました。細胞壁のない唯一の細菌であるマイコプラズマが固い細胞壁をもったファーミキューテス門の細菌由来であったこと、リケッチアがα―プロテオバクテリアでミトコンドリアの祖先に近いこと(偏性細胞内寄生という点では共通性がある)、哺乳動物のクラミジアが環境クラミジア(アメーバ―等に寄生する古いクラミジア)のゲノムサイズの半分くらいの大きさであること(高等動物の免疫系から逃れるためエピトープとなる遺伝子や細胞内寄生により必要としなくなった遺伝子等を欠損)。そして29門ある真正細菌のうち、大半はヒトの生活と関係ない世界で生きており、ヒトや動物、あるいは動物由来感染症を起こす細菌は、プロテオバクテリア門など、少数の細菌群であることがわかりました。

 

 

 BSL2の細菌には、沢山の種があります。通常はアルファベット順やアイウエオ順などになっています。しかし、細菌から見た生物分類を基準に、細菌の門、綱、目、科などに沿って分類する必要があると思います。そのほうが全体像が見えてきます。いつか、時間をみて整理してみたいと思います。

 

 

 真正細菌の分類は、ゲノムによる系統樹が基本ですが、グラム染色性、水棲・陸棲、呼吸(嫌気性、好気性)、独立栄養・従属栄養、形態などいろいろな分類法があります。動物由来感染症の病原体やベクター媒介(吸血昆虫による)の病原体等も分類の特徴の一つです。

 

 モネラ界(真正細菌、古細菌)の中で、真正細菌だけでも28門(29門?)におよぶ膨大な世界です。例えば人は、通常動物界、脊索動物門、哺乳綱、霊長目、ヒト科、ヒト属、ヒト(Homo sapiens)であり、1つの門、脊索動物門(脊索動物:前索動物、後索動物、脊椎動物の無顎類、顎口類:魚類、および両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類)に入ります。ほとんどの多細胞高等動物がこの1門に入りますが、この規模の多様性が30門弱あるというのが、細菌です。よく考えると、とてつもない世界です。

 

 第11回の講義は原虫(病原性原生動物)、真菌類、寄生虫です。真菌類ではほとんどの病原体は子嚢菌です。何故、子嚢菌が主流なのかは、まだ不明です。真菌類からは除かれましたが卵菌類及び水カビ(ツボカビ門)の多くが水棲であったのに対し、デボン紀からシルル紀にかけて、植物、動物が陸上に上がった時、真菌類も植物、動物とともに陸上に上がったと思われます。ツボカビ、接合菌、子嚢菌の一部が、皮膚や腸内菌として動物と共に生活し、担子菌などは環境や植物と共に生活するようになったからかもしれません。もう少し突っ込んで調べてみる必要があります。

 

 

 次回は、人獣共通感染症の事例研究として、デング熱を取り上げます。これまでに習った病原体分類ではウイルス、自然宿主はサル類及びヒト、媒介ベクターは蚊です。それぞれの生態学的特性の組み合わせはどのようになるのか?なぜヒトー蚊ーヒトという感染経路が成り立つのか?R0は?対処法および予防、診断、治療方法は?などを考えています。

 

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

オリジナルの写真です

 

娘のドイツ時代のカーニバルの写真です。大家さんは子ネズミちゃん「モイスヒェン」といっていました。

下の人形は妻の作品です。

先日、妻の作品が創刊700号記念家庭画報大賞の佳作に入りました。

題「何して遊ぼう」です。