春②学期の授業が始まりました。獣医保健看護学科、VPP分野(獣医関連専門家分野)で、獣医法規を教えることになりました。個人的には、感染症法の制定狂犬病予防法の大改正に委員として関わってきましたし、食品安全委員会では食品安全基本法にも関係してきた経験から、獣医師および獣医関連専門家には獣医(事)法規の理解が必須であることを痛感しました。また、しばしば獣医の関連する法律の多さに戸惑ったこともあります。

 我々の学生時代には、大学で獣医事法規を学ぶ機会は全くありませんでした。新しい学生さんたちは大変ですが、1年生から獣医事法規を学ぶ機会があることは幸いです。なるべく学生さんたちが興味を持つようなプレゼンテーションができればと思います。動物看護学教育標準カリキュラムに準拠した「動物医療関連法規」をもとに、自分の体験した関連事例などを加えて講義します。退屈しないように。

 

 現代人の科学「生物進化」に習って、学生さんたちと授業後にメールで、「わかった単語3つ」、及び「理解できなかった単語3つとその理由」を送ってもらいました。現代生物進化以上に、自分でも理解しにくい単語があり、勉強になりました。

 

アナーキーとは?国家などの社会集団において支配や統制が無い状態のことです。1840年にピエール・ジョゼフ・プルードンが新しい政治思想であるアナキズム(無政府主義)の用語として使用しました。

規律と規範は、規律は人の行為の基準として定められたもので、ルールではない。規範は人と人との関係に関わる判断・評価などの基準のことで、見本となるようなものでルールである。であっているでしょうか。「規」は正しい円形を描く道具に由来する言葉です。正しいという意味に使われます。「範」は物事をきまった形につくるための型のことです。従って規範は「正しい習うべき型」のような意味、見習うべき(should be)になります。「律」は「物事を行う基準となるおきて」ですから、規律は「正しい基準となる掟」、守らねばならない、のようなニュアンス(must be)になると思います。

「政令」→法律に次ぐ効力を持っているもの、なのに獣医療法施行令は政令。上の方じゃないのって何でですか?そういうもの、ならそれで納得します。政令は内閣(閣議)で決定する法令で、立法府の国会で決めた法律よりは下位になりますが、省庁で決める省令(規則)よりは上位です。法律の内容は一般に漠然とした書きぶりなので、それを実行するために内閣で法律を施行するための命令を出すのが政令です。それを該当する省庁がうけて、さらに細かく規約をきめて出すものが省令です。多くの法律は省令レベルでやっと現実に実行できる具体性が出てきます。通常はそれに、いろいろなケースを想定して解釈本や解説書が付きますし、地方自治体に投げられると条例になります。

「類推解釈」→近い物事の2つから1つの規定と同じ趣旨の規定が他にあるものとして解釈すること。これは両方似てるけど両方当てはまるって事ですか。この説明文は、正しいでしょうが、非常にわかりにくい説明文です。文字通り「類推して解釈する」ことです。この場合は、法文で規定されている内容と、その法文の適用が問題となっているがその法規には含まれない事実との間に、類似ないし共通の性質があることを理由として、前者(法文)に関する法規を後者(事実)に適用することです。類推解釈が成り立てば、両者は似ている(共通性がある)ということになります。

一般慣行、慣習国際法(国際慣習法)なのにどうして慣行なのか?国際法は条約のように成文化されたもの以外は、慣習国際法になります。国の違い、文化の違い、生活習慣の違いなどを調和して国際的に受け入れられるには、長い間不文法として法規範性を持つ必要があります。国際社会では、国内の議会のような立法機関はなく、国際法の拘束力は国家間の合意によります。一定の行為(行動様式)について、国際的に行われている慣行(一般慣行といいます)が多数の国によって法的に義務的又は正当なものとして認められる(法的確信がある)ときには、慣習国際法が成立し、原則として国際社会のすべての国家を拘束することになります。「国際(一般)慣行法」といってもいいですね。きっと日本の法源の時に「慣習法」という言葉を用い、「慣行法」と言わないので、「国際慣習法or 慣習国際法」というのではないでしょうか。

慣習国際法と条約の違いは何ですか? 国際法には条約と慣習法があります。条約は成文法で  

す。慣習法は不文法で、長年、多数の国家間で遵守されてきたルールは、それが明文化されてなくても「国際慣習」として、みんなが守るべきルール(慣習国際法)になり得ます。

 

慣行、慣習の違いがいまいちわからない。慣習よりも狭い社会でのルールのことなのか?習慣と慣習は、通常の生活において繰り返し行われる行動様式のうち、どちらかと言えば習慣が個人的な、慣習がより広い社会的な行動様式として使い分けられています。他方、慣習と慣行はそれほど、明瞭な違いが無いようです。しいて言えば、慣行は一定の地域や集団において、一定の生活目的のために特定の機会に行われる行動様式(例:婚姻慣行、葬送慣行、取引慣行、労使慣行)を指して用いられます。やや硬いルールで、規律的な要素があるように思います。他方、慣習は、ある社会で古くから受け継がれている生活上の習わしのように、特定の目的というよりは様々な機会に適用できる言葉で、より広範に用いられるようです(例:大晦日には年越しそばを食べるのが慣習です。お祭りには提灯を飾るのが慣習です。など)。

慣習の意味はわかりましたが慣習法がよくわかりません:社会に存在する一定の慣習のうち、それが一般に法的拘束力があるものと意識されているもの(法的確信を伴うもの)を判決の根拠(法源)にする場合を慣習法といいます。

高次元の規範とは?自然法は普遍的な正しさと妥当性を持つ、他方、実定法は、その時点に適合する限定的な正しさと妥当性しかもたないとする考え方。そのため自然法のほうが実定法よりもより高い原理であるとして、高い次元の規範と位置付ける考え方。

交布と施行はなぜ同じタイミングで行われないのか。いきなり施行するのはいけないのか。実例のほうが分かりやすいです。選挙権の年齢が18に引き下げられる法律ができました。平成276月に公布され28619日に施行されました。法を執行するのに、これまで選挙権のなかった18歳、19歳の人、次の選挙で投票権を持つ可能性のある17歳(以下)の人にも選挙の意味、投票の意義、投票方法等、高校の授業などを通してわかってもらう時間(周知期間)が必要です。

後法優位の原則:カテゴリーを同じくする複数の制定法が適用可能な事象では,後法優越の原理と特別法優先の原理が存在します。後法優位の原理は〈後法は前法を破る〉ということであり,たとえば,同じことがらについて後から別の規定を有する法律が制定された場合には前法より後法が優先するというものです。判例法は不文法ですが、基本的には後法優位の法と言えるのではないでしょうか。

自然法、「自然法とは時を超え場を超え普遍的に妥当とする正しい法律」とありますが、憲法もこのようなイメージをもちます。それはどのような差があるのでしょうか。自然法の哲学は憲法よりも根源的と思います。自然科学でいえば法則(質量普遍の法則とかいったもの)に近い考え方ですが、法が人間社会の規律であることを考えると、自然法というのは少し観念的すぎるようにも思います。自然科学で自然法的なものが成り立つのは、必ずしもヒトを根底に置いていないからでしょう。

自然法について、細かくお教え願いたいです。自然法の具体的な法律もお願いいたします。自然法は法の理念のようなもので、実際の法律として成文化されている例はないかもしれません。法源でいうなら条理的なもの?自明の理?あるいは、文としてあるのであればモーゼの十戒?のようなものでしょうか。モーゼの十戒のうち、最初の神との契約事項等を除く、後半の五戒~十戒は人としての戒めにあたります。「あなたの父と母を敬え。あなたは、殺してはならない。あなたは、姦淫してはならない。あなたは、盗んではならない。あなたは、隣人について、偽証してはならない。あなたは、隣人の家をむさぼってはならない。」です。

実定法、「実定法とは現実に人間社会で定立され行われている法」とされていますが、これはその 

時代で議員の判断により変化を繰り返すものなのでしょうか?法を改正すれば代わっていきます。実定法は実際に実行されている法ですから、議員にかかわらす、また成文法、慣習法、判例法のいずれでも変化し得ます。相対的に考えると条理や自然法は変わりにくいとは思います。

実定法は、普通の法令や憲法とはまた違う種類の法律なのか。いいえ、分類の仕方の違いです。実定法の対語(対義語)は自然法です。法は実定法と自然法に二分されます。普通の法令(政令、省令、条例)や法律、憲法はすべて実定法です。また、慣習法も判例法も実定法です。自然法は普遍的な正しさと妥当性を持つのに、実定法は、その時代に適合する限定的な正しさと妥当性しかもたないとする考え方があります。そのため自然法のほうが実定法よりも高い次元の規範と位置付けられています。

実定法と自然法についてですが、実定法は現実に人間社会で定立され行われている法律と教えていただきました。実定法の分類を説明していただいた際に具体的な法律もいくつか紹介していただきましたが、獣医・動物に関する法律の具体例はどのようなものがありますか。獣医師法、獣医療法、家畜伝染病予防法、感染症法、動物愛護と管理に関する法、ペットフード法、狂犬病予防法、と畜場法、食品衛生法・・・・その他これから習う各論の法律はすべて実定法です。

特別法優先の原則?質問はなぜ特別法が一般法に優先されるのか?一般法と特別法とで法が異なった規律を定めている場合、特別法の適用を受ける事象は一般法の規律が排除され、特別法の規律が適用されるとなっている。普通に考えると一般解のほうが特別解よりも広く適用できるので特別解を含むと思われるが?ということでしょう。しかし、実際を考えると、特別法を定める理由はさまざまですが、一般的にいえば、特別な分野に対しては一般的な法律の他にその分野特有の規律が必要であることから、特別法が定められるのが通例です。例外的な事象を特別法で定めると、その事象については、判決は一般法よりは特別法に従うほうが適切ということになります。

「条理」→条理とは道理のことであるのに判決を出す時は条理に基づく?(条理=道理って事ですかね?) そうですね。道理(人としての「ことわり」を説いた道ですから)でもよかったと思いますが、法学者が少し難しい言い回しを、「法律用語」として考えた?のかもしれません。

商法(一般法にも特別法にも当てはまるのはなぜか)商法は成文法の中の制定法です。基本的には、個人間の私的生活関係を規律する「私法」に分類されます。ここには。「民法」と「商法」が入ります。民法は、対象となる人、場所、事柄を具体的に限定しないで、一般的に適用されることが多く、一般法に入ります。他方、商法のカバーする範囲は広く一般法的な側面と、事例によっては、特定の人、地域、事柄について限定的に適用される法としての特別法的な側面があります。例えば、商法の一般法的事例は手形法、商法の特別法的な事例は、会社法です。

 

強行法規と任意法規:当該事象において、関係する当事者の意思にかかわりなく適用される法が「強行法規」です。刑法や行政法などの公法がこの適用例になります。他方、当事者の意思が法の規定と異なる場合、当事者の意思が優先する法が「任意法規」です。民法のような私法では任意法規の適用が多いことになります。

供託法:供託に関する法律です。明治32年法律第15号という古くからの法律です。「供託」は、お金や有価証券などを国家機関である供託所に提出します。差し出した財産の管理を供託所に委ね,供託所を通じて,それらの物を権利者に払うことにより,債務の弁済や裁判上の保証などにあててもらうために設けられた制度です。

実刑拘留で、執行猶予を付すことができないので実刑となる、とあるが、実刑とは何をするのか。実刑判決は猶予期間がなく、実刑判決が出た時点で保釈の効力もなくなり直ちに収監(監獄、刑事施設)に収容されます。刑の重さにより「死刑」「懲役」「禁錮」「拘留」が実行されます。

自由刑:自由刑は、受刑者の移動の自由を制限する刑罰です。具体的には、「懲役」、「禁錮」、「拘留」があります。刑事裁判の判決結果のほとんどを占める「懲役」と、「禁錮」には執行猶予が付きますが、「拘留」には執行猶予は付かず実刑判決のみです。

人事院、 主に何を行うところか?人事院National Personnel Authority)は、国家公務員法2章に基づいて設置された「中央の人事行政を行う機関」です。国家公務員に関する人事管理の公正中立と統一を確保すること、労働基本権の制約をうける代償機能を果たすため、a:行政委員会として人事院規則の制定改廃, b:不利益処分審査の判定, c: 給与に関する勧告など、広汎な人事行政を行っています。

 

親告罪どういうものか分からない。親告罪は、検察官が起訴を起こす時に被害者の告訴があることを必要とする種類の犯罪です。言い換えれば、被害者からの告訴がなければ検察が起訴することができない種類の犯罪です。この場合、捜査機関は単独で逮捕や捜査を進めることができません。例えば、強制的な猥褻(わいせつ)や強姦(ごうかん)による犯罪は、被害者にとって非常に屈辱的なことです。刑事手続きや裁判で、繰り返し事情聴取に応じたり、公の前で証言することは精神的にも負担が大きいものです。性犯罪での親告罪は、このように被害者の意思を尊重して設けられています。

民事責任で、私法上負う責任とはどういうことですか?民事責任とは、民法(私法)上の不法行為責任です。不法行為は、加害者が故意または過失により被害者の権利or 法律上保護される利益を侵害することです。このような加害者の被害者に対する不法行為は、同時に加害者の犯罪となる場合もあり、民事責任と刑事責任との区別が問題となります。刑事責任は、加害者がその行為の社会に対する責任を問われる(公法で裁かれる)のに対して、民事責任においては、加害者は被害者に対する責任(私法で裁かれる責任)を問われます。

行政法、内閣法などとあるが内閣法も分からない。内閣法は、内閣の職務権限、組織、行政事務の管理の分担や、行政関連の各部に対する指揮監督の大綱を規定した日本の法律(国会で立法

した法律です。行政法は「行政に関連する特殊で固有な法」ですが、行政法は「民法」や「商法」のように単独の法典が存在しているわけではありません。行政に関連する法律の総称をいいます。分かりにくいですね。

極刑の場合、「執行まで拘置される」とありましたが、執行猶予とは違うのですか?違います。執行

 猶予は、刑の執行を一時的に保留にするという意味で、刑事裁判の被告人に対する判決中に一  定の期間、他の刑事事件を起こさないことを条件として、判決の執行を猶予する制度です。そのた め拘置はされません。また、当該条件をクリアすると判決の効力が消滅することになります。極刑  はいつ執行するかは法務大臣が決定します。それまでの間、拘置されるもので、拘置期間が長く  ても極刑という判決はそのままです。消滅しません。

付加刑なぜ単独で科すことができない刑があるのか。付加刑は没収のことです没収は、刑法に

 おいて、犯罪に関係のある物(例えば凶器)の所有権を、犯人から国に移し、国庫に帰属させる司 法処分のことです。刑法では没収のみを付加刑と定めています。従って、刑法における司法処分  では、没収は主刑に付加してのみ科すことのできる刑となります。

刑、執行猶予はどのような仕組みなのか?執行猶予は、刑の執行を一時的に保留にするという意 

 味です。刑事裁判の被告人に対する判決中に一定の期間、他の刑事事件を起こさないことを条件 として、判決の執行を猶予する制度です。そのため拘置はされません。また、当該条件をクリアす 

 ると判決の効力が消滅することになります。従って、この場合には、最終的に刑は執行されませ

 ん。

動物関連法規第1回質問回答集

 

アナーキーとは?国家などの社会集団において支配や統制が無い状態のことです。1840年にピエール・ジョゼフ・プルードンが新しい政治思想であるアナキズム(無政府主義)の用語として使用しました。

 

一般慣行、慣習国際法(国際慣習法)なのにどうして慣行なのか?国際法は条約のように成文化されたもの以外は、慣習国際法になります。国の違い、文化の違い、生活習慣の違いなどを調和して国際的に受け入れられるには、長い間不文法として法規範性を持つ必要があります。国際社会では、国内の議会のような立法機関はなく、国際法の拘束力は国家間の合意によります。一定の行為(行動様式)について、国際的に行われている慣行(一般慣行といいます)が多数の国によって法的に義務的又は正当なものとして認められる(法的確信がある)ときには、慣習国際法が成立し、原則として国際社会のすべての国家を拘束することになります。「国際(一般)慣行法」といってもいいですね。きっと日本の法源の時に「慣習法」という言葉を用い、「慣行法」と言わないので、「国際慣習法or 慣習国際法」というのではないでしょうか。

 

慣行、慣習の違いがいまいちわからない。慣習よりも狭い社会でのルールのことなのか?習慣と慣習は、通常の生活において繰り返し行われる行動様式のうち、どちらかと言えば習慣が個人的な、慣習がより広い社会的な行動様式として使い分けられています。他方、慣習と慣行はそれほど、明瞭な違いが無いようです。しいて言えば、慣行は一定の地域や集団において、一定の生活目的のために特定の機会に行われる行動様式(例:婚姻慣行、葬送慣行、取引慣行、労使慣行)を指して用いられます。やや硬いルールで、規律的な要素があるように思います。他方、慣習は、ある社会で古くから受け継がれている生活上の習わしのように、特定の目的というよりは様々な機会に適用できる言葉で、より広範に用いられるようです(例:大晦日には年越しそばを食べるのが慣習です。お祭りには提灯を飾るのが慣習です。など)。

 

慣習国際法と条約の違いは何ですか。国際法には条約と慣習法があります。条約は成文法で  

す。慣習法は不文法で、長年、多数の国家間で遵守されてきたルールは、それが明文化されてなくても「国際慣習」として、みんなが守るべきルール(慣習国際法)になり得ます。

 

慣習(国際)法は、国内法として効力をもつと書いてありますが、国の立法機関で制定しなかったのかのはなぜか?(国際)社会に存在する一定の慣習のうち、それが一般に法的拘束力があるものと意識されているもの(法的確信)であるので、わざわざ国会で成文化した法律にする必要がなかったと思われます。

 

慣習の意味はわかりましたが慣習法がよくわかりません:社会に存在する一定の慣習のうち、それが一般に法的拘束力があるものと意識されているもの(法的確信を伴うもの)を判決の根拠(法源)にする場合を慣習法といいます。

 

強行法規と任意法規:当該事象において、関係する当事者の意思にかかわりなく適用される法が「強行法規」です。刑法や行政法などの公法がこの適用例になります。他方、当事者の意思が法の規定と異なる場合、当事者の意思が優先する法が「任意法規」です。民法のような私法では任意法規の適用が多いことになります。

 

行政法、内閣法などとあるが内閣法も分からない。内閣法は、内閣の職務権限、組織、行政事務の管理の分担や、行政関連の各部に対する指揮監督の大綱を規定した日本の法律(国会で立法

した法律です。行政法は「行政に関連する特殊で固有な法」ですが、行政法は「民法」や「商法」のように単独の法典が存在しているわけではありません。行政に関連する法律の総称をいいます。分かりにくいですね。

 

極刑の場合、「執行まで拘置される」とありましたが、執行猶予とは違うのですか?違います。執行猶予は、刑の執行を一時的に保留にするという意味で、刑事裁判の被告人に対する判決中に一定の期間、他の刑事事件を起こさないことを条件として、判決の執行を猶予する制度です。そのため拘置はされません。また、当該条件をクリアすると判決の効力が消滅することになります。極刑はいつ執行するかは法務大臣が決定します。それまでの間、拘置されるもので、拘置期間が長くても極刑という判決はそのままです。消滅しません。

 

供託法:供託に関する法律です。明治32年法律第15号という古くからの法律です。「供託」は、お金や有価証券などを国家機関である供託所に提出します。差し出した財産の管理を供託所に委ね,供託所を通じて,それらの物を権利者に払うことにより,債務の弁済や裁判上の保証などにあててもらうために設けられた制度です。

 

規律と規範は、規律は人の行為の基準として定められたもので、ルールではない。規範は人と人との関係に関わる判断・評価などの基準のことで、見本となるようなものでルールである。であっているでしょうか。「規」は正しい円形を描く道具に由来する言葉です。正しいという意味に使われます。「範」は物事をきまった形につくるための型のことです。従って規範は「正しい習うべき型」のような意味、見習うべき(should be)になります。「律」は「物事を行う基準となるおきて」ですから、規律は「正しい基準となる掟」、守らねばならない、のようなニュアンス(must be)になると思います。

 

刑、執行猶予はどのような仕組みなのか?執行猶予は、刑の執行を一時的に保留にするという意味です。刑事裁判の被告人に対する判決中に一定の期間、他の刑事事件を起こさないことを条件として、判決の執行を猶予する制度です。そのため拘置はされません。また、当該条件をクリアすると判決の効力が消滅することになります。従って、この場合には、最終的に刑は執行されません。

 

 刑、執行猶予はどのような仕組みなのか?執行猶予は、刑の執行を一時的に保留にするという意

 味です。刑事裁判の被告人に対する判決中に一定の期間、他の刑事事件を起こさないことを条件 として、判決の執行を猶予する制度です。そのため拘置はされません。また、当該条件をクリアす  ると判決の効力が消滅することになります。従って、この場合には、最終的に刑は執行されませ

 ん。

 

高次元の規範とは?自然法は普遍的な正しさと妥当性を持つ、他方、実定法は、その時点に適合する限定的な正しさと妥当性しかもたないとする考え方。そのため自然法のほうが実定法よりもより高い原理であるとして、高い次元の規範と位置付ける考え方。

 

 

交布と施行はなぜ同じタイミングで行われないのか。いきなり施行するのはいけないのか。実例のほうが分かりやすいです。選挙権の年齢が18に引き下げられる法律ができました。平成276月に公布され28619日に施行されました。法を執行するのに、これまで選挙権のなかった18歳、19歳の人、次の選挙で投票権を持つ可能性のある17歳(以下)の人にも選挙の意味、投票の意義、投票方法等、高校の授業などを通してわかってもらう時間(周知期間)が必要です。

 

後法優位の原則:カテゴリーを同じくする複数の制定法が適用可能な事象では,後法優越の原理と特別法優先の原理が存在します。後法優位の原理は〈後法は前法を破る〉ということであり,たとえば,同じことがらについて後から別の規定を有する法律が制定された場合には前法より後法が優先するというものです。判例法は不文法ですが、基本的には後法優位の法と言えるのではないでしょうか。

 

自然法、「自然法とは時を超え場を超え普遍的に妥当とする正しい法律」とありますが、憲法もこのようなイメージをもちます。それはどのような差があるのでしょうか。自然法の哲学は憲法よりも根源的と思います。自然科学でいえば法則(質量普遍の法則とかいったもの)に近い考え方ですが、法が人間社会の規律であることを考えると、自然法というのは少し観念的すぎるようにも思います。自然科学で自然法的なものが成り立つのは、必ずしもヒトを根底に置いていないからでしょう。

 

自然法について、細かくお教え願いたいです。自然法の具体的な法律もお願いいたします。自然法は法の理念のようなもので、実際の法律として成文化されている例はないかもしれません。法源でいうなら条理的なもの?自明の理?あるいは、文としてあるのであればモーゼの十戒?のようなものでしょうか。モーゼの十戒のうち、最初の神との契約事項等を除く、後半の五戒~十戒は人としての戒めにあたります。「あなたの父と母を敬え。あなたは、殺してはならない。あなたは、姦淫してはならない。あなたは、盗んではならない。あなたは、隣人について、偽証してはならない。あなたは、隣人の家をむさぼってはならない。」です。

 

実刑拘留で、執行猶予を付すことができないので実刑となる、とあるが、実刑とは何をするのか。実刑判決は猶予期間がなく、実刑判決が出た時点で保釈の効力もなくなり直ちに収監(監獄、刑事施設)に収容されます。刑の重さにより「死刑」「懲役」「禁錮」「拘留」が実行されます。

 

実定法、「実定法とは現実に人間社会で定立され行われている法」とされていますが、これはその 

時代で議員の判断により変化を繰り返すものなのでしょうか?法を改正すれば代わっていきます。実定法は実際に実行されている法ですから、議員にかかわらす、また成文法、慣習法、判例法のいずれでも変化し得ます。相対的に考えると条理や自然法は変わりにくいとは思います。

 

実定法は、普通の法令や憲法とはまた違う種類の法律なのか。いいえ、分類の仕方の違いです。実定法の対語(対義語)は自然法です。法は実定法と自然法に二分されます。普通の法令(政令、省令、条例)や法律、憲法はすべて実定法です。また、慣習法も判例法も実定法です。自然法は普遍的な正しさと妥当性を持つのに、実定法は、その時代に適合する限定的な正しさと妥当性しかもたないとする考え方があります。そのため自然法のほうが実定法よりも高い次元の規範と位置付けられています。

 

実定法と自然法についてですが、実定法は現実に人間社会で定立され行われている法律と教えていただきました。実定法の分類を説明していただいた際に具体的な法律もいくつか紹介していただきましたが、獣医・動物に関する法律の具体例はどのようなものがありますか。獣医師法、獣医療法、家畜伝染病予防法、感染症法、動物愛護と管理に関する法、ペットフード法、狂犬病予防法、と畜場法、食品衛生法・・・・その他これから習う各論の法律はすべて実定法です。

 

私法とは?私法は、私人の間の関係を規律する法で民事実体法とも言います。国家等の公権力と私人の関係を規律する法である公法に対置される概念です。

 

自由刑:自由刑は、受刑者の移動の自由を制限する刑罰です。具体的には、「懲役」、「禁錮」、「拘留」があります。刑事裁判の判決結果のほとんどを占める「懲役」と、「禁錮」には執行猶予が付きますが、「拘留」には執行猶予は付かず実刑判決のみです。

 

商法(一般法にも特別法にも当てはまるのはなぜか)商法は成文法の中の制定法です。基本的には、個人間の私的生活関係を規律する「私法」に分類されます。ここには。「民法」と「商法」が入ります。民法は、対象となる人、場所、事柄を具体的に限定しないで、一般的に適用されることが多く、一般法に入ります。他方、商法のカバーする範囲は広く一般法的な側面と、事例によっては、特定の人、地域、事柄について限定的に適用される法としての特別法的な側面があります。例えば、商法の一般法的事例は手形法、商法の特別法的な事例は、会社法です。

 

「条理」→条理とは道理のことであるのに判決を出す時は条理に基づく?(条理=道理って事ですかね?) そうですね。道理(人としての「ことわり」を説いた道ですから)でもよかったと思いますが、法学者が少し難しい言い回しを、「法律用語」として考えた?のかもしれません。

 

親告罪どういうものか分からない。親告罪は、検察官が起訴を起こす時に被害者の告訴があることを必要とする種類の犯罪です。言い換えれば、被害者からの告訴がなければ検察が起訴することができない種類の犯罪です。この場合、捜査機関は単独で逮捕や捜査を進めることができません。例えば、強制的な猥褻(わいせつ)や強姦(ごうかん)による犯罪は、被害者にとって非常に屈辱的なことです。刑事手続きや裁判で、繰り返し事情聴取に応じたり、公の前で証言することは精神的にも負担が大きいものです。性犯罪での親告罪は、このように被害者の意思を尊重して設けられています。

 

人事院、 主に何を行うところか?人事院National Personnel Authority)は、国家公務員法2章に基づいて設置された「中央の人事行政を行う機関」です。国家公務員に関する人事管理の公正中立と統一を確保すること、労働基本権の制約をうける代償機能を果たすため、a:行政委員会として人事院規則の制定改廃, b:不利益処分審査の判定, c: 給与に関する勧告など、広汎な人事行政を行っています。

 

制定法を説明されていた際の成文法が具体的にどんなものなのかわかりませんでした。文章として明示された法で、日本では憲法、法律、政令、省令、条例等、ほとんどすべての法規は成文法です。

 

「政令」→法律に次ぐ効力を持っているもの、なのに獣医療法施行令は政令。上の方じゃないのって何でですか?そういうもの、ならそれで納得します。政令は内閣(閣議)で決定する法令で、立法府の国会で決めた法律よりは下位になりますが、省庁で決める省令(規則)よりは上位です。法律の内容は一般に漠然とした書きぶりなので、それを実行するために内閣で法律を施行するための命令を出すのが政令です。それを該当する省庁がうけて、さらに細かく規約をきめて出すものが省令です。多くの法律は省令レベルでやっと現実に実行できる具体性が出てきます。通常はそれに、いろいろなケースを想定して解釈本や解説書が付きますし、地方自治体に投げられると条例になります。

 

責任(刑事責任と民事責任が同時に当てはまる犯罪が起きた場合にはどちらの責任を負わせるのか)同時に当てはまる犯罪なら、当然両方で裁かれます。民事では被害者が、刑事では検察官が告発します。

 

独裁主義は徳治主義か法治主義ではどちらの要素があるのですか。どちらの要素かと言えば徳治主義は性善説的(自然法的?)、法治主義は性悪説的な要素があります。独裁主義は法というよりも、政治形態の一つで、法に基づくこともありますが、一般的な社会ルールを基盤に置くという法の精神を無視するやり方でしょう。しいて言えば、法に基づく行政を否定するアナーキー(無政府主義)の対極にある法治主義の最も悪い例になるのではないでしょうか?

 

特別法優先の原則?質問はなぜ特別法が一般法に優先されるのか?一般法と特別法とで法が異なった規律を定めている場合、特別法の適用を受ける事象は一般法の規律が排除され、特別法の規律が適用されるとなっている。普通に考えると一般解のほうが特別解よりも広く適用できるので特別解を含むと思われるが?ということでしょう。しかし、実際を考えると、特別法を定める理由はさまざまですが、一般的にいえば、特別な分野に対しては一般的な法律の他にその分野特有の規律が必要であることから、特別法が定められるのが通例です。例外的な事象を特別法で定めると、その事象については、判決は一般法よりは特別法に従うほうが適切ということになります。

 

内閣府令は少し理解するのが難しかった:そうですね。法律を施行するために閣議で決定する命令(政令)、さらに関係省庁が決める省令の関係はわかりやすいと思います。しかし、内閣府自体は他の省庁と同じ扱いなので、内閣府令は省令と同等になります。法形式上の優劣関係は以下のようになります。憲法 > 条約 > 法律 > 政令>内閣官房令・内閣府令・復興庁令・省令・外局の規則(庁令)>条例>地方公共団体の規則です。

 

内乱罪(言葉の意味自体がよくわからなかった)以下の犯罪を行うこと。国が統治しているシステムを破壊する。あるいは、国が支配する領土において国権を排除し、新規の権力を行使する、憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動を起こすこと。

 

付加刑なぜ単独で科すことができない刑があるのか。付加刑は没収のことです没収は、刑法において、犯罪に関係のある物(例えば凶器)の所有権を、犯人から国に移し、国庫に帰属させる司法処分のことです。刑法では没収のみを付加刑と定めています。従って、刑法における司法処分では、没収は主刑に付加してのみ科すことのできる刑となります。

 

不文法もどんなものなのかわかりませんでした。慣習法、判例法、条理など、文章として明示されていない法体系です。法規として成文化されていなくても、社会で慣習として法的なレベルまで受け入れられている行為に基づくもの、すでにこれまでの類似の事象について判決が下りているものを基本とするもの、どれにも当てはまらないが、人としての道理として広く認められているものなどに基づいて判決を下すための法です。

 

併科:犯罪に関して、同時に二つ以上の刑に処せられること。

 

変型方式:「国際条約」は成文法なので、文章として明示されています。批准した国がそれを実行する場合、国内法として整備する必要があります。条約をそのまま受け入れる方法と、もう一度国内法として作り直して自国の法規にする方法があります。変形方式は、国際法に直接的な国内的効力を認めず、国内に合うように国内法で別個の新しい法として立法措置をとる方式です。英国やカナダがこの方式をとっています。

 

法と法律の違いは、法は社会的な決まりごとのことで、法律は国家によって制定される決まりごと。

であっているでしょうか。いいと思います。法は広い意味で使われます。憲法、法律、政令、省令、条例などすべてを包含している表現です。法律は国会で決められた法です。

 

民事責任で、私法上負う責任とはどういうことですか?民事責任とは、民法(私法)上の不法行為責任です。不法行為は、加害者が故意または過失により被害者の権利or 法律上保護される利益を侵害することです。このような加害者の被害者に対する不法行為は、同時に加害者の犯罪となる場合もあり、民事責任と刑事責任との区別が問題となります。刑事責任は、加害者がその行為の社会に対する責任を問われる(公法で裁かれる)のに対して、民事責任においては、加害者は被害者に対する責任(私法で裁かれる責任)を問われます。

 

「類推解釈」→近い物事の2つから1つの規定と同じ趣旨の規定が他にあるものとして解釈すること。これは両方似てるけど両方当てはまるって事ですか。この説明文は、正しいでしょうが、非常にわかりにくい説明文です。文字通り「類推して解釈する」ことです。この場合は、法文で規定されている内容と、その法文の適用が問題となっているがその法規には含まれない事実との間に、類似ないし共通の性質があることを理由として、前者(法文)に関する法規を後者(事実)に適用することです。類推解釈が成り立てば、両者は似ている(共通性がある)ということになります。

 

 

 第2回は、総論の続きで、獣医に関連する動物と法規の関係を紹介します。最初は法規から見た動物のカテゴリー、後半は動物カテゴリーからみた法規という裏表の両面がら見てみましょう。それぞれの法律に関しては、第3回の獣医師法、獣医療法から始める各論で、法の解釈を基本に解説します。できるだけ退屈しないように、図表を多用して教えるつもりです。分からなかった単語を送って下さい。

 

2回講義の質問回答集

 

エキノコックス、どのような症状をもたらすのか?自然宿主の食肉動物では症状はありません。エキノコックス症を示すのは、中間宿主(ネズミ、ヒト、家畜、展示用霊長類など)です。虫卵を中間宿主が摂取すると、肝臓で原頭節となり無性生殖を繰り返し、肝臓の中に大きな嚢胞を作ります。成虫と違って駆虫薬が効きません。ヒトでは発症までに10年近くかかるので、発見されると外科的に切除するしか方法はありません。症状は、感染初期の嚢胞が小さい内は無症状です。やがて肝臓腫大を惹き起こし腹痛、胆管を閉塞して黄疸を呈して皮膚の激しい痒み、腹水が起こることがあります。肝臓以外では、肺が侵され血痰胸痛発熱が見られます。嚢胞が体内で破れ、包虫が散布されて転移を来たす事もしばしばあります。内容物が漏出するとアナフィラキシーショックを起こすことがあります。

 

家畜伝染病届出伝染病と法定伝染病の違い。家畜の伝染病には監視伝染病があります。そして監視伝染病の中には法定伝染病と届出伝染病があります。法定伝染病は、家畜の伝染性疾病が拡大することによる畜主の被害を抑えるだけでなく、家畜の生産物やそれらの製品への影響など社会全体への影響も最小限にするため、発生地域の交通遮断、当該家畜のと殺義務、殺処分命令、死体の焼却等の義務、畜舎の消毒義務、などの強制力を持った強力な措置をとるべきものとして、家畜伝染病予防法で法定されている28の疾病です。届出伝染病は、監視伝染病のうち法定伝染病を除く71の疾病で、病畜を診断した時、あるいは検案した時は、都道府県知事に届け出る義務があります。

 

家畜伝染病予防法について、家畜伝染病予防法では国会が対象と決めた牛、馬、めん羊などと、農林水産省が決めた施行規則の対象動物である水牛、鹿、いのししなどがあります。そこで、農林水産省が決めた施行規則の対象動物が国会が決めた対象動物になることはあるのでしょうか。法律のほうが省令に優先するので、通常はありません。法律を実行するのに国会で決めた動物(いわば法定動物)だけでは足りないと考え、農林水産省令(施行規則)で追加した動物(いわば省令動物)という関係です。

 

家畜(家禽)である鶏の養鶏農家は高病原性鳥インフルエンザに感染した鶏と鶏舎内の鶏は 全て処分しなければいけません。すると、借金が何十万にもなると聞いたことがありま 

 す!鳥インフルエンザが原因で借金がでてしまった養鶏農家はどうするのですか?また、

 全て処分になっても大丈夫な保険は存在するのですか?昔は国からの補償はなかったので

 すが、現在は、高病原性鳥インフルエンザに感染が確定した家禽や感染の疑いがある家禽を

 殺処分した場合、生産者に生じた損失を国が全額補償します。具体的には、殺処分家畜等に対す

 る手当金は患畜が家畜の評価額の1/3、疑似患畜は家畜の評価額の4/5です。さらに、殺処分家

 畜等に対する特別手当金(鳥インフルエンザや口蹄疫など)が、患畜では家畜の評価額の2/3、疑

 似患畜は家畜の評価額の1/5なので、手当金と特別手当金を合わせると100%になります。死体

 や汚染物品の焼埋却に要した費用に対する交付金が出ますが、これは通常、都道府県が焼埋却

 を実施するので、国が半分、県負担分は特別交付税措置で支払われます。経営を再開する場

 合に経営支援互助金があります。家畜疾病経営維持資金のうち経営再開資金として、貸付対象

 は飼料費、ヒナ購入費、雇用労賃などの経費で、貸付限度額は個人2千万円、法人8千万円です。

 貸付利率は0.675% (平成28年現在)です。農林漁業セーフティネット資金もあります。貸付対象

 は経営の維持安定に必要な資金で、貸付限度額は、経営費の3ヶ月分又は600万円、貸付利率は

 0.08% (平成28年現在)です。

 

家畜伝染病予防法:なぜイヌは家畜ではないという分類なのですか。イヌは人によって家畜化されたのに家畜として扱われないのですか。家畜というのは、基本的にその動物の肉などや、乳、卵、毛皮など、その生産物を人が利用できる動物を言います。こうした定義では伴侶動物は家畜という定義に入りません。

 

虐待(動物虐待)今までにも出てきたことがある単語だが、実際どこから虐待と判断されているのか。ケースバイケースで一線を引くことは難しいと思います。むごい扱いをすることを繰り返したり、習慣的に暴力をふるったり、冷酷・冷淡な接し方をすることなど抽象的になると思います。法でいうなら、その判断は慣習法、判例法あるいは条理のような不文法のカテゴリーに入ると思います。

 

狂犬病予防法:具体的な予防と適用することの意味の詳細が知りたいため。狂犬病予防法は狂犬病発生の予防、蔓延防止と撲滅を目的として制定されています。大きくは、狂犬病の発生がない通常時の措置と狂犬病発生時の措置に分けて、国、地方公共団体、国民の責務を明示しています。

狂犬病の発生がない通常時のリスク回避措置としては、犬の登録:犬の所有者は所在地の市町村長に登録申請。登録犬への「犬の鑑札」公布。鑑札を付ける義務があります。犬が死亡したり、犬の所在地、所有者の住所・氏名の変更があった場合は、届出が必要です。また、狂犬病予防注射は、毎年一回(4月~6月)接種を受ける必要があります。接種後は、獣医師から「注射済証」をもらい市町村長に提示し、「注射済票」の交付を受け、犬につける必要があります。抑留は、都道府県知事が狂犬病予防員(獣医師)を任命し、狂犬病予防員は登録をされていない犬、予防注射を受けていない犬等を捕獲し、抑留することになります。輸出入検疫:検疫を受けた犬等(犬、ネコ、キツネ、アライグマ、スカンク)でなければ、輸出入することはできず、実際の検疫事務は農林水産省が行います。
 狂犬病発生時の措置:①狂犬病にかかった犬、疑いのある犬等を診断した獣医師又は犬の所有者は、保健所長への届出義務があります。また、獣医師又は所有者は、その犬等の隔離を義務付けられます(発症するまで当該犬は殺処分しません。確定診断は死亡後の脳の病理検索により行います)。その後の対応(疫学調査、一斉検診、移動禁止、交通遮断・制限など)、については、国、地方公共団体より必要な指示が出されます。

 

狂犬病予防員-具体的にどのような任務を行うのか。狂犬病予防法に従って都道府県知事

 は、当該都道府県の職員で獣医師であるもののうちから狂犬病予防員(予防員)を任命し

 なければならない(法第3条)。その職務は、法第6条以降に書かれています。主には、登録をされていない犬、予防注射を受けていない犬等を捕獲し、抑留することが任務となります。犬を抑留したときは、所有者に引き取るべき旨を通知し、所有者の知れていないものについては捕獲した場所を管轄する市町村長に通知しなければなりません(市町村長は、通知を2日間公示する)。公示期間満了の後1日以内に所有者がその犬を引き取らないときは、予防員は政令の定めるところにより、これを処分します。

 狂犬病が発生した時は、診断した獣医師又はその所有者は、直ちに、その犬等を隔離しなければなりませんが、予防員は隔離について必要な指示をすることができます。隔離された犬等は、予防員の許可を受けなければこれを殺してはならず、犬等が死んだ場合には、その所有者は、死体を検査又は解剖のため予防員に引き渡さなければなりません。予防員は、病性鑑定のため必要があるときは、都道府県知事の許可を受けて、犬等の死体を解剖し、又は解剖のため狂犬病にかかつた犬等を殺すことができます。公衆衛生又は治安維持の職務にたずさわる公務員及び獣医師は、狂犬病予防のため、予防員から協力を求められたときは、これを拒んではならないと書かれています

 

狂犬病について質問させていただきます。狂犬病は、ヒトが感染する可能性もあると聞いたことがあります。実際ネットで調べたところそういった事例は認められているようです。それはつまり狂犬病予防対策などで狂犬病と多く関わることになる予防員・獣医師にも可能性があると言えます。検疫はイヌ・ネコ・アライグマ・キツネ・スカンクが対象動物と教えていただきました。では、感染の可能性を持っている獣医師や予防員は検疫を受けないのでしょうか。ヒトは狂犬病に罹ります。しかし、食肉動物と違い、発症した人が人を咬んで狂犬病を感染させることはありません(極めて例外的に臓器移植で感染した例はありますが)。そのため狂犬病汚染国から来た人を検疫することはありません。国内には狂犬病はないのでワクチンは打ちませんが、狂犬病汚染国に行ってリスクのある仕事をする場合は、通常2回のワクチンを打っていきます。国内検疫でもリスクがある場合は、ワクチンを打つ必要があると思います。

 

狂犬病予防法について、コウモリは輸入禁止にしたために対象ではないということですが、現存しているコウモリは狂犬病をもっている可能性もあると思いますが、なぜ、対象に入らないのでしょうか。最近話題のヒアリ同様、輸出入のときのコンテナなどに紛れて入ってくる可能性もあると思い、疑問に思いました。狂犬病の検疫対象動物は、国内への動物輸入時に狂犬病予防法に基づいて法定検疫をする対象動物です。コウモリは輸入できないので対象動物にならないという意味です。コンテナなどに紛れて入った例は、ハワイで狂犬病ウイルス陽性のコウモリが紛れ込んで問題になりました。この場合は、輸入時の貨物(コンテナ)などの検査で摘発するので、輸入動物検査ではありません。

 

業務独占対象動物:診療業務として獣医師しか見られない動物。いいかえれば、獣医師でない者が、飼育動物(牛・馬・豚・めん羊・山羊・犬・猫・鶏・うずら・その他獣医師が診察を行う必要があるものとして政令で定めるものに限る)の診療を業務としてはならない(獣医師法違反になります)ことが業務独占資格で、その対象となる上記の動物が業務独占対象動物です。

 

緊急指定種:絶滅危惧種の一つという解釈であっていますか?緊急指定種は、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」第5条に基づき、環境大臣が指定する生物種です。特にその保存を緊急に図る必要があると認められる生物種について、捕獲・殺傷、譲渡、輸出入、陳列等を禁止する緊急的な措置を取ります。指定の期間は、3か年が限度です。これまで、緊急指定種に指定された生物種は、ワシミミズク、イリオモテボタル、クメジマボタル、タカネルリクワガタ、ケラマトカゲモドキの合計5種です。

 

向精神薬(向精神薬と麻薬の境界はどこなのか)明瞭ではありません。基本的に、精神に作用する(「脳」に作用することで精神に作用する)薬は全て向精神薬になります(この意味では麻薬は向精神薬です)。臨床的には、「精神疾患を治療する薬」を向精神薬としているので、抗うつ薬(例:イミプラミン)、抗不安薬(例:ベンゾジアゼピン)、睡眠薬(例:バルビタール)、抗精神病薬(例:パリペリドン)、気分安定剤、その他、抗パーキンソン病薬、抗てんかん薬などいろいろです。麻薬は、国により薬物の範囲が異なりますが、日本では法律で古典的な麻薬であるアヘン、モルヒネ、ヘロイン、コカインの他に、THC(テトラヒドロカンナビノール、大麻の成分), LSD(リゼルグ酸ジエチルアミド, 化学合成), MDMA(メチレンジオキシメタンフェタミン、化学合成)が麻薬に分類されています。

 

厚生労働大臣と農林水産大臣、厚生労働省令と農林水産省令の違いが判らない。厚生労働大臣は、主として社会保障に関する行政と労働に関する行政を所管する最高責任者で国務大臣の一人です。国民生活の保障と向上、社会福祉・社会保障・公衆衛生の向上と増進、労働条件・労働環境の整備などを統括しています。厚生労働省は大臣のもとに、これらの施策を実行する中央行政機関です。厚生労働に関係する法律に関して、厚生労働省から出される命令が厚生労働省令になります。農林水産大臣は、食料の安定供給の確保、農林水産業の発展、農林漁業者の福祉の増進、農山漁村及び中山間地域等の振興、農業の多面にわたる機能の発揮、森林の保続培養及び森林生産力の増進並びに水産資源の適切な保存及び管理を統括する国務大臣の一人です。農林水産省は、農林水産大臣のもとで、これらに関係する施策を実行する中央行政機関です。農林水産に関係する法律に関して、農林水産省から出される命令が農林水産省令になります。

 

再生医療等製品とは?「再生医療等製品は、以下に掲げる製品であって、政令で定めるものをいいます。(1)ヒト又は動物の細胞に培養等の加工を施したものであって、身体の構造・機能の再建・修復・形成するもの、疾病の治療・予防を目的として使用するもの、(2)遺伝子治療を目的として、人の細胞に導入して使用するもの」です。動物を対象とした再生医療が盛んになれば、この定義も変わってくるでしょう。

 

細胞浸潤:病原体や異物が体内に入って炎症反応を起こすときに白血球等がその部位に集まってくることを、病理学では細胞浸潤(cellular infiltration)といいます。

 

JAS法とは具体的に何ですか?平成296月にJAS法は、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」から、「日本農林規格等に関する法律」に改名されました。旧法ではJAS規格の対象が、モノ(農林水産物・食品)の品質に限定されていましたが、モノの「生産方法」(プロセス)、「取扱方法」(サービス等)、「試験方法」などにも拡大されたためです。JAS法は、基本的に農林物資の品質の改善、取引の単純公正化、生産・消費の合理化を図り、農林物資の品質に関する適正な表示を定めた法律です。飲食料品が一定の品質であることや特別な生産方法で作られていることを保証するJAS規格制度と、原材料・原産地など品質に関する一定の表示を義務付ける品質表示基準制度を規定しています。

 

「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」で対象となる動物にダチョウはどうなのかとおっしゃっていたので調べて見ました。ダチョウは家畜とされる場合とされない場合があるとあり、ワシントン条約によって絶滅のおそれのある動物とされているから、食べれるけど食べない方がいいと考えられるから、この法律の対象動物に含まれていないと考えるのですが、どうですか?ワシントン条約は「絶滅の危惧のある野生動植物の国際商取引に関する条約」です。通常、自国で繁殖させた動物は対象にはなりません(野生のダチョウを食用に輸入する場合は別です)。最近は、ダチョウ、エミュー、キジ、ホロホロチョウなどを家禽として飼育する例もあります。法律で家禽に入れないのは、ダチョウが日本では、まだ家畜・家禽なみの飼育動物として実績がないからだと思います。繁殖ダチョウの人気が出て、卵や肉、皮革などが日常的に流通するようになれば、家禽に入れられると思います。

 

食鳥処理法は、なぜ別枠なのか?農水省では家畜と家禽は部署が分かれていること、処理施設としてと畜場と食鳥処理場は構造が違います。特に処理方法が大きくことなります。しかし、最大の理由は、歴史の違いでしょう。「と場法」は、非常に古く1906年に制定され、「と畜場法」は、これに代えて昭和288月に法律第104号として制定されました。「屠畜場の経営及び食用に供するために行う獣畜の処理の適正の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講じ、国民の健康の保護を図ること」を目的としています。長い間、鶏は個人が自由に育て、処理して食べていました。食鳥処理法「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」は、生産体制が大規模化し工場生産的になったあと、平成2年法律第70号として制定されました。家禽の生産の実態及び食鳥の疾病の発生の状況を踏まえ、「食鳥肉等に起因する衛生上の危害の発生を防止する」ための法律です。

 

診療業務:獣医師のみが診療業務にあたることが出来る動物は理解したのですが、それ以外の動

 物は非診療業務で見ることになるということでしょうか。診療業務でなければ、VPPも飼育動物を 

 見ることが出来るということですか。違います。家畜・家禽・犬猫(法令で定める飼育動物)と政

 令で定める飼育動物(オウム科、カエデチョウ科、アトリ科の鳥類)は獣医師しか診療できません。

 しかし、獣医師であれば、その他の一般飼育動物(人が飼育できる動物)は、何でも診療できま す。飼育動物であっても所有者が自己の所有する飼育動物を診療することはできます(財産

 権)。家畜、家禽、犬猫および政令指定の飼育動物以外の一般飼育動物(爬虫類、両生類、魚

 類など)は、獣医師でなくても診療しても違法にはなりません(有償、無償に関係なく)。また、

 医学生は獣医師の指導の下で診療しても違法にはなりません(第17条)。VPPの非診療行為は

 可能か?はい、「保健衛生指導」「健康相談」「血液等の検査」「検案」のみを行う場合は診療業務

 に入りません。実験動物のマウス、ラットやサルなどは飼育動物(法令、政令)の定義には入りま

 せん。

 

 

生産動物に関わるところで、「と畜場に入るまでが農水省、入ってからは厚労省」が責任を負うとありましたが、もしと畜場の入り口(境目くらい)で、何か問題が起きた場合はどちらに責任があるのですか?ケースバイケースです。しかし、実際には、なるべく相手の領域として、責任を回避してしまおうとするケースが多いと思います。しかし、一応、と畜場の敷地内入れば厚労省の管轄になるでしょう。

 

動物医薬品を獣医師が販売することは許可されますか?人の医薬分業と異なり、現状では、院内処方で動物医薬品を処方した病院で薬を買うことができます。また動物用医薬品の販売は「人用医薬品登録販売者試験」に合格し、都道府県知事の登録を受けることで動物用医薬品登録販売者になれます。従って、獣医師であってもなくても販売可能です。

 

届出伝染病(感染症)とはなにか?特定の患者(感染症法)あるいは患畜(家畜伝染病予防法)を見つけた時に保健所あるいは家畜保健衛生所を介して中央官庁(厚生労働省あるいは農林水産省)に届け出なければならない感染症あるいは伝染病です。それぞれ法律、政令、省令等で決められています。

 

トレーサビリティ法:図の解説が復習時に混乱して分からなくなったため。トレーサビリティ法は正確には「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」といいます。潜伏期の長いプリオン病である牛海綿状脳症(BSE)が発生した時、5年以上前にさかのぼって、陽性牛と同一農場で同一飼料を食べた子牛の戻り調査が必要になりました。またBSEのまん延防止措置の的確な実施や、食の安全・安心につながる個体識別情報の提供の促進などを目的として、この特別措置法が施行されました。農家で牛が生まれた時、個体ごとに10桁の番号をもらい、耳標として個体識別できるようにします。その後、この番号は肥育農家、と畜場、加工処理、販売まで繋がり、10桁の番号を入力すれば、いつでも、だれでも、その牛の履歴を知ることができます。

 

廃棄物処理法産業動物は産業廃棄物、犬猫は一般廃棄物として処理されると学びました。なぜ、犬猫はゴミとして処理されるのか分かれば教えてください。法律では人は「ヒト」、人以外の動物は「モノ」として扱われています。そのため人を殺せば「殺人罪」ですが、動物を殺した場合は「器物損壊罪」です(虐待があれば「動物愛護および管理に関する法」でも罪になります)。そのため産業動物の死体は産業廃棄物に、犬猫の死体は産業廃棄物以外ということで一般廃棄物に分類されています。

 

罰金以上の刑(交通違反も当てはまるか?:獣医師業務に直接には関係しないが、罰金以上の刑に処せられた事案としては、刑法では殺人、傷害、窃盗、詐欺、強制わいせつ、覚せい剤取締法違反があります、また所得税法、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律、道路交通法等に係る違反行為も含まれます。行政処分の程度は、基本的には司法による判決の内容等を参考に決定されます。

 

BSE特別対策措置法のうち、そもそもBSEがなにかわからない:イギリスで1980年代から流行 

 した牛のプリオン病です。原因は肉骨粉を飼料(代用乳、人工乳等)として利用したためと考えられています。平均5年の潜伏期で進行性の神経障害を示し、100%死亡します。脳が組織病理学的に海綿状(スポンジ状)に穴が開くので、牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy: BSE)と命名されました。物流(生体牛や肉骨粉など)によって世界の25か国以上が巻き込まれました。

 

品位を損ずるような行為(例えば何か)品位という言葉が抽象的で難しい問題です。一般的に言えば、獣医師が業務を行うに当たって遵守すべき法律に係る違反行為,獣医師の立場や知識を利用した違反行為,獣医師に課せられた倫理的又は道徳的な職責に大きく反する行為など,獣医師に求められる職業倫理に反する行為となります。行政処分(時に司法処分)になった例では、ハラスメント違反、破廉恥罪、麻薬使用、無許可薬剤販売、頻繁な初歩的医療ミスや応召義務違反などが当たるかと思います。

 

法規と関係する省庁について、法規と関係する省庁は農林水産省、厚生労働省、環境省と3つに分かれ、それぞれ担当する分野があると習いましたが、なぜ、3つに分ける必要があるのでしょうか。1つのところでまとめて動物について担当する方が管理しやすいのではないかと思いました。そういう考え方もあります。しかし、農林水産省はもともと食料など第一次生産品等(農作物、畜水産品、林業)の産業振興を目的とする省です。厚生労働省は、人の健康福祉、公衆衛生、労働衛生の向上を目的とする省です。環境省は公害や環境汚染が問題となって厚生省から独立してできた省です。そのため、各省に獣医および獣医関連専門家がそれぞれの立場で関与することはありますが、動物関連だけをまとめて省から独立して担当するというのは難しいのが現状です。

 

ポジティブリスト制度どのようなものか詳しく知りたい。平成15年食品衛生法の改正があり、ポジティブリスト制が導入されました。食品中に残留する農薬、飼料添加物と動物用医薬品について、一定の量を超えて農薬などが残留する食品等の販売を原則禁止するものです。それまではネガティブリストでA,B,Cは基準値以上はダメという方式でしたので、残留基準が設定されていない農薬(X,Y,Z)等が食品から検出されても販売禁止措置がとれませんでした。ポジティブリスト制では、全ての農薬等について、残留基準を設定し、基準を超えて食品中に残留する場合その食品の販売を禁止するというものです。言い換えれば、リストにあって(P,Q.R……)、基準値以下であればOK(ポジティブ)、リストにないもの(無登録農薬など、ネガティブ、U,S,T…)が検出されればダメという考え方です。

 

麻薬および向精神薬取締法、覚醒剤取締法ヒトだけでなく動物にも麻薬や覚せい剤があるのか?ヒトと違って動物が麻薬や覚せい剤を使うわけではありません。動物の麻酔に使っていた医薬品が、麻薬等の指定を受けているので治療用に使う際に許可がいるのです。例えば、麻薬に相当する薬剤は塩酸ケタミンの注射剤、向精神薬系では第1種製剤がセコバルビタール、第2種製剤アモバルビタール、ペントバルビタール、第3種製剤のジアゼパム、フェノバルビタール、ロラゼパム等です。一般の動物病院では、獣医師が麻薬施用者の免許を受け、麻薬・向精神薬の麻薬管理者として管理します。医療用に指定された向精神薬は、麻薬及び向精神薬取締法で、医療上の有益性・乱用の危険性を考慮し、等級分けされ規制されています。

 

輸入動物について:輸入動物の検疫は厚労省の管轄であるのに農水省が検疫施設を持っているの

 はなぜですか。厚労省が管轄を行うのであれば農水省の施設を使わないで厚生省で施設を作って 管理したほうが効率良いように思えます。明治以来、家畜(家畜伝染病予防法)および犬(狂犬病 予防法、拡大でネコ、キツネ、スカンク、アライグマ)は、農水省の動物検疫所で法定検疫をやって きました。動物由来感染症でサルの法定検疫が始まったとき、これまでの実績からの農水省に委 託することになりました。その他の動物は基本的に繁殖個体で外国政府の衛生証明書が添付され ていることをチェックすることになります(書類審査は厚労省がやります)。

 

 

輸出入検疫-対象動物が犬猫以外に3種類あるがなぜこの3種類なのか。同じネコ科のライオンなどは対象動物ではないのはなぜか。イヌ、ネコ、キツネ、スカンク、アライグマは、ヒトに狂犬病ウイルスを感染させやすい動物として、狂犬病予防法で輸入検疫を義務づけた動物種です。ネコ科の動物と言う意味ではありません。ライオンはワシントン条約のII種なので輸入可能ですが、輸出国の証明書等が必要です。

 

輸入検疫:日本で動物輸入検疫が行われているのは国際線を扱う空港や港のみですか?そうです。空港では成田空港と関西空港が大規模です。動物検疫所は28カ所(支所を含む)、所属する空港が43空港、港湾が58港です。

 

要指示薬に属さない薬にはどんなものがあるのか、また、誰まで取り扱うことができるのか?動物用医薬品には「要指示医薬品」とそれ以外の「一般医薬品」があります。一般医薬品は薬局やドラッグストアで売っています。獣医師の指示・処方せんを必要とせず購入できる医薬品です。人用でいうところの一般用医薬品(OTC医薬品)にあたります。例としは、ノミ・マダニ駆除薬、皮膚用薬、虫下し、胃腸薬などです。

 

リスク分析:食品の安全性評価等を行う時に考えられた分析方法で、リスク評価とリスク管理とリスクコミュニケーションで構成されています。リスク分析の考え方はコーデックス(国際食品規格)委員会が提案した概念で、日本では、2003年に制定された食品安全基本法により食品安全行政に導入されました。この法律によって、リスク評価機関として、内閣府に食品安全委員会が設置されました。同時に、リスク管理機関である厚生労働省に食品安全部、農林水産省に消費・安全局が設置されました

 

レプトスピラ犬とは?レプトスピラはスピロヘータ目に属するレプトスピラ科、レプトスピラ属の細菌です。多数の細菌株(血清型では250以上)があります。人獣共通感染症の病原体もあります。ヒトは古くからレプトスピラ症(ワイル病、アキヤミなど)に悩んできました。主として野生のげっ歯類が保有していますが、種々の動物に感染し、腎臓で増殖し、尿中に排出されて、人では飲み水など水系感染します。通常、ヒトからヒトへの感染は起こりません。国内でレプトスピラ症の原因となった菌の血清型は少なくとも14種類あります。19974月に牛、豚、などを対象として、7血清型による疾病が監視伝染病(届出伝染病)に指定されています。犬からは、カニコーラ、イクテロヘモリジア、コペンハーゲニー、ヘブドマディス、オータムナーリス、オーストラーリスの6血清型が分離されています。レプトスピラ菌に感染したイヌがレプトスピラ犬です。ワクチンもあります。

 

 

 第3回は、いよいよ各論にはいります。最初は獣医師および獣医関連専門家(VPP)にとって一番基本となる法律、「獣医師法」と「獣医療法」を中心に紹介します。第2回で説明した内容を詳しく説明していきますから、理解して下さい。法律解釈だけだと、どうしても退屈してしまいますので、できるだけ図を多くしました。

 

 第4回は獣医師に取っては歴史的にも、その存立基盤となっている「家畜伝染病予防法」について説明します。また、飼料安全法に参考に制定された「ペットフード安全法」についても解説します。

 

 第5回の講義資料です。獣医・VPPにとっては、厚労省関係の法律になります。動物由来感染症(人獣共通感染症)を法律に取り込んだ「感染症法」と長い歴史を持つ「狂犬病予防法」について説明します。両法とも現実に私が法改正に取り込まれ、法律と関係することになった法律です。それぞれ2回くらいの時間が必要ですが、ここでは概要にとどめます。各論は、個々の動物感染症や人獣共通感染症、危機管理学等で説明します。

 

 

 第6回は、身体障害者補助犬法(追加で身体障害者差別禁止法)、食品衛生法(食中毒関係を追加)、と畜場法、食鳥検査法について説明します。後で述べるように、後の3法は食品衛生法が基本で、獣畜に焼き直したのがと畜場法、さらに家禽に適合させたのが食鳥検査法という関係です。動物看護は、あまり食品や家畜・家禽には関係ありませんが、感染症と食、公衆衛生が中心となるVPPにとっては、感染症法、狂犬病予防法とともに、非常に大事な法律群です。

 

妻と作った人形。

娘の修学旅行の写真をもとにしました。

オリジナルの写真です

 

娘のドイツ時代のカーニバルの写真です。大家さんは子ネズミちゃん「モイスヒェン」といっていました。

下の人形は妻の作品です。

先日、妻の作品が創刊700号記念家庭画報大賞の佳作に入りました。

題「何して遊ぼう」です。