秋①の講義が終わりました。試験の回答を載せておきます。確認してください。

正しい文章には〇を、間違っている文章は、下線部を正しい言葉に置き換えなさい。

正しい文章は1つだけです。2つ以上〇をつけると減点になります。

第1回講義から

1、従属栄養細菌は他の生物が作った無機物を栄養源とする細菌である。(  有機物  )

2、真正細菌と古細菌の細胞膜は脂肪酸とグリセロールがエステル結合している。(真核生物

3、ホイタッカーの5界説でモネラ界に属するのは原核生物である。(      )

4、アルコール発酵が細菌によるものであることを明らかにしたのはロベルト・コッホである。(ルイ・パスツール )

5、古細菌のハロバクテリア綱には、その名の通り好気性の好熱菌が含まれる。( 好塩菌 )

第2回講義から

1、単細胞の真核生物である原生生物のうち葉緑体を持ったのは原生動物である。( 藻類 )

面白い回答、ミドリムシ(あるいはハテナ)間違いではありません。

2、1967年、細胞内共生説を唱えたのはマーギュリスである。(   )

3、大腸バランチジウムは胞子虫門に属する。(  繊毛虫門  )

4、トリパノソーマは2宿主性である。鳥類・哺乳類を宿主とする種のもう一つの宿主はヒルである。

吸血節足動物

5、マラリア原虫で母細胞の分裂により多細胞となった状態の細胞塊をメロゾイドという(シゾント

第3回講義から

1、担子菌門の約半分の種は、藻類との共生体を形成して地衣類として生活している子嚢菌門

2、動物の遺体は主として細菌が分解し植物の遺体は主として原生動物が分解する傾向がある。(真菌類      

3、ヒドラは、多細胞の動物の中で最も原始的な1胚葉性動物であり、器官を持たず左右の区別も

ない。(カイメン )

4、回虫など線形動物の多くは、雌雄異体であり、複数回の脱皮で成長する(  )

5、吸虫や条虫の多くは、中間宿主内で有性生殖をおこなう。( 無性生殖 )

第4回講義から

1、カンブリア紀の最大動物で最高の捕食者で節足動物といわれているのがアノマロカリスである

2、旧口動物(前口動物)は、原口が肛門になって発生する動物群である。(  )

3、エビでは心臓は背側に、神経系は神経鎖となって腹側に、消化器系は体の背側に分布している。( 中央 )

4、エビの血液細胞には赤血球はなく,セミ顆粒球,ヒヤリノ細胞とリンパ球3種類がある(顆粒球

5、雄バチから放出されるフェロモンには階級社会を維持する物質がある。9-オキソデセン酸が有名である。(女王バチ

5回講義から

1、ナメクジウオは尾索動物であり、1から13までのホメオポックス遺伝子をすべて揃えている。(頭索動物

2、ヌタウナギは無顎類に属し、嗅球、大脳半球、間脳、延髄などを持つが中脳を欠いている。( 小脳 

3、ホヤは幼生時、オタマジャクシのような形をしているが、成体は岩などに固着しセルロースを合成する。(   )

4、大部分の軟骨魚類は体液や細胞内に尿酸を蓄積し、体内と海水との浸透圧差を小さくしている。( 尿素  )

5、肺や気嚢の原点となった鰾(ウキブクロ)は魚類時代に鰓の一部から生じた。( 食道 )

6回講義から

1、魚類ではゲノムを倍加していった。ヒトのゲノムの30倍以上のゲノムサイズを持つ魚はギンザケである。(肺魚

2、異なる種の染色体間で、遺伝子が同じ順番で配置されていること、もしくはその領域をネオテ

ニーという。(シンテニー

3、恒温動物とは外温性動物のうち、自律的に体温を制御している動物をいう。(内温性

4、胎盤を介して抗体(IgG)が胎子に移行できない動物の代表は偶蹄類である。(  )

反芻動物も正解です

5、ココウモリは超音波をだしエコロケーションをする。視覚系では立体視が出来る立体視できない

第7回講義から

1、約600万年前にチンパンジーから分岐した人類の祖先は猿人、原人、旧人、新人を経てホモ・サ

ピエンスとなった(    )

2、ヒトの染色体数はチンパンジーより1本少ない。チンパンジーの第12染色体と13染色体が融合

し、ヒトの第1染色体となったためである( 2染色体 )

3、 アジア人、ヨーロッパ人のゲノムの1~1.5%はネアンデルタール人由来であるが、、アメリカ人の場合は0.1%以下。( アフリカ人 )。

4、齧歯類は未熟児として生まれる巣籠り動物であるが、ヒトは社会的に未熟な2次巣立ち動物である。( 2次巣籠り動物  )

5、ヒトで特に肥大した大脳皮質の部分は頭頂葉の前野で、自意識、意志、推測、やる気、戦略などを司っている。( 前頭葉 )

8, 面白かった質問から

1、核膜は内膜と外膜をもつ脂質2重層の4重膜構造をとっており外膜は小胞体につながっている

2重膜構造

2、 マラリア原虫は無性生殖するが、ガメートゴニ―を行い有性生殖もする。マラリア原虫の終宿

主はハマダラカである。(  )

3、ヒト胎児は尿を産生し、排出された尿は卵黄となる。卵黄には肺の成熟を促す物質が含まれており、胎児は卵黄を飲むことで、肺胞の発達を促している。( 羊水 )

4、哺乳類のゲノムは、祖先のナメクジウオのゲノムを1倍体とすると8倍体となっていると考えられる。( 4倍体 )

5、 最近、ジャンクDNAと考えられていたエキソンmRNAを核から運び出す過程に関与していることが報告された。( イントロン )

講義を聞いた感想、あるいは予習・復習をどの程度やったか?質問への回答など、授業に関する自由な意見を書いてください。今後の授業に生かしたいと思います。

 

 現代生物進化の2019春①が終わり, 早くも秋①が始まりました2018年のスライドと質疑(現代生物進化の項参照)を見たうえで、講義を聞き、理解できたこと、理解できなかったことを、一つずつメールで送ってもらい、回答することにしました。2018年度は語句の質問と説明が多かったのですが、今回は、質問内容が深くなって回答に苦しむことが多くなりました。

 また、説明とともに新しいスライドを追加することになりましたが、このホームページの「現代生物進化」の項目の容量が一杯になったようで、新しいスライド等を入れる余地がなくなったようです。仕方がないので、ここに「現代生物進化2」を開きました。時間を見て、7回目までの質疑をアップしいと思います。なお、2019年春①の試験問題と模範解答は一番後ろに載せてあります。

 

現代生物進化第1回質問回答まとめ(質問中、主なものを掲載しました)。

 第1回講義真菌は体外消化を行い、植物よりは動物よりに分類されるとおっしゃいました。なぜ、見た目は植物に近くなったのでしょうか。面白い質問です。それは、真菌の生活様式が植物的だからです。動物と植物の決定的な違いは、生命を維持するために動く生き物か(animal)、動かない生き物(phyto)かです。単細胞真核生物(原生生物)の時に光合成する(独立栄養の)藻類と従属栄養の原生動物類に分かれました。多細胞化した時に植物系と動物系に分かれましたが、真菌は動かないで従属栄養生活をする生物です我々の周りでも、家、ビル、教会、寺院のような建築物は動きませんし、そうした構造です。バイク、自動車、電車、飛行機などは動くもので、そうした共通構造を持ちます。生物も同じです。建築物は作ってしまえば、それだけですが、動くものは常にガソリンや電気のようなエネルギーが必要です。こうしたたとえをすると、真菌類は、絶えず維持にエネルギーのいる建物ということになります。火力発電所や原子力発電所みたいなものでしょうか?ちなみに、我々の直接の祖先になる、後索動物のホヤは、幼生期には魚のように泳ぎます。しかし、大人になると植物のように岩にくっついて生活します。植物からセルロース合成酵素をもらってセルロース合成をする唯一の動物です。面白いですね。

【理解できなかったこと】理解できなかったこととはまた少し違うような気もするのですが、吉川先生に聞きたいことがあります。高校生の頃に生物の授業の中で進化について勉強していました。その中でカンブリア紀の大爆発の代表的な生物としてアノマロカリスについて学びました。アノマロカリスは当時最大で最強の生物であると言われていますが、当時調べた本の中ではアノマロカリスは三葉虫を食べることができない(硬くて)ほどの弱者だったということが書いてありました。かつ触手のような頭から生えている2本の手は実際に曲げると口までは届かないということも聞きました。ではどうやってアノマロカリスは当時最強な生物になれたのでしょうか?進化という言葉を聞くといつもこのことばかり考えてしまいます。今日の4回目の講義で少しは答えられたと思います。古生物を含めて、その生き物の実物の大きさと運動の能力、生存時期・生存期間、周囲の環境、地球規模での環境変化を知らなければなりません。エディアカラの最後からカンブリア紀の初期にかけて、大きさ、運動能からみて、やはりアノマロカリスは最強の捕食者であったと思います。ただカンブリア紀は、全ての動物種が一気に登場したので、アノマロカリス(節足動物の甲殻類の祖先に近い?)とほぼ同時期に、強力な軟体動物のオウムガイの祖先や三葉虫が出てきます、また脊椎動物の進化も早く、シルル紀までには魚類の前の鎧を着たような板皮類が出現します。アノマロカリスが長く繁栄できなかったのは、同じ空間を生きる強力なライバルが出現し、食物連鎖のトップを維持できなかったこと、深海や淡水に逃げてすみ分ける能力がなかったからでしょう。もう少し早く出現していれば、長く繁栄したかもしれません。その意味ではカンブリア紀は、極端に弱肉強食の食物連鎖が進んだ時代だと思います。そのため多様性が広がり、進化が早まったように見えるのではないでしょうか(生物爆発)。それは、オゾン層や酸素濃度、好気呼吸のエネルギー効率、氷河期のあとの地球の安定的な温暖化などと関連しているかと思います。

 

メタン菌や好熱性菌などの古細菌は、分岐した時期の地球の環境が厳しく極限環境に生息しているようですが、長い年月を経た今の時代にも生息しやすい場所に移動しないで、わざわざ極限環境にいるのはどうしてですか。また、古細菌はその場所でどのような役割を担っているのですか。 極限状況の環境では敵対する微生物が、ほとんどいないというメリットがあります。また、一般的に生息しやすい?環境は、すでに生存競争に勝ち抜き進化した生物群が占めていて、生物学的ニッチ(隙間)がありません。既に、極限環境に適応しているので、彼らにとって住みにくいことはないと思います。役割というよりも、その環境で栄養、代謝に必要な物質を調達し、生存し、エネルギーや物質循環をしています。人間的視点から見れば、彼らの作った有機物や鉱物など(硫黄やマンガン、鉄、あるいはメタン、石油?など)も、細菌の活動により、濃縮され蓄積されるようです。

 

質問:嫌気性細菌にとって酸素は猛毒で生体の全てを酸化し死を誘導すると書いてあったのですが、人間の体内には嫌気性細菌の方が多いと授業で聞きましたが大丈夫なのですか?消化器系の酸素濃度は、呼吸器系と異なり、とても低いです。そのため細菌に限らず消化管内の寄生虫でも嫌気性呼吸をするものが多いです。文献的には、大気の酸素濃度(Po2)は145Hg(21O2),健康な肺胞の酸素濃度は100110Hg、健康な大腸の酸素濃度は10Hg1.4O2)以下と報告されています。

 

質問:深海熱水噴出孔周辺は、生物活動が活発とありましたが水温は何度で、好熱性を示す細菌は何度まで耐えられるのですか?熱水に含まれる各種の化学物質にはどのようなものがありますか?テルモプラズマ綱に細胞壁が無く、細胞融合性を持つことの利点は何ですか?熱水噴出孔はマグマに通じているので高温です。噴出孔から噴出する水温は400℃にも達しますが、熱水噴出孔がある深海の水温は2℃くらいです。 深海の高い水圧によりこの高温でも水は液体のままで沸騰しないようです。好熱菌は通常、100℃以上でも生育します。古細菌では122℃での生育報告があります。基本的には、硫黄、鉄、リン、炭酸塩、一酸化炭素、窒素などでしょう。噴出孔の周りに生物が存在すれは有機物ができます。真核細胞は、原核細胞と異なり細胞壁をもちません。細胞膜が嵌入していろいろな異物を取り込み、時に共生したり、細胞内小器官に変質させたりすることが出来ます。また細胞融合して、細胞が巨大化することは単細胞の活動にとって有利です。原核生物に比べ原生生物のサイズは容積で5001000倍くらい大きいです。

 

質問:太古の海は200℃超とあり生命の誕生は熱水噴出孔と書かれていましたが、現在のような水温に下がってからできた熱水噴出孔なのか、太古の海で200℃の中にできた熱水噴出孔なのか、どちらの熱水噴出孔で生命は誕生したのですか?もしくは海全体が熱水噴出孔のような状態だったのですか?46億年前に誕生した地球の表面はマグマの海(1,000℃という高温のマグマ・オーシャン)に覆われていました。その約1億年後、地球が冷え始めたので、空の水蒸気が雨となって激しく降り始め、豪雨の後に地球に海が生まれました。原始海洋は200℃以下となり、温度は150200℃でした。しかし、40億年前の海でも、大気中の炭酸ガスの温室効果?で、温度は100℃を超えていたと考えられます。しかし、月は現在の1/10くらいの近距離にいたので、10mを超える海水の満ち引きがあり、海水はかき混ぜられ、揺れ動いていたと思われます。このエネルギーと海にある化学物資の反応で生命が誕生したという考えがあります。隕石から来たという、生命の起源に関する別の考えもありますが・・・・

 

理解できなかったこと:クロマトフォアとクロロゾームに関して質問です。クロマトフォアの由来が細胞膜であるのに対して、クロロゾームは由来が細胞膜でないならいったい何からどのようにできたのでしょうか?その材料か構造に違いはあるのでしょうか?

紅色細菌のクロマトフォアは光合成に必要な成分を多くもった細胞膜小胞で脂質二重膜です。多くの紅色細菌は嫌気状態で,細胞膜のくびれ込みに由来する細胞内膜系(intra-cytoplasmic membranes)を形成します。この膜小胞には光合成反応中心アンテナ色素タンパク質複合体電子伝達系成分、ATP合成酵素などの光合成初期反応に必要な成分が含まれています。他方、緑色光合成細菌のクロロゾームは主に糖脂質(リン脂質)よりなる一層の膜で囲まれた米粒の形をしているアンテナ器官です。バクテリオクロロフィル c 等が会合して棒状になったものを多数内包する脂質一重膜の組織です。包膜である脂質一重膜にはいくつかのタンパク質が存在しクロロソームの形状維持等に関与しています。一重膜ですが両方にグリセロール+リン酸が付くので、外面も内面も親水性になるようです(古細菌の細胞膜型あるいは図のように内面は疎水性のまま?)。真核生物の小胞体、リソゾーム、ゴルジ体などのミクロソーム系はいずれも一重膜?膜構造はもう1度調べる必要があります。

シアノバクテリアは緑色硫黄細菌と紅色細菌の両方の回路を持っていること、紅色細菌の一部が、光合成暗反応(カルビン・ベンソン回路)を逆転させクエン酸回路をつくり、酸素が発生するようになったとありましたが、逆転させるの意味がよくわからなかったです。しかも、緑色硫黄細菌があったから変化したのか、紅色細菌のみで変化したのか気になりました。 よろしくお願いいたします。はシアノバクテリア(藍色細菌)が緑色硫黄細菌の光合成系と紅色細菌の光合成系を合体させた光合成系であるということ。糖新生系(カルビン・ベンソン回路)と解糖系(クエン酸回路)がちようど鏡像のような関係にあるという意味です。以下に説明します。シアノバクテリアが2つの細菌の光合成系を合体させたものであるという理由。光合成細菌には、紅色細菌、緑色硫黄細菌のように、光合成電子伝達系が1種類で、水の酸化能(酸素発生能)を持たないグループと、シアノバクテリアや真核光合成の葉緑体のように酸素発生型光合成の電子伝達系を持つものがあります。酸素発生型の光化学系は,2つの光化学系(PSIPSII)の電子の流れがシトクロム複合体を通して繋がれています。PSI2つの蛋白質より成るヘテロ二量体構造をもち,アンテナ色素系(光を受け電子を発する)と反応中心(電子伝達)が一体になったアンテナ・反応中心複合体です。ヘリオバクテリアや緑色硫黄細菌にみられる鉄硫黄クラスター型光化学系(PSI型光化学)は類似し,両者は同一祖先型から派生したものと考えられます。PSII2つの蛋白質より成る構造ですが、この構造は,紅色硫黄細菌や緑色糸状細菌にみられるフェオフィチン-キノン型光化学系(PSII型光化学系)に類似し,両者は共通の祖先型から派生したものと考えられます。従って、酸素発生型の光化学系(シアノバクテリア)の基本構造は,光合成細菌にみられる2つの光化学系(PSI:緑色硫黄細菌とPSII:紅色硫黄細菌)を併せもつことにより成り立っています。光合成系(シアノバクテリア、葉緑体)と解糖系(αプロテオバクテリア、ミトコンドリア)が逆回転であるという説明。シアノバクテリアではカルビン・ベンソン回路が回転するので、リブロース(C52リン酸に二酸化炭素(CO2)が固定(C6)され、リングリセリン酸(2xC3)となりNADPHからプロトンをもらい、グリセロールアルデヒドリン酸となり、糖(グルコース)と酸素と水を産生する回路です(糖新生系、同化)。他方、解糖系は、グルコース2リン酸(C6)がピルビン酸(2xC3)となり(2ATP)、ミトコンドリアのクエン酸回路に入り(TCA回路:C2C6C5C4C4+C2=C6、2TPA)、プロトンポンプを介してシトクロムの電子伝達系へ、プロトンチャネルで輸送して酸素を使って34ATPと二酸化炭素と水を作る回路です。カルビン・ベンソン回路が左周りなら、解糖系+ミトコンドリア(異化)は右周りということになります。鏡像関係にあるという意味で回路の回転が反対になっているという程度の意味です。

 

質問:原核生物が誕生してから真核単細胞生物が出現するまでには約20億年かかっていますが、その期間の環境は単細胞生物でいたほうが利点のあるような環境だったのでしょうか?また多細胞生物は細胞群体のようなものから始まったのですか?高校生物で真核生物は細菌より古細菌のほうに近いと習ったのですが、原核生物と古細菌の分岐のほうが早いのはなぜですか?単細胞の方が有利というよりも、原核細胞から真核細胞ができるまでに、20億年かかったということでしょう。原核生物(真正細菌、古細菌)が多様化し、従属栄養で高エネルギー生産が可能になる細菌(好気性従属栄養真正細菌)が出現すること、共生の相手方になる古細菌が大型化し、細胞壁を消失させ、細胞膜を使って、異物を貪食できる能力を開発するのに、やはり時間がかかったのではないでしょうか?酸素濃度の上昇など、環境も少しずつ整ってきた可能性もあります。もちろん、20億年前に突然始まったわけではなく、真核生物になるための試みは何度も起こったはずです。しかし、うまくいかなかったケースは時期尚早だったのではないでしょうか?現存する多細胞生物の起源は群性化する立襟鞭毛虫(単細胞)であることがゲノムから明らかにされています。体細胞核と生殖細胞核を持った繊毛虫由来の多細胞生物は見つかっていません。でも、どこかにいるかもしれませんね。生物はあらゆることを試みたので、大半は絶滅してしまっています。古細菌は原核生物です。真正細菌を共生し、真核生物のもとになったと推測されています。真核生物は、理論的には真正細菌と真正細菌の共生or 真正細菌と古細菌の共生 or 古細菌と古細菌の共生のどれかで始まったのでしょう(1次共生)。その後、真核生物と真核生物の共生(2次共生)があったようです。今でも高等生物と細菌の共生はあります。アブラムシのブフネラ菌、植物の内生菌など・・・。

 

疑問:最初の生命体とはどのようなもので、どのようにして生まれたのか?隕石によって飛来したとして、それを証明する手立てはあるのか?どのようにその研究を展開していくのか?地球上で生命が生まれた場合と、隕石によって運ばれてきた可能性があります。の場合は、原始地球の状況を再現し、物理・化学的に有機物を合成し、高分子合成から生命体に持っていく研究で古くからおこなわれています。超高圧、高温、放電条件などで化学合成のアンモニア+CO2尿素+アクロレイン尿酸+アンモニア-O2プリン体にリン酸+りボース(フラノース)が出来れば、核酸が合成できる?RNAそのものに酵素活性があれば、重合して遺伝情報となる?しかしリボゾームがないと、RNAの複製が出来ても、蛋白合成ができない。核酸とアミノ酸が結合するtRNAを作り、RNAから蛋白に置き換える?しかし高次構造蛋白からなるリボゾームがやはり必要・・・。類似の質問がありました。隕石から最初の生物が来てた場合どうやって証明するのですか? 隕石中に水の痕跡、有機体の化石、あるいは有機物(核酸や蛋白や糖、脂質などの痕跡)が存在していれば、生物がいた可能性が高いと思います。

南極で見つかった火星の隕石?ALH84001」には、生命の痕跡があるということで話題になりました。その時の根拠は、1) ALH84001に含まれる炭酸塩が生命に適した温度で形成されたこと。2) ALH84001から見つかった有機物は炭素13を比較的少量しか含んでいなくて、生化学反応の痕跡であること。3) 磁性粒子(磁鉄鉱結晶)がバクテリア由来であること。4) ALH84001から見つかった奇妙な構造はバクテリアの化石であること。その後、磁鉄鉱結晶は非生物的に作れることが明らかにされ、この根拠はなくなりました。

 

現在、世界に存在する細菌の数やウイルスの数は比較的正確に数が推測されていますが、どうやって調べているんですか?僕も気になっていました。1998年、William Whitmanとジョージア大学の彼のチームは、細菌の生存領域として異なる生息域のタイプ(海洋と他の水生環境、土壌、土壌の地下、空気、動物の内部と葉の表面など)を調べて、その生息域の数を別々に推定しました。さらに、生息域は必要に応じてより小さなカテゴリーに分類され(森林土壌対非森林土壌のように)その数が推定されました。しばしば小カテゴリー別に直接、細菌数が算出されました。直接計算が不可能な場合は、公表されている文献に基づいて推定しました。このようにして地球上に存在する細菌数を推定しました。その結果、地球上の細菌総数は5x1030になりました。

 

高校までの理解では鳥類から人類が進化したものだと思っていたのだが、人類(哺乳類)は爬虫類のある一種から進化したことがわかった。また、高校生物ではあまり習わなかった五界説についてまだ最初の方であるけれど細菌やウイルスの違いなどについて理解することができた。鳥類が爬虫類から分岐したのは、ほ乳類が爬虫類から分岐したよりもかなり遅いと考えられています。始祖鳥は、現生鳥類の直接的な祖先ではありませんが(系統のとぎれた絶滅種)、ジュラ紀2億年前~14600万年前)の後期、15000万年前のものです。哺乳類の起源は古く、既に三畳紀後期、22500万年前には、最初の哺乳類といわれるアデロバシレウスが生息していました。そのルーツは、古生代に繁栄した単弓類 (Synapsida) のうち、キノドン類 (Cynodontia) です。単弓類は、爬虫類双弓類 (Diapsida) とは石炭紀3.5億年~2.9億年前中期に分岐し、独自の進化をしていました。単弓類は、ペルム紀末の大量絶滅(約25100万年前)において壊滅的なダメージを受け、キノドン類などごくわずかな系統のみが三畳紀まで生き延びました。

 

生物の進化について学んでいるが、そもそも生物が進化しない時の条件はハーディバインベルグの法則が成り立っている時と高校生物では習った。しかしハーディバインベルグの法則の内の45個のうちのどれを棄却する?)を常に満たすのは困難だと思った。しかしそれでも僕らが今生きている時代で僕は進化というのを目の当たりにしたことがない。この4個の条件を満たしていても特別に進化する時などはあるのか?また進化とは僕らの気づかない内に少しずつ少しずつ起こっているものかなと疑問に思った。吉川先生、解答をお願いします。ここで問題としている時間は40億年です。突然変異の累積は新種を作り出すには十分すぎる時間です。また、生命史を見れば、最低5回の大絶滅期があり、生物の大半が死滅するという、強烈な選択圧をくぐってきています。もともとハーディ・バインベルグの法則が成り立たないことを前提に考えています。他方、我々が生きている実時間はせいぜい100年以下です。周りの生物で進化を見るのは難しいかもしれませんが、例えばインフルエンザウイルスの遺伝子を見ればわかるように、流行ごとに遺伝子再集合(リアソート)や突然変異により進化?します。しかし、この場合は自然選択と突然変異がありますね。進化と多様性は、基本的にはゲノムの複製時の遺伝子組み換えと読み間違いによる突然変異を基本としているので、常に少しずつ起こっているとも言えますね。

理解できなかったこと:細菌の構造について質問です。鞭毛が生えている根元の器官ですが、図では細胞膜上にあり、細胞膜・細胞壁を貫通しています。今まで習った範囲ですと、この様な器官は見たことがありません。鞭毛の他にも同じような器官が存在するのでしょうか?線毛も類似の構造です。「線毛は機械の中心から伸び、その長さは細胞の大きさに匹敵することも珍しくない。機械は細胞壁を完全に貫通して存在している。細胞膜に埋もれている回転モーターは新たなサブユニットを追加し、襟の部分は伸びる線毛を外膜の外に誘導する。環状のタンパク質は二層の膜間にある空間を満たしているペプチドグリカン層に機械全体を固定する。」と書かれています。ゲノムをやり取りするには、細胞質同士をつなぐ必要があるので、性線毛は中空で、互いの細胞質に直接開口しているはずです。

疑問:隕石が衝突し、それによって多くの生物が滅んだにも関わらず、なぜ多く生き残ったのがげっ歯類であったのか。本来なら体の大きな爬虫類や両生類などが生き残るのではないのか。また、それらの動物はなにを食べて生き残ってきたのか。6600万年前、直径約1015キロメートルの小惑星が地球に衝突し、恐竜がほぼ絶滅しました。衝突により、約10兆トンの二酸化炭素、1000億トンの一酸化炭素、さらに1000億トンのメタンが一気に放出されたといわれています。また、発生した火災と衝突の衝撃で巻き上げられた塵埃が太陽の光を遮り、全地球規模の気温低下を引き起こし、その結果、植物の光合成が劇的に減少しました。低酸素と低温と少ない食料の中では、恒温(内温性)動物で小型の雑食性で夜行性のげっ歯類に近い哺乳類の祖先が生存に有利となり、生き延び、爬虫類がほろんだ空隙(ニッチ)を埋めるように、繁栄・多様化したと考えられています。大量消費の大型の変温(外温性)動物は、こうした環境には適応できませんでした。

 

質問:地球上の最初の生命体である細菌の多様性は、化学合成独立栄養細菌から、嫌気性従属栄養細菌、嫌気性光合成独立栄養細菌、好気性従属栄養細菌ときて何故、「好気性光合成独立栄養細菌」が誕生することがなかったのか、その理由があるのか、それとも、存在していたのか、が分かりません。最初は確かに、「嫌気性光合成独立栄養細菌」の方が多かったのですが、シアノバクテリアは酸素を産生する独立栄養の光合成菌細菌です。酸素に耐える能力を持っているので一応好気性と考えられます。しかし、シアノバクテリア(葉緑体)とαプロテオ菌(ミトコンドリア)の両機能を同時に備えた真正細菌が存在したかどうか?真面目に考えていませんでした。インターネットに素晴らしい、専門家の回答がありました。事態はかなり複雑のようです。シアノバクテリアは、酸素発生型光合成(光化学系Iと光化学系IIが機能する光合成)を営む原核生物として定義されます。ただ、生活様式(代謝系)としては、シアノバクテリアは多様な生物群を包含しており、また、その性質も環境条件によって大きく変化することがあります。1)進化の過程でシアノバクテリアがどのようにして出現したかは不明です(狭義の光合成細菌が起源に関係していることは明らかですが)。シアノバクテリアが出現する以前から地上には低濃度ではあるが酸素が存在していて、酸素を消費する代謝系が発達していたようです。酸素を還元して水に変化させるシトクロム酸化酵素(酸素呼吸の鍵酵素)もその一つです。このような時代から機能している酸素除去系がシアノバクテリアにも備わっています。シアノバクテリアが備えている酸素呼吸の能力が、最初から備わっていたものか、その後の進化の過程で獲得されたものかは分かりません。2)現生のシアノバクテリアには酸素呼吸の機能が備わっているようです。ただ、外部から与えるグルコースなどを取り込んで従属栄養的に増殖できるシアノバクテリアは比較的限られているようです。3)酸素発生の機能(光化学系IIの機能)を備えることによってシアノバクテリアの細胞では、非光合成細胞と比較して、酸素濃度が一万倍程度にも高まったと見積もられています。それに伴って酸素に耐える代謝系が整備されて行ったのだと思います。酸素の存在下で生育する生物と言う意味で、シアノバクテリアは好気性生物です

 

理解できなかったこと:細菌の性転換の仕組みについては講義資料より理解できたのですが、細菌の性転換は何を感知して行われるのですか?仮に集団内の性の偏りが感知されて性転換が行われるのだとしたら、の個体が減少して新たにの個体が必要になるというパターンも考えられると思うのですが、そうした場合は講義資料とは逆にからに性転換することも可能なのですか?とても面白い質問です。しかし、生物の世界で雌と雄の比率が1:1に近いケースはむしろ少ないでしょう。2倍体で性染色体をもつ高等生物でも魚類、両生類、爬虫類までは性染色体にかかわらず性転換します。雌雄比はあまり関係しません。環境影響の方が大きいのです。単純な生物では、一般に環境が良いと雌になり、環境が悪化すると雄が出現します。もっと単純な生物では、環境に恵まれれば無性生殖になります。しかし、鳥類と哺乳類くらいは性染色体に従って、約1:1の比で出現します。おそらく、感知するというより、fプラスミド(f因子)を持つ細菌が性線毛を伸ばし、fプラスミドのない細菌にヒットした時、性線毛が繋がるのでしょう。fプラスミドを持つ細菌(雄)が2分裂するとき、fプラスミドの入らない方の菌は、雌になるでしょう。またHfrの雄菌は受精させてもfプラスドは崩壊し、受容菌は雌のままです。fプラスミドによる性転換は1万回に1回くらいの頻度と言われています。

 

理解できなかったこと:深海熱水噴出孔や塩田などはどの生物にとってもかなり厳しい環境なのでかなり大きな進化を遂げないといけないと思うのですが、なぜ古細菌はそのような進化をできて魚などの生物はそのような厳しい環境にも適応できるようにならなかったのですか?とても面白いが、難しい質問です。おそらく、古細菌が分岐した時期(38億年前)は、地球の環境がとても厳しい(高温、高圧、高塩?・・・)状況だったと思います。その後、地球が次第に冷え、雨で薄められる、酸素濃度が上がる・・・など、住みやすい環境になり真正細菌が栄える世界になったのでしょう。極限状況に適応した細菌は少なく、ほとんどが古細菌として進化が止まったのでしょう。魚類などは5億年前に分岐した生物種ですから、極限状況では生存できない細胞から体が出来ています。

 

質問:1946年にLederberg,J.が大腸菌に雌雄の区別があり、有性生殖を行うことを発見してノーベル賞の受賞したとありましたが、雌雄の区別があって有性生殖を行えるのは大腸菌だけですか?また、細菌には環状DNAである、プラスミドが存在していますが、なぜ細菌にはプラスミドが存在しているのですか?その存在する経緯と雌雄の区別以外の役割は何なのでしょうか?Fプラスミドには、大腸菌の接合とDNA組換えに関与するF因子があります。しかし、大腸菌以外にもFプラスミドはあります。コレラ菌のP因子,緑膿菌のPF因子などです。プラスミドは細胞内で複製され、娘細胞に分配される染色体以外のDNA分子の総称です。原核生物の細菌や真核生物で真菌類に属する酵母の細胞質内にも存在します。宿主のゲノムDNAとは独立して自律的に複製を行います。F因子のようにプラスミドとして細胞質内に存在し、遊離の状態と染色体に組込まれた状態の二つの状態をとることのできる因子をエピソーム (episome) と呼びます。エピソームにはF因子のほか、薬剤抵抗性を支配するR因子 (resistant factor) 、コリシン産生因子、病原性プラスミドなどがあります。プラスミドの由来は、ウイルス同様、明確にはなっていません。

 

1回で理解できなかったこととしては、「生命の誕生は40億年前?」のスライドにおいて、研究者らはカナダで見つかった化石は非生物学的理論が当てはまらないので地球最古の生命体の痕跡(有機体)と確信しているとありましたが、その理論とは一体どういうものなのでしょうか。どんな結果から得られた確信なのでしょうか。ケベック州北部のハドソン湾で見つかったこの化石は、年代的(放射性同位元素による分析?)に37億7千万~42億8千万年前のものと判断されたこと。化石は、酸化鉄の単繊維とチューブからできており、生物の構造に類似していること(海底の熱水噴出孔のまわりにいる今の微生物が作る構造物に極めて類似)、酸化鉄が原始細菌により生成されたものと推測されること(炭素化合物と酸化鉄からなる微粒子が見つかった)。構造物のまわりにはリンを含む鉱物もあったこと。リンは生命の基本構成元素の1つで、死骸が腐敗するときに放出される。今回発見された構造物の分布は無秩序でなく規則的だったこと。当然、異論も出ています。

 

理解できなかったこと:太陽と地球はほぼ約46億年前に誕生したと言われており、45億年前には海ができ、原始生命体は原核生物(細菌)だというとが分かった。また、約38億年前には真正細菌から古細菌が分岐しました。この時代、生命の歴史の40億年の半分は細菌だけの世界であると分かったがどんな世界だったのだろうと思った。細菌だけの世界といっても、原始地球の隕石やガス、マグマ噴火の灰や高圧の大気、超高熱のマグマと冷えだした地殻、放電や雷、暴風の世界から始まり、水蒸気が雨になり、海が出来、地球から欠けた月が近くにあり、強烈な潮の満ち引きによる大波の中で原始生命である化学合成独立栄養嫌気性細菌が出来た?そのあと独立栄養菌を食べる?あるいは彼らの作った有機物を利用する嫌気性の従属栄養細菌(発酵菌)が出て、弱肉強食の世界の戦いを始めたでしょう。そのうち極限世界に生きる古細菌が分かれ、すみかを広げていきます。最も繁栄した嫌気性の従属栄養細菌が化学合成独立栄養細菌を駆逐し、また、独立栄養菌が利用できる無機物が減ってきたとき、太陽エネルギーを利用して光合成(炭酸ガスと水から糖を作る)をする嫌気性光合成独立栄養細菌がでてきました。その中でシアノバクテリアは光合成で糖とともに酸素を産生するようになりました。海水中の酸素、大気中の酸素濃度が上昇すると今度は、強烈な好気性従属栄養細菌が出現し、主流派となりました。といったストーリーが考えられます。もちろん、いろいろな例外はあります。例えば硝酸菌や硫酸菌のような化学合成好気性菌は、ずいぶん古くからいたようです。

理解したこと: 抗生物質は、人間の手で開発した?ものではなく、細菌の攻撃・防御手段等である事に衝撃を受けました。耐性菌も、もともと持っているDNAが発現をして耐性を持つようになった細菌であるとお聞きして、突然変異では無いんだなと少し安心してしまいました。抗生物質の詳細が、理解出来ました。突然変異で簡単に耐性遺伝子ができるわけではありません(頻度は少ないのですが、遺伝子の突然変異で耐性が獲得されるケースもあります)が、多くの耐性遺伝子はプラスミドにより運ばれるので、突然耐性菌になる(耐性を獲得する)ことはあります。また耐性遺伝子には多様性があります(細菌種により点突然変異が起きている)から、問題は複雑です。一度に、数種類の耐性遺伝子を持つプラスミドが伝搬すると、突然多剤耐性菌になります。

 

理解出来なかったこと:講義の中で錐体細胞は、ヒトでは3種類であり魚類は4種類もつと聞きましたが、進化は必要不必要が大きく関わっているもので夜行性ならば2種類に減るなどは理解できますが、魚類などが4種類以上の錐体細胞を持ち様々な色を認識するのは何故なのでしょうか? 視覚系の進化の中で解説します。魚類でも、ほとんど色覚細胞を持たないものもありますし、昆虫でも同じです。バクテリアロドプシンを基本として、その後、進化の過程で遺伝子が変異、重複を起こし多様化しました。それぞれの系統の生物が環境に合わせて(主に捕食・餌と外敵からの避難のための色の識別に利用)遺伝子を残したり、不活化したりしたのでしょう。基本的には昼行性動物は色覚細胞の種類が多く、夜行性(深海)の動物は色覚細胞の種類が乏しいといえます。集蜜昆虫は花の多様な色を識別するのに必要と思います。魚は熱帯魚のように非常にカラフルな種が多いことや水深による光の透過波長の違いと関係するかもしれません。魚の網膜では、上方(光が多い)を見る部分と下方(光が少ない)を見る部分で波長域の違う錐体細胞が並んでいるという報告もあります。

理解できなかったこと:何のために子孫を残すのか、というのは前々から疑問に思っている事だ。人間が獲得した娯楽的な感情で人生を楽しむのはいいが、他の生物は何をもって一生を良しとするのだろうか。ウイルスもRNA(ゲノム)をわざわざ他の細菌を利用してまで増やしていくが、生き物が増えようとするのは何が目的なのだろう。漠然とした疑問ばかりになってしまいすみません。生き物が生きる目的は、個が一生を生きることとは少し違うかもしれません。般若心経の中に不生不滅、不増不減という節があります。地球が生まれてから現在まで、多くの生物が生まれ滅び、また生まれてきていますが、物質の総量で見れば、ほとんど変わっていないと思います。生き物が増えようとするのは、物質を循環するためであり、物質を循環させるということは、エントロピーを減少させ、永遠の平衡状態(死)に持って行かないためでしょう。地球の鼓動のようなものかもしれません。地球が鼓動をやめるときは、膨張する太陽に飲まれる時か、その前に人間がこの物質の循環を止めてしまう時か?生物の多様性も環境の保全も、エントロピーの減少を保障しようという思いなのではないでしょうか。答えになっていますか?

 

質問:今回の授業において、最後に出てきた細胞の性転換がよくわかりませんでした。Fプラスミドが性別を決定し、それを細菌同士で与えあうように合成させていくことはわかりますが、もう一つの組み換えの部分はわかりませんでした。最初の方は、Fプラスミドのコピーが性線毛を通して供与体(雄)から受容体(雌)に移入され、雌から雄になるプロセスです。この場合は、両細菌の遺伝子組み換えは起こりません。性転換といえます。しかし、その後、染色体にFプラスミドが組み込まれることもあるかもしれません。後の方は、Fプラスミドが細菌の染色体(雄)に組み込まれている場合です。この時は、Fプラスミドとともに供与体(雄)の染色体も一緒に受容体(雌)に移入します。そのため受容体(雌)では、相同遺伝子の組換えが起こります(我々が配偶子を作るときに減数分裂するのと同じです、両親から来た相同染色体間で遺伝子の組み換えが起こります)。この時Fプラスミド部分は分解されてしまうので、受容体細菌(雌)のまま組み換え遺伝子を持つ、全く新しい細菌(雌)になります。

判らなかったこと・疑問に思ったこと:生物の始まりは海中で嫌気性の独立栄養生物からで、次に嫌気性の従属栄養生物が生まれ、嫌気性で独立栄養で光合成をする生物が誕生したということである。ここで疑問が生じた。最初の嫌気性で独立栄養の生物は海中のどの深さで誕生したのだろうか。仮に海底の熱水噴出孔のような栄養の多い場所で生まれたとすると、深海には光が届かないので、光合成をする細菌が生まれる頃までに光が届く深さで生きられる能力を獲得したのだろうか。海中には水圧があるので、深さが浅くなれば深海魚のように膨張して死んでしまうのではないか。また仮に最初から浅い海の中で誕生したとすると、現に熱水噴出孔の周りなど深海にも細菌が生息していることから、高まる水圧を克服できる能力を獲得し深海まで生息域を拡大したのだろうか。以上、海中で誕生した最初の生物と水圧に関して疑問に思いました。面白い質問です。超高圧と高分子、生物との関係は、わたくしのHPのうち「超高圧と生物」を見てください、いろいろなデータが載っています。については、好圧細菌はゲノム解析から見ると拡大域を広げていったようです。ありません。超高圧による細菌破壊力からみて細胞壁の厚いグラム陽性菌は400Mpa4000気圧、4万メートル)くらいまでは耐えるようですし、芽胞は約1GPaですから水深10万メートルの水圧でも生存します。等浸透圧の多細胞生物とは違います。はわかりません。原始地球での最初の生命体は原始海の波打ち際で低分子から高分子化し、RNA合成からはじまったという考えが多いようです。この時期は大気中のガスやマグマの噴火やほこりで太陽光はまだ地球まで十分届かなかったと思われます。

 

理解できなかったこと:深海熱水噴出孔や塩田などは、どの生物にとってもかなり厳しい環境なのでかなり大きな進化を遂げないといけないと思うのですが、なぜ古細菌はそのような進化をできて魚などの生物はそのような厳しい環境にも適応できるようにならなかったのですか?とても面白いが、難しい質問です。おそらく、古細菌が分岐した時期(38億年前)は、地球の環境がとても厳しい(高温、高圧、高塩?・・・)状況だったと思います。その後、地球が次第に冷え、雨で薄められる、酸素濃度が上がる・・・など、住みやすい環境になり真正細菌が栄える世界になったのでしょう。極限状況に適応した細菌は少なく、ほとんどが古細菌として進化が止まったのでしょう。魚類などは5億年前に分岐した生物種ですから、極限状況では生存できない細胞から体が出来ています。

 

1つ目は、細菌は、化学合成独立栄養嫌気性従属栄養嫌気性(発酵)光合成独立栄養嫌気性従属栄養好気性と登場しましたが、光合成を行う働きはどこから来たものなのでしょうか。光合成を行うようになったきっかけを教えて下さい。一般には、原子大気を覆っていたガスや大気中のヘリウムや炭酸ガスが減って、太陽光が豊富に海に届くようになった。隕石やガスに入っていた化学物質の濃度が化学合成細菌及び嫌気性従属栄養菌の食物連鎖で減少しつつあった。そのため、太陽エネルギーを利用して炭酸ガスと水から糖と酸素をつくる細菌が出現し、繁栄したと考えられています。
2つ目は、吉川先生は、講義の中で人間の体内(消化管内)の細菌は嫌気性が多いと仰いましたが、その理由は好気性になるには酸素が少ないからでしょうか。そうです。それとも、嫌気性に適しているほど硝酸が多いのでしょうか。理由を教えて下さい。消化器系の酸素濃度は、呼吸器系と異なり、低いです。細菌に限らず消化管内の寄生虫でも嫌気性呼吸をするものが多いです。文献的には、大気の酸素濃度(Po2)は145Hg(21O2), 健康な肺胞の酸素濃度は100110Hg、健康な大腸の濃度は10Hg以下と報告されています。

 

ここからは、第2回講義に関する面白かった質問とそれに対する回答集です。色々な質問有難う、勉強になりました。

 現代生物進化第回質問回答まとめ

質問:アメーバの貪食がとてつもない勢いで、白血球などと比べると全く違うという話がありましたが、なぜ人体の防御的機能である白血球系の貪食はアメーバのように激しくないのでしょうか?それくらいの勢いがあった方が風邪やインフルエンザにかかることがなかったのではないのでしょうか?面白い質問です。しかし、多くのアメーバは環境中で単独で生きていくために栄養源として餌を食べます。他方、白血球は血液中の栄養素は細胞膜上のトランスポーター分子などにより取り込むので、栄養源を食べる必要はありません。血液中に侵入した異物(細菌やウイルス)のみを貪食すればいいのです。宿主に寄生し、共生できたアメーバと環境中で独自に生存するアメーバを比較すると、貪食能力や運動能力などが違うかもしれませんね。

 

質問:古細菌はユーリ、クレン、ナノ、コル・アーケオータの4つに分類されるとありクレン古細菌は好熱菌を中心としたグループで、ユーリ古細菌はメタン菌や高度好塩菌を中心としたグループとありましたがナノ古細菌とコル・アーケオータ古細菌はどのような特徴のグループですか?また、ユーリ古細菌は古細菌の8割以上、クレン古細菌は古細菌の2割とありましたが残りの2つはほとんど存在しないということですか?ナノ古細菌とコル古細菌は、新しく見つかったグループで、現在、それぞれ数株程度です。純培養は出来ていないようです。ナノ古細菌(最初の発見は2002年と非常に新しい)は、クレン古細菌に寄生する特別なグループで、細胞の大きさやゲノムサイズが極端に小型化している古細菌です(通常の細菌よりも小さい)。これまで数系統が知られている程度です(好熱菌に入ります)。コル古細菌は1996年にrDNAの解析から、クレン古細菌、ユーリ古細菌と違うグループということになりました。2008年全ゲノム解析が行われました。クレン古細菌に近縁で好熱菌ですが、2018年現在、純培養はできていません。従って、現在わかっている限りでは、ユーリ古細菌とクレン古細菌がほとんどです(合わせて502種、推定950種ですから、同定されている古細菌で400種がユーリ―古細菌、100種がクレン古細菌という割合でしょう。推定種数はその約2倍)。

 

理解できたこと:二次共生についてです。以前から細胞内共生説は聞いていましたが、単細胞が2回も共生できることは初めて知りました。共生によって器官が増えることは利点だと思いますが、資料のように四重膜までいくと、膜内外の輸送や膜タンパク質の作成が大変だと思いました。膜が通常より多い分、輸送や膜タンパク質が多くなると思うからです。だから動物や植物は二重膜までしかないのでしょうか。ミトコンドリアの外膜は真核細胞の細胞膜、内膜はαプロテオ菌由来と考えていいようです(両方の膜の脂質成分、蛋白とリン脂質の重量比、膜蛋白の種類・機能の違いから)。しかし、植物の葉緑体については外膜も内膜もシアノバクテリア由来という説になりつつあります。3重、4重膜の葉緑体は、細胞内にあっても基本的には食胞内にある細胞外共生(ミドリムシ型)という考え方です。植物の葉緑体は、真核細胞に取り込まれたのち食胞の膜は消失する。シアノバクテリアの外膜と内膜が残ったと考えられているようです。僕も初めて知りました。複雑ですね。https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=3632

 

疑問:ミトコンドリアが増殖をする際に内側の膜は自身のDNAから作ればよいと思うのですが、外側の膜の遺伝情報はどうするのでしょうか?宿主の細胞膜のDNAを取り込む仕組みがあるのでしょうか?ミトコンドリアを標識して顕微鏡下で生細胞を観察すると細胞内でミトコンドリアが活発に動き,ミトコンドリア相互の融合と分裂を頻繁に繰り返している様子を観察することができます。細胞内膜の合成は、ほとんど小胞体(ER)で行われ、細胞小器官から出芽した小胞が細胞質を移動し、細胞膜に取り込まれます。このメカニズムで分裂したミトコンドリアを包むのかもしれません。ERでは、細胞質に向いている側の脂質層は常に一定です。膜の合成過程では、小胞体の内腔にて、脂質はまず膜の細胞質側に取り込まれ、フリッパーゼによって一部は細胞外部側へ運ばれます。また、ミトコンドリア膜の融合蛋白(Mitochondria fusion: Mfn)であるMfn2はミトコンドリアのみならず小胞体にも一部局在し,このERMfn2がミトコンドリアのMfn1またはMfn2と複合体を形成することで,ミトコンドリアとERが結合するとの報告がなされています。

 

2019年秋①の学生さんの質問から思わぬことがわかりました。

真正細菌と真核生物は細胞膜がエステル型脂質なのに対し、なぜ古細菌だけエーテル型脂質の細胞膜を持っているのでしょうか。エステル型とエーテル型の細胞膜で、なにか違いはあるのですか。大きな違いがあります。真正細菌と真核生物の細胞膜脂質は、オキソ酸(カルボニル基を持つ脂肪酸)とグリセロール(アルコール)が縮重合(エステル結合R=O-OR)しています。全体は脂肪酸にグリセロール(3位)+リン酸です。反対側の疎水部を中に入れて、脂質2重膜を合成します。古細菌の細胞膜は、イソブレン(C5)を単位とした炭素鎖からなる脂質とグリセロールが結合したエーテル結合(R-O-R)です。脂質の両側にグリセロール(1位)+リン酸が付くので、両側が親水性になります。結果として真正細菌と真核細胞の細胞膜は脂質2重膜、古細菌の細胞膜は脂質1重膜です。しかし、例外はあるようです。以前、上に示したように(手書きの図ですが)、細胞膜の脂質2重膜と細胞内オルガネラの1重膜の議論をしました。あの時は、いまいちはっきりしなかったのですが、もう一度、その由来について考えてみます。

理解できなかったこと:また共生の話です。ミトコンドリアの由来のプロテオ細菌が二匹いたとして、その二匹が同時に一つの真核細胞に共生したら、できた細胞の二つのミトコンドリアは別々のDNAを持つのでしょうか。それとも片方しか生き残れないのでしょうか。似た状況は精子と卵子が受精した時、父方のミトコンドリアと母方のミトコンドリアが1つの細胞に入りますが、父方のミトコンドリアはすべて消失してしまい、母方のミトコンドリアしか残りません。また、共生により小器官が増えたら原形質流動はやりにくくなるのではとおもいます。原形質流動は細胞壁があればなおさらです。動物細胞の細胞質ではアクチンケーブルなどの上をダイニンやキネシンなどの移動蛋白にのせて物質輸送が行われるので、ゴルジ体や小胞体のような細胞内膜小器官が増えても問題ないと思います。そうしたらこの生物は体を大きくすれば問題ないと考えます。この繰り返しをすると、いつかは人間のような大きさの単細胞生物ができるのではないでしょうか。なぜ今の地球ではこのような生物が見当たらないのでしょうか。人間サイズのゾウリムシがなぜ存在しないか?もしできたとしても、多細胞動物の餌になってしまったのではないでしょうか?多細胞動物が3胚葉化し、臓器、組織、器官を発達させ、神経系で統合させ弱肉強食を基礎に共進化してきたことを考えると、このゾウリムシは、先カンブリア紀に栄え、カンブリア紀の生物爆発で滅びたエディアカラ生物の巨大生物のようなイメージになるのですが。でも、競争相手のいない極限世界や独立栄養生物しかいない環境では、生きているかもしれませんね。

 

疑問に思った点:鞭毛虫類のランブル鞭毛虫は、2分裂の無性生殖で増殖し、ミトコンドリアが消失し、代わりにマイトソームを持つようになるとのことですが、マイトソームになった後の無性生殖個体からは一切ミトコンドリアは出てこないのでしょうか。無性生殖は宿主の真核細胞(ジアルジア;ランブル鞭毛虫)のゲノムの複製です。マイトソームはミトコンドリアの遺物で、核に移動したミトコンドリアのゲノムによりコードされています。ミトコンドリアゲノムは、宿主のゲノムに移動してしまったので、再びミトコンドリアとして独立することはありません。また、マイトソームは酸化的リン酸化をしないと調べたら出てきたのですがどのようにエネルギーを得ているのでしょうか。ジアルジアは嫌気性呼吸(酸素を利用しない発酵などの呼吸、ジアルジアは酢酸発酵でATPを作ります)によりエネルギーを得ています。参考資料です。https://www.natureasia.com/ja-jp/natecolevol/interview/contents/4

 

トリパノソーマの構造のところにて:ヒルは魚類・両生類・爬虫類/吸血性節足動物は爬虫類・鳥類・哺乳類に寄生すると書いてあるが、なぜ爬虫類だけヒルにも吸血性節足動物にも寄生されるのか?教えてください。勘違いです。2つの宿主をもつトリパノソーマは脊椎動物の血中と吸血動物の腸管が主な寄生部位です。脊椎動物のうち水生の魚類・両生類・爬虫類を宿主とするトリパノソーマ種はヒルにより媒介され、陸生脊椎動物の爬虫類・鳥類・哺乳類を宿主とするトリパノソーマ種は吸血性の節足動物により媒介される。という意味です。おそらく環形動物の水生ヒルに適応した古いトリパノソーマは、水生の魚類、両生類、爬虫類を第2の宿主とした。それに対し、吸血性の節足動物(陸生)に適応した新しいトリパノソーマは、陸生の爬虫類、鳥類、哺乳類を第2の宿主としたのでしょう。ヒルは哺乳動物にも寄生します。ただ哺乳動物にトリパノソーマを媒介するヒルがいないということです。

 

ゾウリムシはなぜ配偶子も接合子も生じさせないという特殊な分裂をするのですか?

ゾウリムシは無性生殖と有性生殖をおこないます。無性生殖は2分裂によります。体軸方向の前後の部分に分かれるようにして分裂します。有性生殖では、精子や卵子といった配偶子は形成しませんが、生殖核を交換する細胞の接合が行われます。具体的には、接合に先立ち、大核(体細胞核)が消失します。残った生殖核である小核が減数分裂を行い、4つの核に分かれます。このうち3つは消失します。残った1つがさらに2つに分裂し、このうち1つの核を互いに交換します。その後、それぞれの細胞内の2核が融合することで接合は完了します。しかし、2個体のゾウリムシでは、細胞そのものの融合は行われません。接合後に大核は小核を元に改めて形成されます。

 

質問:ミトコンドリアや葉緑体が二重膜なのは共生によるものだと高校で習ったのですがもとの細胞をA、共生した細胞を小器官BとするとBの外膜は元々Aの細胞膜ということになり、Bの内膜はB由来ということになるのでしょうか?その通りです。膜はリン脂質と膜蛋白からできていますので、外膜、内膜の特徴は、リン脂質と膜蛋白が真核生物の膜由来か?原核生物由来の膜か?で特徴づけられます。外膜の組成は真核生物の細胞膜と同様に蛋白とリン脂質の重量比がおよそ1:1です。外膜にはポリンという膜蛋白が大量にあり、分子量5000以下の分子が自由に透過できるようなチャネルを形成しており、外膜の進化的起源は真核生物の細胞膜系だと考えられています。他方、内膜はミトコンドリアの機能を担う酸化的リン酸化に関わる呼吸鎖複合体などの酵素群が規則的に配列しています。外膜とは対照的に基本的には不透性で、内外で物質を輸送するためにはそれぞれの物質に対して特異的な輸送体が必要となります。内膜にはミトコンドリアを構成する全蛋白質のおよそ2割が含まれており、蛋白質とリン脂質の重量比は3:1です。内膜の進化的起源は共生細菌の細胞膜を由来としており、内膜に特徴的なリン脂質カルジオリピンの存在がその証拠と考えられています。

 

質問:トリパノソーマは口になるような器官が図には有りませんが、寄生してどのように宿主から栄養の吸収を行っているのですか?よく気が付きましたね。胞子虫の中でもマラリア原虫、トリパノソーマ、リーシュマニアなどの血中に寄生する原虫は、体表の細胞膜に位置する輸送タンパク質(トランスポーター)を使用して、宿主から大量の栄養素を獲得します。そのため環境中で生きるアメーバや繊毛虫、鞭毛虫のような貪食機能は発達していません。

 

質問:人間の血液は常に新しく更新されていくのに対して、人間が住血胞子虫に属しているマラリア原虫に感染したとき、マラリア原虫はどうして古い血液と一緒に死ぬことなく、さらにマクロファージなどの免疫系によって排除されることなく、血液中に住み続けることができるのか、が分かりませんでした。マラリア原虫も古い赤血球と一緒に処理されます。しかし、それ以上に無性生殖します。原虫もいろいろな手段で生体防御系を潜り抜けます。抗原変異をして免疫系から逃れる。抗原量を増やして免疫系を麻痺させる。シストを作り免疫系に認識させない、免疫系のシグナル経路を阻害する。マクロファージに貪食されてもライソゾームとの融合を阻止する、ファゴライソゾームとなっても分解酵素活性を阻害する・・・などなど複雑です。でも宿主も寄生体に対して遺伝的抵抗性の変異をします。HPの「病原体の科学」第14回に詳しく書いてあります。また、ウイルスの逃げ方は第5回に書いてあります。

 

質問:藻類で群体を作るイシクラゲやネンジュモなどは数珠繋ぎとなった細胞の中に糸状の藻体があるとの事でしたが、群体となるメリットはあるのでしょうか?あると思います。群体のサイズとエネルギー消費の関係は、正比例ではなく、個体の数が増えれば増えるほど、一個体あたりのエネルギー消費は一定の法則(べき乗則)にそって減っていくようです。群体は単なる個体の集合体ではなく、群体としてエネルギー収支をつけているようです。

 

分からなかったこと:原生生物でトリパノソーマを出されていましたがトリパノソーマは具体的にどのような症状を引き起こすんでしょうか?ハテナについてですが、ハテナは分裂で増殖するんですか?また分裂したときに藻類と原生生物に分かれるとおっしゃつてましたが両方の特徴を持つ(ハテナのまま)増えることはできないんですか?症状:アフリカトリパノソーマ症は、最初の数か月は無症状。その後、高熱、頭痛、関節痛、肝や脾、リンパ節腫脹。進行すると嗜眠、死亡。アメリカトリパノソーマ症は発熱、眼瞼腫脹、リンパ節炎、その後、肝・脾腫、貧血。死亡の原因のほとんどは心筋炎。2分裂で増殖します。その時、共生体と宿主の分裂が同調していません。そのため片方の娘細胞(鞭毛虫)には共生体(緑色藻類)が共生します(ハテナのままでいる)。他方の娘細胞は鞭毛虫だけになります。ただ、機会があれば鞭毛虫は緑色藻類を貪食し共生する(ハテナに戻る)ことが出来るようです。

 

疑問点:今回の授業でアメーバや繊毛虫のような単個細胞は、人間の一つの器官を構成する単個細胞に比べて、その細胞内構造が複雑で、独自に発達した器官を持っているとい